クレディ・スイス証券集団申告漏れ事件  第5回公判  寄り切り

こんにちは。Victoriaです。

さて、
2012年9月14日、東京地裁第425号法廷にて、
クレディ・スイス証券集団申告漏れ事件で起訴された八田隆氏の第5回公判があった。







6月8日に開かれた第3回公判から、
はやくも3ヶ月。
実は、
8月22日に第4回公判があって、
これこれの証拠を採用して下さいというお願いを、
検察側、弁護側がそれぞれ提出、










検察側の請求はすべて証拠として採用されたのに対し、
弁護側(つまり八田隆氏側)の請求は不同意の山、
司法の壁をまざまざと見せつけられた一幕だった。








今回は、
クレディ・スイス社から証人が出廷した第3回公判に次ぐ大きな山場、










八田隆氏の顧問税理士の先生が証人として出廷。









この事件の争点はただ一つ、











「八田隆氏が故意に脱税したのか否か?」











なので、
その点を明らかにすべく、
弁護側、検察側双方から、
つっこんだ質問が浴びせられた模様。






今回は傍聴していないので、おもにこちらで情報いただきました→八田隆 9月14日 第5回公判まとめ - Togetter


yukimanilaさま、
いつもありがとうございます。









ざっと公判の流れを見ると、
単なるうっかりミスだった話が、
だんだんと事件へと進展していく様が時系列で見ることができ、
もうこれ以上、
どこをつついても、
新たな事実が出てくることはないんじゃないかと思えるほどで、
税理士の先生はじめ、
弁護士の先生、
それから、
検察の人たちも含めて、
みなさんホントに優秀な仕事人だなあと感服してしまうんだけれども、









当のご本人、八田隆氏は、
公判後、
上京していらっしゃったご両親とともに国技館へいらっしゃって、
大相撲を観戦なさった模様。









ご両親は、
毎回、公判に足を運んでいらっしゃって、









おそらく、
海外在住が長かった八田隆氏、
今までできなかった親孝行を、
まとめてなさっている感が・・・









願わくは、
こんな形じゃなかったらもっとよかっただろうけど、
でも、
これも人生、
アンラッキーな状況でも、
何かラッキーなこと見つけていかないと・・・









・・・


さて、
これで二人の証人が出て、
普通の文脈で考えれば、
八田氏が故意に脱税したわけではないことは誰の目にも明らかだと思うんだけれども、











正直な感想を言うと、
これで八田氏の無罪が晴れて証明されるという感じが、全然しない。







検察は、
そんな甘いものじゃないよ、
そんな感じがひしひしと伝わって来て、
こわいくらいなんだけれども、








弁護側は、
ほら、ね、
ここでこんな内容のメール送ってるんだから、
知ってたはずがないでしょ?







ほら、ほら、
ここでもまだ、
のんきにこんなこと聞いてるんだから、
本人、何も自覚してなかったんですよ?









八田隆氏は税務に関しては、
普通の市民レベルの知識しかなかったんですよ、
だから、
よくあるうっかりミスなんですよ、ね?









ということを、
一生懸命に説明しようとしているのだが、








検察や裁判官が確認しようとしていることは、
全然別のところにあるような気がする。









たとえて言うと、










話をプロの領域に持っていかれちゃった感じ・・・???










・・・


毎年、
日本中で、
すごくたくさんの人が税務調査でひっかかり、
その大半の人が涙をのんで追徴金を払っていて、









八田氏のように、
裁判に持ち込む人もいるだろうけど、
その数が少ないことが、
そもそも裁判しても勝ち目はないということを示している。










今回は、
八田氏が公判の様子をソーシャルメディアでライブ中継するから、
法廷で何が起こっているか見ることができて、
へええ〜〜〜そうだったんだ〜〜〜と驚いているけれど、










たぶん、
国税や検察側にとっては、
何も新しいことや珍しいことはなく、
普段通りの手続きを淡々と踏んでいるだけなんじゃないか、








八田隆氏が、
知人・友人に頼んで書いてもらった上申書を、
証拠として提出しようとしたら却下されたとのことだけど、










脱税の公判手続きは、
これこれだ・・・っていうテンプレートがあって、
そこにあてはめているだけなので、
今さらそういうイレギュラーなことを受け入れる余地はなく、
たとえていうなら、
お偉いさんの記者会見で、
会場からの質問は一切受け付けませんといって、
準備した原稿を読み上げるだけっていうのがあるけど、
あんな感じ?









証拠として採用してもらうためだけにも、
公判という手続きを踏まなければならず、
ものすごくハードルが高いということを、
今回改めて思い知ったんだけれど、









確かに、
法に基づいて人を裁くということは、
細かい手続きの積み重ねで、
だからこそ、
安心して法の裁きにゆだねることができるわけで、










そういう手続きに、










故意か過失か?








という、
ほとんど本人しか知り得ない良心の問題は、
なじまない気がする。









あなたの胸に手を当ててよく考えてみて、
正直に言ってご覧なさい







という問いは、
どっちかというと宗教の領域のような・・・








だから、
年柄年中、
知ってて故意に脱税する人たちをあげることに血道を上げている国税や、
罰を逃れるためになら何でも言う人間を相手にしている検察としては、
これこれの事実を知りうる状況にあったといういうことは、
すなわち、
知っていたと解釈しますけどよろしいですね?
という流れに乗るしかなく、
そうすると、
故意だっていう結論は最初から出てたんじゃないか・・・









だから、
ここでいろいろ証拠調べしているけれども、
それで過失だってことを認めるくらいなら、
そもそも最初から起訴されていないんじゃないか、











これだけ有利な証拠が出そろったんだから、
もう大丈夫でしょ?って思っていても、
ここから先、
それをどう解釈するか、というところに、
プロの技を見せつけられるんじゃないか、
そんな気がする。














・・・



ということで、
公判中に明らかにされた事実、証拠、証言などから、
八田隆氏の無罪は鉄板に見えるんだけれども、









むしろ、
公判に出てこなかった事実、証拠、証言が重要で、
それらが出てこないという事実こそが、
裁判の行方を暗に示しているのではないか、
そう思えてならない。








次回公判は9月28日、
いよいよ八田隆氏が登場なさるとのこと。










八田隆氏、
このまま寄り切ることはできるのか?










Victoriaでした。



・・・


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クレディ・スイス証券集団申告漏れ事件 第3回公判 傍聴記 総集編 - Victoriaの日記