広瀬隆 福島原発メルトダウン

こんにちは。Victoriaです。

「東京に原発を」「危険な話」「原子炉の時限爆弾」などで原子力の危険を訴え続けてきた広瀬隆さんが、
原発震災の本当の恐ろしさを伝えたい、と緊急出版した。

FUKUSHIMA 福島原発メルトダウン (朝日新書)

FUKUSHIMA 福島原発メルトダウン (朝日新書)

内容については、目次を見ていただければわかると思う。

序章 原発震災がまた襲ってくる

福島第一原発は人災だ
私の悪い予感が現実になった
事実も予測も伝えないメディア
浜岡の原発震災を防げるか
「狼」は必ずやってくる

第1部 福島第一原発事故の「真相」

第1章 津波に暴かれた人災

原発はお湯を沸かしているだけ
メルトダウン」が起こる原因とは
津波は「想定外」の高さではなかった
後手に回った電源復旧作業
なぜGEに助けてもらわないのか
「海水注入」の功罪
「マークⅠ型」原子炉は欠陥製品だった
地震の一撃で配管が破損したのではないか

第2章 東電・メディアに隠された真実

水素爆発を予測できない「専門家」
スリーマイル島原発では爆発を回避
プルサーマルに触れたくないのか
マグニチュード9.0は真実か
情報操作による責任逃れ

第3章 放射能との長期戦

放射能はどのように生まれるか
安全論を強調するトリック
数値で表せない「体内被曝」
世界一鈍感な日本の放射線科学陣
放射能の数値に大きな意味はない
移住も考えて西へ逃げよ

第2部 原発震災、ここで阻止せよ
第4章 巨大地震の激動期に入った日本

なぜ日本列島に大地震が多いのか
4つのプレートの境界線上にある
日本列島はケタ違いに若い土地
プレート境界型地震と内陸直下型地震
中小地震の頻発は巨大地震の前触れ
激動期に入った日本列島

第5章 「浜岡原発破局の恐怖

原子炉の直下で起こる「東海地震
ウランの核分裂を止められない
安全性よりも計画を優先
根拠のない耐震性の引き上げ
砂丘津波対策になるのか

第6章 活断層におびえる「原発列島」

終章 安全崩壊した日本の原子力政策

原発は温暖化対策の切り札か
原発がなければ停電するか
全国の原発はまもなく行き詰まる
メルトダウンの最終処理

・・・
正直、これでもかと突き出される重い事実の羅列に、途中で嫌気がさして、飛ばし読みしてしまったのですが・・・

なるほどと思ったところは、
地震直後はたしか「マグニチュード8.4」と言われていたのに、それが「マグニチュード9.0」に引き上げられたカラクリ。
気象庁が途中でマグニチュードの物差しを変えてしまったので、このような修正がされたらしく、

その理由が、当初のマグニチュード8.4のままだと、
今回の地震が「想定内」の天災ということになり、東京電力が巨大な損害賠償を支払わなければならないため、
そのような操作がされたということ。

原子力損害賠償法という法律に
「想定外の天災などで原子力の事故が起こった場合は、企業だけに責任を負わせるのではなく、国も国民の税金で被害補償をすることがある」
とうたわれているらしい。

まだ、福島第一原発の事故現場の収拾すらメドがついていないのに、
こういうことはいち早く手を回すのか、と思うと暗たんたる気持ちになる。

知りたくない事実がまだまだあるんだと知って、読後、絶望感に満たされる。

どうやってここから脱出すればよいのだろう・・・

Victoriaでした。