おとなの恋　（１６）　愛が苦しい理由

こんにちは。Victoriaです。

さて、
瀬戸内寂聴さまによると、
お釈迦様は女嫌いで知られていて、

「女というものは、悪くて、嘘つきで、嫉妬深くて欲張りで」

と語ったと言われるんだけど、

瀬戸内寂聴さまは、
これはきっと若い時に、
ひどい女にひっかかったからだろう、
だから、
必ずしも、
女を毛嫌いしていたというわけではなくて、
むしろ女の魅力を熟知しており、

女というものは、
見て話せば、
美しくてかわいくて、
触りたくなって、
触ったが最後、
もうメロメロになって、
男は理性を失ってダメになるということを、
体験上知っていたからこそ、
女を遠ざけようとしたのであり、
嫌ったというよりは、

女を恐れた

と分析なさっていて、
なるほどなあ、とうなってしまったんだけれども、

お釈迦様のところに、
どうか出家させてくださいといってやってきた女の人の中に、
ウッパラヴァンナーという人がいて、

この人は大変美しい人で、
子どもを産むために実家に里帰りしていたところ、

実の母親と夫の不倫現場を目撃。

しばらく、
悶々として悩んでいたんだけれども、
お母さんが、性の悦びと家族愛を天秤にかけて、
性の悦びのほうを取ってしまい、

本能に正直に生きてるっていえば聞こえがいいんだけれども、
要するに、
娘の前で、
娘の夫とセックスしてることを隠そうとしなかったので、

ついにウッパラヴァンナーは居場所がなくなって、
家を出て、
行き倒れていたところを、
通りがかった男に救われた。

たまたまその人は、
妻を亡くして独り者だったので、
言われるままに再婚して、
しばらく幸せに暮らしていたんだけど、

ある時、
商用で旅に出た夫が、
彼女が家を出てきた町でたまたま非常に美しい少女をみつけ、
家につれて帰ってしまう。

源氏物語が紫の上を見初めて連れ帰ったみたいなものなんだけど、

その少女が、

夫と実母との不倫に耐えかねて捨ててきた実の娘。

ということで、
実の母と夫を共有しただけでなく、
二番目の夫を実の娘と共有していたことに気づいて愕然とした彼女は、
再び家をでて流浪したあげく、
ついにお釈迦様のところにたどりつく・・・というお話。

もしも自分がウッパラヴァンナーだったらどうしただろうって考えていて、
気づいたんだけど、

ウッパラヴァンナーが家を出た理由は、
たぶん、彼女、
夫と母親、
夫と娘の不倫に気づいてからも、
夫に求められるとセックスを断れなかったんじゃないか、
断るどころか、
ますます感じて、
セックスの悦びが深くなっていく自分がいて、

気持ち的には夫には嫌悪感と不信感でいっぱいのはずなのに、
身体はますます夫とのセックスにおぼれていく自分を、
精神的に支えることができなくなって、

息もできないくらい苦しくなって、
結果的にかわいい娘を捨てることになるという前後の見境もなく、
逃げるように家を出てしまったんじゃないか、
そんな気がする。

・・・ということで、本日の結論　：

愛が苦しいのは、
セックスの悦びが深くなればなるほど、
精神と肉体が乖離していくから。

心から尊敬し、
信頼している相手とするセックスで感じることは幸せだけど、

死ぬほど憎んでいる相手とのセックスで、
激しく燃えて、
心ではイヤだと叫んでいても、
身体がもっともっとと欲しがって、
求められると応じてしまい、
離れられなくなったらどうする・・・？？？

だからセックスってこわい・・・

Victoriaでした。

・・・