ジャレド・ダイアモンド「銃・病原菌・鉄」

こんにちは。Victoriaです。

さて、
今日は、
文庫ながら上下巻に分かれている超大作を読了。

1998年度ピュリッツァー賞・コスモス国際賞を受賞した世界的ベストセラーで、
日本でも文庫版が発売一ヶ月で26万部突破、
歴史好きとしては知らないではすまされない話題の本らしい。









知りませんでした・・・








読んでみて、
なぜこんなに大騒ぎされるのか納得。








1万3000年にわたる人類史の謎を解くということで、
具体的な例をあげながら、
なぜ、ある民族がある民族を滅ぼすことができたのか、
なぜ、ある民族が生き残ることができある民族は死に絶えてしまったのか、
という問題をわかりやすく解きほぐしてくれていて、









つまり、
なぜユーラシア大陸が世界の中心として栄え、
アフリカ大陸や南北アメリカ大陸の原住民たちが覇権をとることはなかったのかということなんだけど、









史書を読むと、
あまりにも人間本位の書き方が多いっていうか、









強力なリーダーのもと、
一致団結して領土拡大のために戦ったらこうなりました的な因果関係で強引に話をもっていくパターンが多くて、
なんだかな〜って思うことも多いんだけど、








本書の著者、ジャレド・ダイアモンド博士は、
理系も理系、
進化生物学者で、
医学部の教授、









「歴史は、民族によって異なる経路をたどったが、
それは居住環境の差異によるものであって、
民族間の生物学的な差異によるものではない」







という、







「環境決定論








に基づき、
すべてを決定づけたのは、









食糧の生産









であると結論づけている。









科学者なので、
あらゆる点において、
定量分析をすすめ、
それに基づく分析がだーーーーーっと述べられていくので、









いったん引き込まれると、
途中で読むのを止められなくなるほどおもしろいんだけど、









ぼーっとしてると、
今、何の議論してるんだったっけ?って感じで迷子になってしまい、
挫折しそうになる感じ、










なので、
白状すると、
斜め読みではしょったページも、
いっぱいあって・・・申し訳ないです・・・









だけど、
知らないエピソード満載で、









スペイン人がインカ帝国を滅ぼしたのが、
ほとんど一瞬のできごとだったとか、









入植者が先住民族を滅ぼす時、
最大の原因は銃ではなく、
むしろ、
病原菌であったとか、









世界最古の歴史を誇り、
数々の技術革新で世界を牽引してきた中国が、
世界で主導権を握らなかったのは、










小国間でいざこざが絶えず、
決して統一されなかったヨーロッパに比べ、
長期にわたって政治的に統一されてきたことが裏目に出て、
15世紀以降、
一握りの支配者の決定で、
国全体であらゆる技術から一斉に手を引いてしまい、
近代化に乗り遅れたからだ、とか、









そういう風に、
説明してほしかったのよ・・・って納得することがてんこ盛りで、
ホント、
読んでよかったって思う。









・・・ということで、本日の結論 :








歴史は理系的観点から見たほうがずっと楽しい。










Victoriaでした。