三越商法
こんばんは。victoria007です。
今日、時々行ってる伝統工芸品のお店のご主人とすっかり話し込んじゃって・・・
十日間くらい、お店を閉めてたのね・・・
で、休み中に前を通りかかったら、張り紙に「日本橋三越に出店するので休みます」って書いてあったので、何かおもしろい話が聞けるんじゃないかと思って、用もないのに、通りがかりにチャリを止めて、
「三越、いかがでした〜?」
とごあいさつしてみました。
だんな、待ってましたとばかり飛び出してきて、victoria007相手に演説をえんえん30分・・・
このお店は地元で死にかけてた伝統工芸を復活させてビジネスとしても成功させたのね。
だんなのお母さんが細々とやってて、もう年だからお店閉めようって言うときに、息子(=だんな)が退職して、せっかくおふくろがやってた商売だから、ちょっとだけ手伝ってみるかってやり始めたの。
そしたら、もともと銀行員で商才のあっただんな、ネット通販も始めたりなんかして、結構、商売として軌道にのってきて、今、ちょっとした、地元のホープ。
今回、地元の物産展にのっかって、日本橋三越に出店が決まったそうです。
victoria007 「それで、東京のお客さんの反応はいかがでした?」
だんな 「いや、それがね、奥様。(このだんな、この世の中で唯一victoria007のことを奥様と呼ぶ希有な方。今日一日で、一年分くらい「奥様」と呼ばれた気が・・・)三越にいらっしゃるお客様は違いますね。皆さま、商品を手にとって一言目におっしゃることが「あら、お安いわね」なんでございますよ。」
victoria007 「そうかもしれませんね」
だんな 「いえもう、私、10日間出店させていただきましたけれども、現金でお支払いになるお客様なんて一人もいらっしゃいませんでした。皆さま、三越カードでお支払いになりました」
victoria007 「そうですか。会員制のクラブみたいなものですわね」
だんな 「まったく、その通りでございます。だいたいいらっしゃるお客様がご年配のご婦人ばかりで、しかも、みなさま和服をお召しになっていらっしゃって、あれは観劇のお帰りかなんかなんでしょうねえ」
victoria007 「それでも、三越で出店なさったということは、地元向けにはインパクトがあってよろしいんじゃないでしょうか」
だんな 「いえいえ、それはそうなんでございますけど、どうでしょうか、次はもうお声がかかるかどうか・・・三越のバイヤーというのは、大変厳しい基準をお持ちでして、私どもも『商品はいいけれども、もっと付加価値をつけてもらわなければ困ります』と言われたんでございます。三越さんも、結局売上の何%かが収入になるわけでございますから、とにかく客単価を上げろと、そういうことなんでございますよ。ですから、私どもといたしましても、三越さんだけのために付加価値をつけなければならないわけでございますけど、でも、日ごろ、正直にまっとうな商売をさせていただいております以上、それはどんなもんでございますかねえ・・・」
・・・
ということで、だんなの話は尽きることなく、victoria007、しっかりと三越商法について学んでまいりました。
まあ、言うならば、テキ屋の元締めみたいなもんですな。
わしらのなわばりで、商いさせてやる代わりに、たっぷりあがりは持って来い。
そういうことでしょ、三越さん。
victoria007でした。