Mount Vernon(マウントバーノン)

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マウントバーノンは、初代大統領ジョージ・ワシントンが暮らしたところです。
とても広い敷地で、邸宅だけでなく、庭園やジョージ・ワシントン夫妻の墓、農園などがあります。ジョージ・ワシントンは、ここでたくさんの奴隷を使って広大な農園を経営し、目の前を流れるポトマック川で魚を捕ったりしていたのです。大農園主だったのですね。

まず、邸宅に入ってみました。
随所にボランティアの語り部さん達が立っており、ジョージ・ワシントンの暮らしにまつわるエピソードを楽しく語ってくれます。ベッドや食器類など、すべて当時のままだそうです。

農園内ではありとあらゆるものを作っていました。
燻製室や、鍛冶屋の部屋もありました。
鍛冶屋の部屋では、今も現役で農園内で使う柵や釘など昔ながらの製法で作っている人がいました。

ただのデモンストレーションじゃなくって、ホントに農園内で必要なものはここで彼が一人で作っているんですって。すっごい野性的で、でもしゃべりがすんごく知的で、目が釘付けになっちゃったわ。やっぱり体つかって物作りしている男の人ってセクシーよね〜。

必要以上に鍛冶屋の部屋にいた後、農園内を歩いてみました。
動物がたくさんいます。

牛さん

羊さん

りすさん

実は花とか動物に目がないので、気がついたら花と動物のショットばっかりカメラに残っていました。ワシントンに旅行したとはとても思えないフォトアルバムです。半分以上が前日のシェナンドー国立公園と、この日のマウントバーノンの写真でした。

お昼になったので、フードコートへ行ってみました。

セルフサービス式のアメリカンスタイルなのですが、食材が違う!
さすが、ジョージ・ワシントンの農園。
野菜たっぷりのメニューがならびます。

クレープの生地にやさいを巻いたベジタリアン・ロールと、フルーツサラダ、それにクランベリージュースを買いました。全部合わせても12ドルくらい。久しぶりにすっごくヘルシーなメニュー。外にテーブルがあったのでそこで食べました。

食べていたらねえ、いっぱい鳥がやってくるの。
パンくずをねらっているのよね。

そして・・・
なんとりすさんまで!
とっても人間になついたりすさんです。

すっかりリラックスしたあとで、博物館に入りました。
どうせよくある展示品のオンパレードだろう、つまんなかったらすぐ出よう、と思っていたら・・・

すんごくおもしろかった!
最近大金を使って大改装したらしいのですが、お客さんを飽きさせず、ジョージ・ワシントンの偉業をわかりやすく伝えようという工夫が大成功したようです。

まず、いろんなところでいろんな映画(10分から15分くらいの短いもの)をやっているのですが、それがすごくよくできています。ハイテクを駆使し、たとえば、雪の日のシーンではほんとに映画館の中で雪が降ってくるし、大砲ぶっぱなすシーンでは、ほんとに映画館がずっしーんって揺れるのよ。これなら社会見学の中学生なんかも、居眠りせずに見られるって思ったわ。

未亡人ですでに二人の子持ちであったマーサ夫人とのなれそめなんかも、ここで初めて知りました。マーサは大富豪と結婚してだんなさんが早くに亡くなってしまったので、莫大な財産を手にしていたのね。つまりジョージ・ワシントンは逆玉だったのよ。なるほどね〜。

おもしろかったのは、ジョージ・ワシントンの入れ歯ね。
どういうわけか、館内は写真撮影自由なのに、この入れ歯だけは「撮影禁止」なの。
実際にジョージ・ワシントンが使っていた入れ歯が展示されています。

ジョージ・ワシントンは、生涯にわたって歯周病に悩まされたんですって。
なんだかわかるわ〜。
いつも歯を食いしばって戦っているから、歯がぐらぐらになっちゃうのよ。
私もそうだからよくわかる。

それで、いろんな医者に入れ歯を作らせるんだけど、なかなか口に合うのがなくって、亡くなる時には自分の歯は一本も残っていなかったんですって。

亡くなるといえば、ジョージ・ワシントンは風邪でなくなったんですって。
ある時、風邪をひいて、いつも風邪くらい、寝て治しちゃうんで「お医者をよびましょうか」っていう奥さんの言葉を無視ったんですって。

そしたら、翌日には声が出なくなるくらい悪化しちゃって、あわてて医者を呼んだけど、医者はなすすべもなく、しょうがないから、4回も血を抜いたんですって。当時は、血を抜くってのが、治療法だったみたいね。

でも、当然それは逆効果で、あっという間に亡くなってしまったんだって。

遺書には「農園内に埋めてくれ」って書いてあったので、敷地内にお墓をつくったそうです。

本当は初代大統領としての功績をたたえて、国会議事堂内に埋葬する予定で、場所もとってあったんですって。それは国会議事堂を見学したときに見せてもらった。でも、今日農園を見学して納得。国会議事堂内の薄暗いところに埋葬されるよりも、見晴らしがよくって住み慣れた場所のほうが絶対にいいって。ジョージ・ワシントンって、ほんとに幸せな人生を送ったのね。

ジョージ・ワシントン自身の子どもはできなかったので、マーサ夫人の前の夫との間の子どもが相続したらしい。でも邸宅の維持にはとてもお金がかかるので、財団ができて、そこが子孫からすべてを引き継いだそうです。子孫はすべての遺品をきちんと保管して、博物館の設立には全面的に協力したそうです。

でも今は博物館とも邸宅とも関係はなく、どこでどうやって暮らしているのかはわからないそうです。偉大な先祖のご威光に頼らないところは、とってもアメリカです。

今回のワシントン訪問では、いろんな博物館とかまわりましたが、マウントバーノンが一番よくできていました。すごくお客さんのことを考えた作りでした。自然も多く、ゆったり過ごせたのもよかったし、それに、ジョージ・ワシントンの偉業を絶対に来る人に伝えるんだ、という気合いが随所に見られ、本当にいい時間をすごしました。

「つまんなかったら午前中で帰ろう」
なんて言ってたんだけど、クリスティーナもとっても気に入ったみたいで、結局一日ゆっくりしちゃった。

せっかくだから、アメリカの歴史なんかにちょっとふれたいな〜という方には、ぜひオススメのスポットです。セクシーな鍛冶屋のおにいさんもいるしね。

victoria007でした。