ライフネット生命の出口社長に歴史を学ぶ 続編 (20) テトラルキア体制とミラノ勅令

こんにちは。Victoriaです。

2011年11月13日、キャンパスプラザ京都で行われたライフネット生命保険の出口社長の講義、
今回は、テトラルキア体制とミラノ勅令のお話。




気候が安定していて、
中央アジアからの移民が来なかった時期、
ローマ帝国は「人類の最も幸福な時代」と呼ばれる五賢帝の治世だったということはすでに見た。
ライフネット生命の出口社長に歴史を学ぶ 続編 (17) 五賢帝 人類の最も幸福な時代 - Victoriaの日記
しかし、2世紀後半からユーラシアは寒冷化。
サーサーン朝やゲルマン人との戦いなども重なり、
ライフネット生命の出口社長に歴史を学ぶ 続編 (19) サーサーン朝の建国とマニ教の成立 - Victoriaの日記
人皇帝時代をむかえ、
約50年間に、26人もの皇帝が乱立。



それに終止符をうったのが、
最後の軍人皇ディオクレティアヌス


彼は、284年に即位すると、国を4分割し、
2人の正帝、2人の副帝の計4人で統治する、
テトラルキア体制を始めた。



国を4つに分け、
4人の皇帝で治めるということは、
政府が4つ、出現したということで、
公務員の数は4倍にふくれあがり、
それに伴って税金も上がった。



また、自由貿易からブロック経済へ移行したこともあり、
このあたりから、中世の足音がしのびよってくることとなる。



ディオクレティアヌス退位後、二人の正帝コンスタンティヌスとリキニウスが連名で、
ミラノ勅令を発布。



これは「宗教は自由だ」という宣言で、
キリスト教だけでなく、すべての宗教の信教の自由を保障。




ローマ帝国国民皆兵だったが、
キリスト教徒は兵隊になりたがらなかったため、
ゲルマン民族がおしよせてきた今、
宗教は何をやってもいいと言って、
キリスト教徒を懐柔する必要があった。



なお、ミラノ勅令を出したのはコンスタンティヌスだと言われることが多いが、
実際はリキニウスの功績である。




結論 : 国を分割すると、
王様も倍、政府も倍、公務員も倍になって、
税金も倍になるのね・・・




Victoriaでした。
生命保険

・・・

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