堀江邦夫 原発ジプシー  (7) 福島第一原子力発電所  被ばくの実態はデータ以上

こんにちは。Victoriaです。

原発ジプシー 増補改訂版 ―被曝下請け労働者の記録

原発ジプシー 増補改訂版 ―被曝下請け労働者の記録

今回は、第2章 福島第一原子力発電所 より、被ばくの実態はデータ以上 のまとめをお送りします。

<ウソだらけの被ばく実績>

さて、肋骨骨折の大けがを負った堀江さん。
二週間自宅療養しただけで、「一日も早く現場入りしろ」との親方の電話に押し切られ、再び福島へ。

戻ってみると、同僚の一人が入院中だった。
同じく肋骨骨折だという。

堀江さんは、会社からの圧力に負けて、労災扱いにすることができなかったが、
同僚は何とか会社に認めさせたようだった。

しかし、実際は原発構内で発生した事故なのに、
構外でころんだことにさせられたらしい。

業者にしてみれば、仕事が受注できなくなることを恐れ、東電に対して異常なほどの忠節心をみせざるを得ないのであろうが、この背景には、原発の安全性を主張するあまり、対マスコミ、対住民へ異常なほどの配慮をせざるを得ない、東電側の思わくがあるのだろう。



福島原発では、労働者たちは、現場に着くとポケット線量計やアラーム・メーターなどを外して作業にとりかかっていた。

高線量エリアでは、アラーム・メーターが10分でパンクするため、仕事にならない。

だから、線量をごまかして、1時間から2時間の作業を行うのである。

労働者たちにしても、早く仕事が終わったほうがあとが楽という思いがあった。

科学技術庁が毎年、各原発ごとの従業者被ばく実績を発表しているが、
このデータがいかに信憑性のないものかが、わかる。



堀江さんが福島第一原子力発電所で働いていた3月11日、地震があった。
かなり長い間揺れていた。



3月15日、堀江さんは福島をあとにした。

「あそこの汚染はひどいで」
という悪評高い敦賀原発へ行くためである。




Victoriaでした。