名古屋市長選を振り返って 記者座談会 続

こんにちは。Victoriaです。

中日新聞の記者座談会、今回はhttp://www.chunichi.co.jp/article/feature/vsshigikai/list/201102/CK2011021002000104.htmlです。


>> 住民投票では、議会解散への賛成票が7割もあった。
 A 署名が集まった段階で「解散は確定した」と思っていた。なのに市議たちは、最後の最後まで「解散は避けられるかも」と思っていた節がある。いかに一般市民から乖離(かいり)し、自分を取り巻く支持者としか付き合ってこなかったかの証拠だ。これまでの市議選の投票率は4割程度と低いから、それでも当選できた。長年の有権者の無関心が今の市議会をつくったともいえる。

 C 直接請求の署名は押印まで求められ、選挙の投票と比べて有権者にとっては煩雑な手続き。そのため署名者は明確な意思を示しており、その後の投票でも投票先が揺らぐことは少ないとされる。今回も署名活動で集まった46万を上回ることはあっても、下回る可能性は低かった。

 B 河村たかし市長が提案した減税や議員報酬半減を否決した議会になぜ解散を求めるのか、という議論が不十分なまま、解散になったのは残念。市長がリコールを主導した特異性よりも、市議会への批判、不信感が有権者の心を動かした。

 ◆酷暑の夏に署名活動が始まり、住民投票の告示日は雪。ここまで長かったなあというのが実感。

 A 河村さんの運動は自転車街宣が基本。所々で止まって街頭演説をする。一度、ほとんど人通りのないスーパーの駐車場脇で街頭演説を始めた。どうなることかと見ていたら、15分間ぐらいの演説が終わるころには十数人が足を止めて聞き入っていた。駐車場を横切ってわざわざ近寄ってきた人もいた。署名ができる場所をわざわざ探しに来たおばあさんもいた。普通の市民の間にじわじわと浸透したことがこれほどの結果につながったんだとあらためて感じた。

 C 昨夏から続く市長と議会の対立で有権者の関心も高かった。告示日朝の取材で、区役所に解散請求書が張り出されたことを記者が話すと「今から見にいこう」という若い男性もいた。ただ投票運動自体の盛り上がりには疑問が残る。選挙と重なり、公選法が適用され、運動が制限されたためだ。告示日以降、ビラ配布などの目立った運動は、市長選や知事選の候補者の選挙運動と結び付いたため、選挙の脇に追いやられてしまった。

 B 知事選、市長選の陰で埋没した。演説会やシンポジウムを開いて、市民に議員の仕事を説明した市議もいたが、総じて市民の関心は低いままだった。減税や地域委員会などテーマ別に市民運動が起きるかなと思ったが、全くと言っていいほど見なかった。

 C 住民投票先進地の関係者は「自然発生的に勉強会や集会が開かれ、町の将来をみんなで考えていた」と当時を語ってくれた。もし住民投票が単独であれば市民団体による討論会がもっと開かれたかもしれない。トリプル投票の負の部分だ。

 ◆議会や首長の在り方が問われたが議論は深まったのだろうか。
 A 新聞記者や学者の立場で言えば「二元代表制が問われた」となるが、市民には全く関係なかった。極端に言えば、市議報酬が高過ぎるのかどうなのか、という一点だけが関心事だった。

 B 議会は本当に住民代表の役割を果たしているかが問われるべきだったが「議会けしからん」という感情論が先行した。というより「河村さん頑張れ」という応援投票になってしまい、結局、河村さんが火を付けた「今の保身議会のままでいいの?」という問題提起への反論が浸透しないまま投票日を迎えた。

 C 議論がかみ合っていなかったというのが率直な感想だ。請求者が突き付けた市議会への否定に、市議会が出した弁明書は単に投票期日にまつわる問題だけ。河村さんの公約への対応や、議員の仕事とその対価などを堂々と訴えるべきではなかったか。

 ◆結果は出直し市議選にどう影響するか。
 B 河村さんが獲得した票数を見ると、減税日本の全員当選による過半数確保も夢じゃない。だが市議選の場合は、学区など地域活動のつながりで投票するケースが多い。地元で顔が売れていない減税日本の候補者が、河村さんの支援を得てどこまで票を伸ばすのか、測りかねている。

 A だからこそ河村さんは、これまでの付き合いがあっても「今度だけは現職に入れたらあかんよ」と街頭演説などで口癖のように言っている。

 ◆「報酬半減」と「減税」の圧力の中、どんな選挙戦になるだろう。
 B 減税日本の候補が一定数の議席を取るのは確実。残りの議席を前職を中心に奪い合う展開になる。不利な流れでの選挙戦で、前職がどんな主張で有権者の支持を得ていくのか、見守りたい。選挙目当ての変節で従来の主張を変えてしまうような姿は見たくない。

 A 民主が今ごろ報酬800万円になびいたのは情けない限り。「議員活動の質が下がり、ひいては市民にマイナス」と言っていたのは何だったのか。「民意だから」のひと言で片付けずにきちんと説明してほしい。市議団で決めたからと言わず、一人の政治家としての気骨を示すべきだ。減税日本の候補者にも注文したい。河村さんが唱える「政治のボランティア化」は意識の持ちようの話であって、議員活動の中身はプロとして厳しく問われる。減税、議員報酬半減、地域委員会の3つに賛成する以外、何ができるのかをよく見つめ直してから立候補してほしい。<<

報酬800万円は、決して低くはないって思うけど・・・

Victoriaでした。