大村大次郎 「バレると後ろに手が回る 脱税のススメ」 (6)国税庁の国際度 

こんにちは。Victoriaです。

バレると後ろに手が回る脱税のススメ

バレると後ろに手が回る脱税のススメ

さて、「バレると後ろに手が回る 脱税のススメ」の著者、大村大次郎先生は、
国税調査官なので、
「第4章 税務署を知る」で税務署の裏側をたっぷり紹介。




大村先生によると、
税務調査は調査官によってまったくそのスタイルが違っており、
一度の調査をうまく切り抜けられたとしても、
次も大丈夫だという保障はない。






大村先生が国税に勤務していた頃、
まるで調査をするために生まれてきたような先輩と、
まったく調査には不向きの先輩がいたそうで、






まったく不向きの先輩は、
有名大学出身の高学歴で、
やたら税法には詳しいが、
調査に行ってもほとんど不正を発見できない。





なぜかというと、
その先輩は先方が用意した帳票類しか見ないからで、






納税者にとっては神のような存在。





一方、調査をするために生まれてきたような先輩は、
署内にいるときはいつもおちゃらけており、
仕事ができる雰囲気はないのに、
いざ調査になると抜群の力を発揮し、
いつも大きな成果を挙げてくる。





コツは、
先方の用意した帳票類をあてにせず、
まずは社長や従業員と雑談を交わし、
和やかな雰囲気を作ることに徹することで、







しっかり場をあたためた後で、
引き続き雑談を装いながら、
冗談かましつつ、







「ちょっとここ開けてもいいですか?」
「この中見ますよ?」





てな感じで、
次々と金庫や机の中を調べていく。





そうやって事前に調べておいた不審点を次々暴露、
雑談の中ですっかり気を許していた調査対象がどんどんボロを出していくという・・・






うん、
そうだろうね・・・





大事なところを開ける前には、
まず雑談で場を温めるっていうのは、
コミュニケーションの基本。






日本語には、そういう一連の動作をさす専門用語があって、






前戯





っていうのよ♪








前戯ヌキでいきなり入って来ちゃ、イヤン・・・




・・・

さて、大村先生によると、
ここ十年ほどで、
脱税の手口は大きく様変わりしたそうで、
その原因は、






国際化と高度情報化。





2007年の脱税白書では(そんな白書があるんだ・・・初耳・・・)、
悪質で巨額な脱税事件はFX取引によるものがもっとも多かったらしいし、
(FX取引による巨額脱税事件はこちら→磯貝清明 「突然マルサがやって来た!」 - Victoriaの日記




海外取引を使った脱税は、年々、巧妙化の一途をたどり、
国内取引に比べてはるかに税務調査しにくいため、
摘発される脱税は氷山の一角だと言われる。





たしかに、電話一本で確認することができる国内取引に比べ、
海外の相手先企業に取引内容を開示する義務がなく、
租税条約を結んでいる国の企業であれば調査できる取り決めになっているとはいうものの、、
調査するためには一定の手続きを踏まなければならないなど、
税務署にとって調査に着手するハードルが高い。





しかし、税務署も手をこまねいているわけではない。






大村先生によれば、
国税庁は国際業務課を新たに設け、
国税局も国際調査課と国際情報課を設置、
大規模な税務署では国際税務専門官をおき、
海外取引の脱税を監視。






海外取引専門の調査官を育成するため、
試験で選抜した職員に、
英会話や貿易実務、国際租税の知識などを、
3ヶ月かけて研修させている。






英会話の研修を3ヶ月?






う〜ん、
3ヶ月っていったら、
英検2級の勉強にも足りないんですけど・・・






大村先生も、
ぶっちゃけ、職員の語学力は、
大手企業の駐在員などに比べれば話にならないほどレベルが低いとあっさり暴露。





語学ができて、
税務・会計の知識も豊富な人材はいっぱいいると思うけど、
そういう人はあんまり国税を就職先に選ばないよね・・・たぶん・・・





国税のみなさまがたのご苦労、お察しします・・・





・・・


外資系企業で起こった脱税事件といえば、
クレディ・スイス証券集団申告漏れ事件。
クレディ・スイス証券集団申告漏れ事件についてはこちら→クレディ・スイス証券集団申告漏れ事件 - Victoriaの日記




おそらく、






海外脱税を監視せよ!






の号令のもと、
国税当局が鳴り物入りで調査を始めた矢先に見つかった事例なので、
何が何でも告発せよ!とばかりに、
エース級の調査官を投入して、
国税のプライドをかけて証拠調べをしたんじゃないかと思うんだけど、





だってそうでないと、
告発までに異常に時間がかかったことの説明がつかない・・・






不思議なのは、
この件で唯一告発された八田隆氏が、
「税理士に一任していた」と言っていることで、





どうして税理士の先生がついていながら、
申告漏れしちゃったんでしょう???






これって、
一概に、
税理士の先生のミスとは言えないと思うのね。





大村先生によると、






最強の脱税スキームは無申告。





税務当局は、申告された書類をもとに納税額が正しいかどうかをチェックし、
不審な点があれば税務調査を行うので、
書類が全く提出されていない場合は、
チェックすることができないばかりか、
その事業者の存在自体がわからない場合も多い。






同じように、
税理士の先生も、
顧問先の提出した帳票類に基づいて申告書類を作成するわけで、
事業者が申告に必要だと認識していなければ、
当然その帳票類が税理士の先生の目にふれることはない。





存在自体知らないもののチェックは、
できないから、
当然、無申告ということになる。





・・・ということで、本日の結論 :




複雑でわけわかんない税法を、
わかりやすく納税者に周知徹底しようという努力を怠った、
国税当局の責任は問われないのかしら???






国税庁がいろんな場面で告知してることは知ってます。
例えば、税法が改正されて、
確定申告に直接影響及びそうな場合には、
「確定申告の手引き」
に記載されてるし。






でもね、
ああいうお知らせを見るときって、
いざ、申告書を書こうっていうぎりぎりのタイミングなのよね。





そうすると、
ほんとはその時からさかのぼって一年分の資料が必要だったりしても、





そんなもん、知らなんだら、とっくの昔に捨てとるわ!





あと、
税法改正のお知らせって、
とにかく字が細かくて見にくいし、
まわりくどい言い回しでどーのこーの言われても、
さっぱり・・・






英語よりも、
税法の条文のほうがよっぽどムズイ・・・










一般的に、多くの人に何かを周知徹底するってことは、
想像を絶するくらい大変なパワーを必要とするもので、





例えば、ちっぽけなわが塾でさえ、
授業時間変更のお知らせは、
口頭で伝えるだけでなく、
プリントにして配って、
ホームページにのせて、
黒板に書いて、
自宅にお手紙送って、
念には念をいれてるけど、




それでも絶対、




「そんな話、聞いてねーぞ!」





ってのたまうヤツが必ずいる・・・






・・・ということで、本日の結論 :





確定申告前には、
国税庁長官が朝のワイドショーに生出演して、
税法の改正点についてじかに説明するっていうのはどうかしら?



もちろん、ワイドショーが大好きな、
フリップ使ってね♪





わざと脱税する人もいっぱいいるから、
性悪説にたってしまうのもわからなくはないけれど、
よっぽど気にしてない限り、
見落としてしまうような告知の仕方で、
「税法を知らない者の自己責任だ!」
みたいな言われ方されてもね・・・






いわば、
ちょっとお茶でもどう?って言われたからついて行っただけなのに、
いきなりレイプされちゃって、
「え?知らないの?ボクといっしょにお茶を飲むともれなくセックスがついてくるんだよ」
って開き直られるようなもので・・・





・・・ということで、本日の結論 :




デートレイプみたいな男らしくないことはやめて♪





ムリヤリは感じないからイヤ・・・






Victoriaでした。