ライフネット生命の出口社長に歴史を学ぶ Part 4 (33) 総集編 歴史を勉強する意味

こんにちは。Victoriaです。

2012年7月14日、京都大学百周年時計台記念館で開催された、
ライフネット生命保険の出口社長による「5000年史 Part4 11、12世紀の世界」の講義録、
ついに最終回を迎えました。






長かった〜〜〜!!!






講義があったのは、
夏休み前、
まだ、ロンドンオリンピックも始まっていなかった時で、
結局、夏休みをまるまる使って、
8月31日になんとかぎりぎり終わるなんて、








夏休みの宿題を終えたかのような達成感。








とても楽しかったけど、
塾がかき入れ時で、
本業が何かと忙しく、
どうやって毎日講義録をまとめる時間を作っていたのか、
今となっては不明・・・







出口先生、
楽しい講義をありがとうございました。
こうなったらもうどこまでもついていきますので、
ライフネット生命の出口社長に歴史を学ぶ」シリーズ、
これからもずーっと続けてください。









次回の講義は、
12月2日(日)、
内容は13世紀の世界の予定。
お楽しみに〜♪









では、
最後のまとめをどうぞ。
全部読む気が起こらないという方は、
ここだけ読めば11〜12世紀の世界のポイントがわかりますので、
ぜひどうぞ!







<11〜12世紀の世界 まとめ>




1 気候の温暖化というドライバーがあり、人口が倍増、ユーラシア大陸全体に活気がみなぎっていた。

2 唐宋革命による生産力の増大、および、せん淵システムという安全保障の仕組みを作りお金で平和を買ったおかげで、中国は200年〜300年間安定していた。
3 王安石による革命が未完に終わったため、中国の発達が遅れた。もしもこの改革があと50年続いていたら、中国は世界一の近代国家になり、生産力が4〜5倍になっていたかもしれない。


4 インド・アフリカへイスラームが広がり、そのためインドで仏教が滅んだ。

5 マムルークという奴隷が主人となり、トルコ人イスラーム王朝の軍事力の中心になり始めた。

6 ノルマン人が西へ進出して活躍、それとともにローマが軍事力に頼ることをあきらめ、外交力重視にシフトし始めた。

7 たまたまの偶然が重なって生じた権力の空白に乗じて結成された十字軍のおかげで、文明の進んだ東から遅れた西へ様々な文物がもたらされた。

8 イスラームの恩恵で、中世の春が花開き、ギリシア・ローマの古典が再発見され最初のルネサンスが出現、また、多くのゴシック建築が作られた。







講義の終わりに、

当時のヨーロッパは遅れていたのですか、という質問が、
会場から出ていて、







十字軍の時代は、
イスラームの世界の方が西欧のキリスト教世界の何倍も文明が進んでいたというところが大事なポイントで、
十字軍を結成した側から見れば、
聖地回復という大義名分に基づいた聖戦だったわけだけど、
実態は、
どんなに野蛮なところかと思って行ってみたら、
メシはうまいし、
女はきれいだし、
これはいいわということで、
そのまま住み着いてしまう者も続出、







十字軍がもたらした文物は枚挙にいとまがなく、
例えばシャーベットなんかも、
十字軍がシリアから持ってきたそうで、









戦争というのは破壊活動なので、
まずロクなことにはならないんだけれども、
十字軍に関しては、
プラス面も多く、
少なくとも、
文明の遅れていた西側諸国にとっては、
損よりも得のほうが多かったといってよい。









また、
12世紀に、
最初のルネサンスが見られたというところもポイントで、








インテリ層にとって、それは、
ギリシャ・ローマの古典文明の再発見であり、






それ以外の人々にとっては、
ノートルダムなど、
天まで届く建築物を建てることだった。










なぜ王安石の改革が失敗したのかという質問も出ていて、








王安石というのは、
もともと普通の家の出で、
科挙で官僚になったに過ぎず、
当時、
権力は皇帝に集中していたので、
神宗が王安石を見いだし、重用しなかったら、
彼の改革が日の目をみることはなかった。









しかし、
王安石の改革が、
大地主の利害を損ねる内容だったため、
神宗に進言するものがあり、







実は、
そうたいして賢くなかった神宗は、
大きな声で訴えられると、
ついつい日和ってしまい、
自らが重用した王安石を、
クビにしてしまう。








もしも、
神宗が始皇帝のようなカリスマ性のある人物だったら、
多少、周りがガタガタ言ってきても、
突っぱねるだけの根性があったはずで、








科挙制度ができ、
宦官がでしゃばることができなくなり、
優秀な人だけが官僚になることができて、
国がよくなる下地はあったんだけれども、









権力者である皇帝がアホだと、
やっぱり国は迷走してしまうという教訓に満ちたエピソードである。









王安石がいかに優れていたかは、
彼の作った大学を見れば明らかで、








当時、
カイロにも大学があったけれども、








それは、
一握りの裕福な人しか学ぶことのできない場所で、
すべての人に開かれているわけではなかったが、








王安石は、
全国の役所に学校を作らせ、
官僚の育成を国レベルで行うシステムを作ったところが最大のポイントで、








宋という国の全国の役所に大学があり、
どこでも同じクオリティの勉強ができたので、
優秀な人材育成が確実に保証されていたわけだけど、








宋という国がなくなると、
大学も同時になくなってしまった。








本当にいいものは、
政権が倒れても継続させる仕組みがないと、
何もならないという見本のような出来事である。









<わたしたちは、なぜ、歴史を勉強するのか>







最後に、
わたしたちは、
なぜ、歴史を勉強するのか、








歴史を勉強することで、
何を学ぶべきか、について、
出口先生よりお話があった。








歴史を勉強する意味というのは、
考えながら本を読む習慣がつくというところにある。









たとえば、
新聞を読むという行為を考えてみると、








ただ、
なんとなく情報を追うのではなく、







複数紙を読み比べ、
自分なりに昨日の歴史を作るということが重要で、









それは、
断片的なニュースから、
なぜ、そうなったのか、
その出来事の影響はどうなのか、
これからの世の中はどうなっていくのか、
そういうことを、
自分で判断できる力がつくということで、









たくさん本を読み、
自分の足で歩いて、
世の中の動きを肌で感じること、








それ以外に、
そういう力を養う方法はない。











そうやって、
日々、歴史を学ぶことが、
何か人生で実践的に役に立つのかといえば、









人間というのはしょせんアホな動物で、
おいしいものや、
キレイな女の人には誰だって弱く、
太古の昔から、
同じ過ちを永遠に繰り返してきたのが歴史なのだから、









少しでもアホなことをしないようにするために、
賢い先人の書き残してくれた歴史に学び、
生きていく知恵を教えてもらったほうが、
いいに決まっている。









・・・ということで、本日の結論 :










自分はアホだと自覚したら歴史を勉強しよう!











Victoriaでした。




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