内田樹著「邪悪なものの鎮め方」

邪悪なものの鎮め方 (木星叢書)

邪悪なものの鎮め方 (木星叢書)

不透明な時代を生き延びるための「裏テキスト」。

帯にそう書いてありました。

下流志向」以来、すっかり内田先生の本に囲まれるようになってしまいました。

内田先生の本って、あんまりタイトルで選ぶって感じじゃないんです。

なんだかわからないけど、いつも内田先生の本はどこかに置いてあって何となく読んでるな〜っていう状態にさせてしまうのね。

これも中毒かしら。

この本も、最初から一気に読むのではなくて、大事にとっておいて、ちょっと口直しがほしい時なんかにちょびちょび読むようにしてます。

今日、気に入ったのは、
「家族に必要なただひとつの条件」
というタイトルの文です。


>>家族というのはほんらい表層的で単純なものであり、家族の条件というのは家族の儀礼を守ること、それだけだ。それを、愛だの理解だの共感だの思いやりだのとよけいな条件を加算するから家族を維持することが困難になってしまったのである。<<

というような内容です。

「家族の儀礼」ということを、自分の中で言語化したことはなかったので、そういう意味ではすごく目からウロコだったけれども、家族に話し合いなんていらないよなあ、というのはずっと思ってました。

夫婦間で何か問題が生じたり、溝ができたりすると、「よく話し合って今後のことを決めなさい」みたいなアドバイスをするでしょう。

あれって、逆効果だよな、って思う。

下手に話し合いなんかしたって、お互いよくわかってないってことが際だつだけじゃない。

だいたい、「あなたとは話が合わないみたいだから、もう会うのやめよう」なんて言わないようにするために結婚するわけでしょう。

だったら、なるべく話し合いはしないのが夫婦円満の秘訣。

内田先生のそのほかのご本についてはこちら。
内田樹著「態度が悪くてすみません」 - Victoriaの日記
「合理的な人」は結婚にむかない? - Victoriaの日記
内田樹著「日本辺境論」 - Victoriaの日記
内田樹著「下流志向」をめぐる考察(5) プロセスを学ばない子どもたち - Victoriaの日記
内田樹著「下流志向」をめぐる考察(4) まむしの生け捕りの技を継承せよ! - Victoriaの日記
内田樹著「下流志向」をめぐる考察(3) こわれているのは母親たち - Victoriaの日記
内田樹著「下流志向」をめぐる考察(2) 一般化・抽象化ができない子どもたち - Victoriaの日記
内田樹著「下流志向」をめぐる考察(1) 師弟関係から情報産業へ - Victoriaの日記