おとなの恋 (17) 愛欲修行
こんにちは。Victoriaです。
さて、
Victoriaの日記では、
連日、恋愛ネタをお届けしておりますが、
その目的は、ただひとつ、
幸せを運んでくる愛のかたち
を知りたいということで、
いまだにその結論は出ていないんだけれども、
結論出るまで、
あきらめずに書き続けるつもりですので、
よろしくお願いします。
・・・
さて、
前回の記事で→おとなの恋 (16) 愛が苦しい理由 - Victoriaの日記
実の母親、
さらに実の娘と同じ男を共有する呪われた運命を嘆き、
出家しようとした女の人の話をしたんだけれども、
彼女が最終的にお釈迦様の元へたどりつき、
お釈迦様が彼女に説いたことは、
いかに「渇愛(かつあい)」が苦しいか。
仏教では愛を二つに分けていて、
一つが「渇愛」。
渇愛とは、
のどが渇いているときに海の水を飲むようなもので、
いくら飲んでも飲んでも、
ますますのどがかわく一方で、
「もっともっと・・・」と「むさぼる愛」。
仏教では渇愛をいちばん苦しい煩悩だと説いている。
もうひとつの愛は「慈悲」。
渇愛が「もっとちょうだい、もっとちょうだい」と奪う愛なのに対し、
慈悲は「あげっぱなしの愛」「与えるだけの愛」。
愛するだけでお返しを要求しない愛で、
仏様の愛が慈悲。
瀬戸内寂聴さまによると、
わたしたちは、
愛したらそれを全部覚えていて、
必ずお返しを期待している。
お返しが少なかったり、
遅かったりすると、
自分の愛より相手の愛が少ないといって怒る。
結局、わたしたちは、
愛するといいながら、
相手の幸せを願っているのではなく、
愛した自分がかわいい、
愛することが心地よいから愛しているだけで、
愛することが心地よくなかったら愛さない。
自分の夫と実の母親が不倫していることに気づいた女性は、
ものすごく苦しむわけだけど、
彼女に対して、
瀬戸内寂聴さまは、
男の不貞を許してそのままにしておくのが一番賢い方法だと言っていて、
相手の欲するものを与えるのが本当の愛なんだから、
夫がほかの女に夢中になっていたら、
目をつぶってそれを与えればよい。
女にそれだけの度量があれば辛抱できるはずで、
情熱はいずれ冷めるから、
夫は必ず戻ってくる。
そうおっしゃっていて、
ポイントは、
相手の幸せを望むこと。
自分が欲するものを手にいれたいという「渇愛」が苦しいのは、
欲望にとめどはないので、
決して満足することはないからで、
渇愛を滅ぼさない限り、
心の平和は得られないし、
幸せにもなれない、
それが、
お釈迦様の教えで、
ほかの大多数の宗教も、
愛に関してだいたい同じようなことを言っているんじゃないかと思う。
・・・
お釈迦様ですら、
心に迷いができるからと、
女を遠ざけようとしたくらいだから、
人間というのは、
男も女も、
愛欲の世界におぼれてしまうと、
もっともっとと求めてしまうものだし、
その気持ちは、
二人がいっしょにいる時だけではなくて、
離れている時も続くものだから、
相手が他の異性といっしょにいるところを見ただけで嫉妬したり、
別に他の異性の存在がなくても、
例えば自分が生理中で体調が悪くて家にこもっている時に、
相手の男性がどこかでおいしいもの食べて楽しい時間を過ごしていたということを知っただけでも、
どうして私の苦しみをわかってくれないの、って恨んだりとか、
自分とあんまり関わりのない人間に対しては寛容になれても、
自分の身近な人、
自分の愛する人、
愛する人の中でも恋人や愛人など愛欲の世界をともにした人に対しては、
とことん残酷に、
とことん心が狭くなれるのが人間で、
人がなぜ恋愛するのかといえば、
ふだんはどんなに温厚な人であっても、
心の奥底には身勝手な自分が潜んでいて、
愛に必ず見返り(しかも倍返し)を求めたり、
愛が手に入らないとわかると、
髪を振り乱して泣き叫び、
地団駄ふんで悔しがり、
時には相手を肉体的に傷つけることさえいとわない、
そういうイヤな自分、
醜い自分に気づくためなんじゃないか、
そう思うことすらあるくらいで、
事実、私も、
自分が当事者としてそういう修羅場に置かれるまで、
愛情問題で殺傷沙汰を起こす女は気が狂ってるんだくらいに思っていたんだけど、
誰でも、
嫉妬に狂うと女はみんな阿修羅になるんだってわかってから、
ああ、かわいそうに、
いろんなタイミングが悪かったんだね、
どうしようもないくらい自分で自分をコントロールできなくなっちゃったんだねって、
思えるようになって、
だから、逆に、
愛情問題で苦しんで、
バカなこと(例えば彼氏の車をハンマーでたたいたり、相手の女のアパートに夜中おしかけてドアをドンドンたたいてダンナを返してって叫んだり)をしてる女を、
イヤだね、色狂いの女って、けがらわしい、バッカじゃねーの!
な〜んて、
冷ややかにみつめてる男がいると、
テメェ、女に愛されたことないだろ!
・・・
人生で初めて愛した男の人が、
期待通りの愛を返してくれる男の人であるというのは、
とてもラッキーなことで、
そういう男の人に当たるかどうかは、
それこそ、
てゆーか、
それは、
もともと悟りを開いた女のみに許されるぜいたくなのかもしれない・・・
・・・ということで、本日の結論 :
男が浮気してることに気づいてしまったらとことん許せ、そして、相手の望むまま、何でも与えよってことね・・・別れてくれって言われたら別れてあげて、別にいいじゃんお前とのセックスも続行したいよって言われたら言われるままに・・・
そんなのムリ、
絶対できない・・・
ということで、
愛欲修行の旅はまだまだ続く・・・
Victoriaでした。
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