独り寝するわびしさ 女バージョン
おはようございます。victoria007です。
書き出したら止まらなくなった、victoria007語訳、小倉百人一首ですが・・・
百人一首が恋愛指南本だったとは・・・
さて、すでにご紹介しました独り寝するわびしさ 男バージョン - Victoriaの日記ですが・・・
では、独り寝するわびしさを女が歌うとどうなるのか、見てみましょう。
なげきつつ ひとりぬる夜の あくるまは
いかに久しき ものとかはしる 右大将道綱母
<歌意>
あなたが来てくれないから、私は朝までまんじりともせず、ずっと起きて待っていたのよ。一人で涙にくれながら待ってる夜が明けるまでの間がど〜んなに長いか、あなたにはわからないのね。このドアホ!どこ行ってんねん!帰って来んかい!
あ、ちょっと最後のほうで品がなくなりましたが、ご存じ、「蜻蛉日記」をお書きになった元祖嫉妬深く執念深い奥方代表の、右大将道綱母でございます。
この方、「蜻蛉日記」を読むと(これも高校の国語教科書に必ず出てくるので毎年読んでますが、これはやっぱり、若いうちから、女のこわさを教えようという文科省の親心かしらね?)夫兼家が家に寄りつかず、あちこちほっつき歩いているので、使いの者をやらせて、夫の尾行をさせております。
探偵業は平安時代からあったのか!
「浮気に悩む奥様へ 秘密絶対厳守いたします」
っていうあれね・・・
そしたら、案の定、町の小路の女のところに通っていたことがばれた。
町の小路の女って言ったら、自分より身分が格下。
そんな女に負けたということを公式に認めるわけにもいかず、かと言ってしらんふりをして夫を温かく迎えいれる心の広さも持ち合わせておらず・・・
久しぶりの明け方に、戸をたたく音がして、それは夫と知りつつも、閉め出して家に入れなかったという・・・
その後で書き送った歌がこれなんでございます。
ですから、この一首は、女の怨念のこもったこわ〜い歌なんでございます。
無垢な中学生に暗唱させるべきものではなく・・・
女のプライドが「いい恋していません」と言わせないのと同様、「夫が若い女のところに通ってる」ということもまた、口にはできないようで・・・
それにしてもこの兼家っていうのも、一晩若い女のところで楽しんで、明け方にぬけぬけと帰宅するとはたいしたヤツだ。
え、victoria007だったらどうするかって?
そうねえ、もしもそういう浮気症な人とおつきあいするのなら、最初からそれは織り込み済みですから、寄り道して帰って来てもちゃんと鍵は開けておきます。
そして懐深く迎え入れてから、もう、二度と立ち上がれないほどしばきあげてやるから覚悟しな!
victoria007でした。