自治体事業仕分け 傍聴レポート 消防編

こんばんは。victoria007です。

国の事業仕分けのニュースで連日にぎわっておりましたが・・・
今日、某自治体で事業仕分けがありました。

どんなことするんだろ?

ということで、早速行って参りました。

仕分けられていたのは、<消防団員家族感謝会補助金>です。

では、どうぞ。

1 消防団員とは?

まず、消防団員というのは、いわゆる消防署にお勤めになってる消防士とは違って、基本的にボランティアの方達だというところを、しっかり押さえておく必要があります。

地域で火事や台風などの自然災害があった時には、まっさきに駆けつける消防団員さんでありますが、なんと彼らの日当75円。年間6万円ほどのお金で24時間365日出動OKの方々です。

victoria007、ここで声を大にして言いたいのでありますが、世の中に職業はごまんとあるが、今の日本で考えられうる限り、尊い職業のナンバーワンは消防士および消防団員だと思う。

消防さんのお仕事の目的はただ一つ、「人命救助」

お金で動く人たちじゃないわけです。

それを経済の理論で仕分けようなんて、victoria007、事業仕分けの一覧表に、<消防団員家族感謝会補助金>の文字を見たときに怒りで身体が震えました・・・

2 消防団員家族感謝会補助金

では、今回具体的に仕分けられようとしている補助金の中味についてみてみましょう。

これは、年一回、消防団員とその家族が感謝会に参加し、日ごろの労をねぎらうとともに、消防団の活動について家族の方の理解を深めていただくことを目的としています。

補助金の額 : 一人2,000円也

3 なぜ仕分けの対象になったか

消防団員は全国的になり手がなく、昭和27年に全国で200万人いた団員が、平成22年には88万人に減少。団員の高齢化も進み、新しい団員のリクルートには苦労しているとのこと。

ネックになるのが家族の理解。

たとえば、台風が来た時、自分の家だって大変なのに、地域のためにお父さんが出掛けて行くということで、家族の反対にあって、入団をあきらめるという例も多い。

そこで、消防団員の家族の方に感謝会に参加していただき、特にお子さんの理解を深める努力をされています。

実際、2,000円ではあまりたいしたことはできないので、消防団員がポケットマネーでいくらかお金を出して、イベントを行ったり、観劇に出掛けたりしています。

しかし、家族の協力がいるのは、消防さんだけでなく、どんな職業でもいっしょ。

ということで、税の公平性の観点から、今回仕分けの対象になりました。

4 仕分け人の言い分

仕分け人の方は、「消防団員確保のためには家族感謝会が必要だ」という消防団の言い分がロジカルじゃないという主張をされました。
つまり、
団員数が足りない

それは家族の理解を得られないから

じゃあ、家族会をしたら家族の理解を得ることができて団員数が増えると言えるのか?

ってことらしいです。

団員数を増やすなら、もっと費用対効果ののぞめる事業にお金を使ったほうがいいだろうというわけです。

消防団の言い分

仕分け人に、ガンガン責め立てられ、「もっとロジカルな説明をしてください」「費用対効果の検証はどうなってます?」「事業の内容が不透明」「趣旨・目的との整合性がない」・・・などけちょんけちょんに言われた消防さんたちですが・・・

誰一人、まともに反論できない!
それはそうです。
ふだんは、サイレンなったら即出動、という、頭より身体が先に反応する消防さんたちです。

言葉で勝負なんかしてないわけよ。
それを、言葉のロジックで仕事をやってきた人たちと互角に戦えって言われてもね・・・

人間の価値って、どんだけロジカルにしゃべれるかってことじゃないんだよね・・・
聞いてて、すっごくかわいそうになってしまって・・・

出て行って、援護射撃をしたかった・・・

victoria007、消防さんのためなら、身体をはって行政とケンカする準備ありますが・・・

いかに、家族の犠牲が大きいかってことを、個人的な例を出して説明しようとするんだけど、仕分け人に「そういう個人的なエピソードはいらないです」と言われ・・・

一度なんかね、仕分け人に一人女性がいらっしゃったのですが、その人に向かって、消防さんが、
「もしも、夫が台風の中出て行って、その間家を守らなければならないということになったら、あなた、不安じゃないですか?」
って、聞いたのよ。

そしたらね・・・
その、唯一の女性の仕分け人ってね、現在の肩書きが、某地方自治体の「男女参画課課長」だったのよ・・・

地雷をふんじゃったようなもので・・・

鼻先で「フフン」と笑われ、
「そういうレベルの低い質問には答える気はありません」
かなんか言われちゃって・・・

6 結果
ということで、この事業は「不要」との判定結果でした。

いや、私もこの事業は廃止したほうがいいと思う。
そして、2,000円なんてけちなことを言わず、
20,000円支給しろ!
7 まとめ
事業仕分け自体に異論はありません。
このような形で行政のやってることが市民の目に見えるところで議論されるのは賛成。

ただし・・・

今日、消防団員さんたちに、さんざん、失礼な言葉を浴びせた仕分け人たち。
あんたたち、人間のくずだよ。

消防さんたち、最後にね・・・
「私たちは家族に感謝の気持ちを伝えたくても、日給75円では何もしてやれないので、せめてという思いでやっているだけ。数字で効果を示せっていうけど、消防の仕事は数字にはならない」
と肩をふるわせて言った後、
「私たちはお金では動きません」
という捨て台詞を残して去って行きました。

私はね・・・
消防・警察・病院の三つは、費用対効果を言っちゃいけない分野だと思うの。
だって、人命にかかわるわけでしょ?

今日、消防さんをさんざんこけにした仕分け人の家がもしも火事になったら、消防さんたちはやっぱり真っ先に駆けつけてくれると思うよ。

数字で物事を判断することを当然のこととしてお仕事をしている方々にはわからないだろうが・・・

男っていうのは、妻子のためにはたとえ火の中、水の中でも飛び込んでいくものなんだよ!

ということで・・・
構想日本事業仕分けチームとやらは、今日からvictoria007を敵にまわしました。

victoria007でした。