婚活に疲れて (9) 恋愛は人生の厄落とし

こんにちは。Victoriaです。

2012/05/22付朝日新聞 リレーおぴにおんに、

歌舞伎役者市川春猿さまのインタビューが載っていました。



市川春猿さまは、
歌舞伎とは縁のない普通の家庭に育ち、
どうしても歌舞伎役者になりたいと国立劇場の研修生になり、
見事、夢を実現させた方。



このインタビューは、
対人関係に悩む中学生に対するアドバイスという趣旨で行われているらしいんだけど、
とても興味深いことをおっしゃっているので、ご紹介。




市川春猿さまいわく、




対人関係で悩むことが多いのは、
人と接すること自体が少ないから。




これをしたら嫌われるんじゃないか、なんて、
いろいろ考えをめぐらせて、
結局、行動せずにやめてしまう。





考えすぎると動けなくなってしまうから、
とにかく行動してみるといい。




一本の道の先に二本の道があって、
さらにその先にそれぞれ三本ずつの道があるかもしれない。




最後に、市川春猿さまは、
生きているとイヤなことがあるけど、
それは厄落としの人生だと考えるようにしているとおっしゃって、
インタビューはしめくくられています。






厄落としの人生ね・・・





うん、
なるほどって思ったんだけど、





いきなり話飛ぶんだけど、





Victoriaの日記でもご紹介したことのある本書、
「夜這いの民俗学」に、
「後家さんの精進落とし」の話が出てくるんだけど、

夜這いの民俗学・夜這いの性愛論

夜這いの民俗学・夜這いの性愛論

(Victoriaの日記はこちら→夜這いの民俗学・夜這いの性愛論(1) - Victoriaの日記







ちょっとここで簡単におさらいすると、







昔の日本が「夜這い天国」だったのは周知。






戦国時代以降、
全国で見られた風習で、
徳川幕府は夜這い禁止令を出すも全く効果なし。







明治政府も必死で夜這い撤廃に取り組むも、
結局、昭和30年代までは各地で見られたという、
ゾンビのような風習なんだけど、







昔の日本で、
結婚は労働力供給のための制度であって、
身体が丈夫でよく働き、
たくさん子どもを産んで労働力を供給してくれるヨメをとってこそ、
一家は繁栄する。







しかし、
日夜、労働につぐ労働で過酷な生活を強いられていたのも事実。






そこで、
男も女もタダで遊ぶことができ、
運がよければ子どももできるということで、
一気に普及した制度が夜這い。






もちろん、
夜這いでできた子どもは誰のタネかわかったもんじゃないので、
おとーちゃんには全然似てない子どもがわんさか産まれたりもしたんだけど、






そこであーだこーだ言わず、
産まれた子どもは村のどこかで育てられた。








なるほど! 少子化をストップしたければ、
夜這いを復活させればいいのよ!
LET’S 夜這い!







・・・


話戻して、
後家さんの精進落としの話なんだけど、







昔、
男子の筆下ろしというのは、
後家さんの任務。







男子は、
13才になると、
若衆仲間に入ったんだけど、
人生初の夜這いの相手というのは、
好みに関係なく、
くじ引きかなんかで決められた。







若者の相手として選ばれるのは、
夫に死なれた後家さんが圧倒的に多く、
夫の死後、
セックスレス(てゆーか、喪に服してたわけだけど)だった後家さんは、
若者の筆下ろしで、
あらんかぎりのテクニックを伝授し、
一人前にしてやったわけである。







それがすむと、
若者は晴れて夜這いに仲間入り。







先生役を務めた後家さんも、
これを機会に謹慎がとけ、
晴れて性生活に復活できたという。







これを、
昔の人は、






精進落とし







と呼んでいた。







あるいは、
後家さんでなくても、
女の厄年である33才には、
精進落としをしないと家族に災厄がふりかかると信じられていたので、
そのための相手を務めるのも、
若者の任務で、







いわば、
家族の命運を背負って、
お互い、
婚外交渉に臨んだというわけである。








昔の日本人の生活の知恵があまりにも精巧すぎて、
声も出ない・・・








夜這い復活をのぞまない方、
もし、いらっしゃいましたら、
挙手、お願いします・・・







・・・


それで、
市川春猿さまのおっしゃる、
人生の厄落としなんだけど、







恋愛って、
人生の厄落としの役割を担っている部分もあるって思っていて、







長期的な関係とか難しいことはヌキにして、
長い間、セックスレスの生活を送ってきて、
なんか、イライラすることの多いある日、
ふとした出会いでよく知らない相手となんとなくヤッてしまって、
翌日、
めちゃめちゃすっきり目覚めたっていう経験、
ないですか?????







セックスって、
愛情うんぬん以前に、
オスとメスのエネルギーの交歓だと思っていて、







ヤッて気持ちよくないはずがない・・・








最近、
セックスレスとか草食とかいって、
セックスに縁遠い人口が増えつつある一方で、







DVだのレイプだの痴漢だのって、
相手の同意なしの暴力的なセックスに走る方も、
一定数いらっしゃるわけですが、







日本人のセックスが、
常軌を逸している部分があるとするならば、
それは、
社会から、
夜這いというインフラがなくなったからでは・・・???








・・・ということで、本日の結論 :






婚活がうまくいかなくて悩んでいらっしゃる方、
ここらで一発、
厄落としをしてみる必要があるかもしれません。






ワンナイトスタンド=一夜限りの情事で、
身も心もすっきりしてから、
仕切り直してみてはいかが?






「夜這いの民俗学」をお書きになった赤松大先生いわく、







男はマラ、女は女陰さえあれば、性交はできる







セックスって、
それ以上でも、
それ以下でもないって、
つくづく・・・





Victoriaでした。


・・・

婚活に疲れて バックナンバーはこちら。
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「夜這いの民俗学・夜這いの性愛論」はこちら。
夜這いの民俗学・夜這いの性愛論(1) - Victoriaの日記
夜這いの民俗学・夜這いの性愛論 (2) 筆下ろし・水揚げ - Victoriaの日記
ここに書かれている「筆下ろし」の風習は、
ぜひお読みください。
日本人として生まれたことを誇りに思える一冊です。