岸良裕司著「三方良しの公共事業改革」
- 作者: 岸良裕司
- 出版社/メーカー: 中経出版
- 発売日: 2007/11/17
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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すっごく、楽しい本です。
特に、つなぎを来た職人さんが大好きな私としては、ベテランの親方のうんちくあるお言葉が随所に出てくるので、とてもおいしい本でした。
岸良裕司さんの運動は全国で広まりつつあり、成功事例もあげられていますが、
- 住民よし
- 企業よし
- 行政よし
ほんとに本のタイトルどおり、三方よし、なんですよ。
特に、行政の人にいっぱい読んでほしいなって思いました。
行政の人って、ひとりひとりはすごくやる気のある人が多いのに、なんだか、組織の論理が先にたって個人の力じゃ何もできないんじゃないか、みたいなあきらめがあるけれども、岸良さんの言う「やる虫」が一人いれば、すごく現場の雰囲気が変わって流れが変わると思うんですね。
それが、すっごく単純なやりかた、岸良さんの言うところの「パワフルな問いかけ」っていうのをどんどんしていって、「段取り八分」を徹底するだけで実現できちゃうんです。
この「パワフルな問いかけ」は、ビジネスの場でも、あるいは、個人が何か計画たてるときも役にたつと思いました。
ダメな現場の例としてあげられていたのが、「橋をつくる」という工事の目標を議論していくと、
「目的は何ですか?」
「橋を造ることです」
「成果物は何ですか?」
「橋を造ることです」
「では成功の基準は何ですか?」
「橋を造ることです」
となるというもので、笑っちゃいますけど、でも、実際ダメな時ってこうだよなあ、って思います。
目的は、
・地域の住民の利便性を向上すること
・地元経済を活性化すること
・利益をあげること
などなどであり、
成果物は
・設計書通りの橋を造ること
であり、
成功基準は
・地域住民からありがとうと言ってもらうこと
・利益率を10%上げること
・工事期間20%短縮すること
などなどです。
なるほどなあ。
個人の目標設定なんかでも、この三つがよくわかっていなくって、その結果続かなかったりすること多いものね。
例えば、
目的は、「ダイエットすること」
成果物は「ダイエットすること」
成功基準は「ダイエットすること」
とか。
これも岸良流でいけば、
目的は「健康で活動的な生活を送ること」
成果物は「ムダな脂肪のない肉体」
成功基準は「疲れにくく、肩こりもなく、風邪もひきにくく、体脂肪率が下がること」
って感じ?
まず、手始めに、この本を、地元の市役所で働いている知り合いにすすめることから始めたいと思います。あと、巻末についていたワークシートはコピーして使おうと思いました。
今日から私も「やる虫」(やる気を全面に出し、周囲を巻き込み、やる気を伝播させ、一匹いるだけで現場が明るくなる)を目指します。