伊関友伸著「地域医療　再生への処方箋」　第４章　夕張希望の杜の地域医療再生（４）

４　応援しよう！「夕張希望の杜」

村上医師が夕張医療センターで行う医療の方向性を明確に示し、医師が重荷を感じずに勤務できる体制にしたことで、安定的に医師が集まり、質の高い地域医療が学べる医療機関になりつつある一方で、深刻な財政危機に直面している。

しかし、全国から夕張希望の杜を支援するという動きも広がっている。

その一つに前佐賀市長の木下敏之氏が始めたメルマガがある。メルマガの広告料を夕張希望の杜に寄附するという仕組みを取り入れ、毎週配信されている。

メルマガについてはこちら。
★応援しよう！「夕張希望の杜」
メルマガの登録はこちらから↓
http://www.mag2.com/m/0000253983.html
※支援スキームの詳細は前佐賀市長の木下さんの下記サイトをご覧ください。
http://www.kinoshita-toshiyuki.net/newsletter.html

５　夕張市議会議員　vs 夕張希望の杜

多くの夕張市民は喜んで村上医師の夕張市入りや病院の診療所化を望んだわけではない。未だに昔の総合病院時代のやり方を望む住民は、村上医師を嫌い、できれば村上医師を追い出したいと考えている。

夕張市議会議員もほとんどが反村上である。ことあるごとに夕張希望の杜への批判を展開し、夕張希望の杜が経営破綻してもかまわないとしている。

これからの夕張の医療と村上医師、夕張希望の杜はどのようになっていくのか、予断を許さない。

「あとがき」にこのような文章がありました。
>>日本の社会が、要求と批判だけはするが、問題解決のために誰も行動しない「お客様」社会になってしまった。多くの人たちが、一部の人たちの努力にただ乗りする中で、大変な思いをするのは、正直つらい部分がある。<<

医師不足の問題について調べていくうちに出合ったこの本を読む中で、単純に医師の数を増やすだけでは解決できない問題が山積していることがわかりました。

第5章は「住民も当事者の医療再生」です。
引き続き、読みたいと思います。