マダニと610ハップとオイラックス

こんばんは。victoria007です。

さて、自分の皮膚の上にマダニが張り付いて、血を吸いながらどんどん大きくなりつつあるという驚愕の事実に気づいたvictoria007。
マダニ - Victoriaの日記
昨夜はまんじりともせず、時計とにらめっこしながら朝を迎えました。

午前3時。
病院が開くまであと6時間・・・

午前4時。
病院が開くまであと5時間・・・

ああ、そうやって悶々と寝返りをうっている間にも、マダニは私の血を吸って肥え太っていくのです。

ようやく夜が明けて、どしゃぶりの雨だったんだけど、とにかくいつもお世話になっている皮膚科へチャリをとばしました。

この時点で、マダニは体長約8ミリくらいの巨体に成長していた。
ぷっくり太っていて、体色もやや赤みがかっている。
相当血を吸ったわね〜。
相変わらず、離れる気配を見せません。
ただじゃおかないから。
今からあなたは病院で、ピンセットではがされる運命なのよ・・・

「本日休診」

えっ?
病院って、木曜日が休みじゃなかったの?
「水曜定休」って書いてある。

よし、次行こう。

ずいぶん前に一度行ったことのある皮膚科が近くにあるのを思い出し、またチャリをとばす。

「???」
なんと病院の看板が外されていた。

えっ?
いつのまに病院閉めたの?
そういえば、前行ったとき、待合室が汚くてイヤだったことを思い出す・・・

次行こう。
今度は、これもまた数年前、夜中に虫さされで大きな水ぶくれができて駆け込んだ病院があるのを思い出し、またまたチャリをとばす。朝から雨の中、町の中を縦横無尽に走り回るvictoria007+マダニ。

さあ、着いた。
おや?

診療科目に、皮膚科がない?
ええっ、いつの間にやめちゃったの?

あ〜あ、どうしよう・・・
でも、何がなんでも今日中にとってもらわなくちゃ。

しょうがないので、いつもいってる内科の先生にとってもらおうか・・・と思っていたら、すぐ目の前の病院の看板が目に入った。

「皮膚科」って書いてある。

即、入りました。

「今日はどうされました?」
「虫に刺されちゃって」
「どんな虫でした?」
「でした、じゃなくて、今も刺されたまんまです」
「取ったらいいのに」
「かみついて離れないから来たんです。血を吸ってどんどん大きくなるから気持ち悪くって」
「えーーー?それは大変!先生、急患の方です!」

ということでVIP扱いで、すぐ診察室へ。
「どこを刺されたんや?」
「ここです」
と、マダニのいるところを見せたら・・・いなかった。

「えっ、家を出たときはたしかにいたんです」
チャリで走り回っている間に、マダニが目を回して勝手に落っこった模様。

ご高齢の先生で、さすが虫についてはよくご存じ。
「腹いっぱいになったから、離れていったんや」
とのお見立てでした。

「昔は、マダニやらヒルやらいろんなもんに、子どもが刺されたもんや」
ハイ。
ヒルには何度か刺されました。
「あんた、ムトーハップって知っとるか」
「?」
「610ハップや」
先生、紙に書いてくれました。
「これを風呂に溶かして入るとええ。これしか効かんから、薬局行って買って帰るんや。マダニが体に卵うみつけとるかもしれんから、全身をこれで消毒や。」
「た、たまご、ですか?」
「そうや。そうなったら疥癬になるで、おおごとや」
「かいせん?」
「それから塗り薬もつけとき。オイラックスや。オイラックスしかダニには効かんからな」

たまご、かいせん・・・
気持ちの悪い映像が頭に浮かびそうになるのを振り払いながら、今度は薬局へチャリをとばす。
「すいません、ムトーハップください」
「ああ、それなあ、もう製造中止」
「せいぞうちゅうし?」
「そうや。2,3年前にはやった硫化水素自殺な。あれ、ムトーハップや。危険やってことで製造中止になってしもたわ」

そんな・・・
帰ってWikipediaで調べたら、出てきました。

>>六一〇ハップ(ムトウハップ)は、武藤鉦製薬が販売していた入浴剤である。一般用医薬品として指定されていたため、薬局、ドラッグストアでしか販売されていなかった。<<

>>旧日本軍の衛生兵であった武藤鉦八郎が考案し、1927年に発売された。

同製品は、硫黄を成分とし、元の赤っぽい色の液体が、お湯に溶かすことで白濁するとともに硫黄臭がひろがり、あたかも、硫黄泉に入っているような気分にさせてくれる。 しかし、一部に2007年頃から流行した硫化水素自殺への使用が急増したため社会問題となり、2008年4月に販売自粛の措置がとられた。同年7月いっぱいで自粛要請は解除されたものの、販売の見通しが立たなくなってきたこと、後継者不足等の社内事情も重なり、同年10月いっぱいで生産工場が操業を停止した。<<

あ〜あ、どうしよう・・・
まあ、とにかく、マダニは体から離れました。
めでたしめでたし。
しかし、傷跡は残っているし、調べたところ、感染症にかかるとしたら、刺されてから数日後ってことなので、予断を許しません。

で、どこで刺されたかってことですが・・・
「あんた。心当たりはないんか?」
「それが、特にないんです」
「最近、ほこりっぽいところに行ったか?」
ほこりっぽいところ・・・
むっちゃ心当たりあり。
数年前、掃除機が壊れたことをいいことに、その後、ほうきとモップを思い出した時にかけるだけで掃除機をかけたことのないvictoria007。
これだけ電化製品大好きなのに、掃除機だけは買ったことないよなあ・・・

「いえ、特に思い出しません」
「そうか・・・。そんなら、あんた、虫がつきやすいタイプかね?」
またもや、むっちゃ心当たりあり。
毎年、梅雨時期になると、様々な原因不明の虫さされで皮膚科のお世話に・・・
人生でも、17歳の頃から、様々な虫につかれ、彼らに貢ぎまくったせいで私の人生&貯金通帳は常にリセット状態・・・

「とにかく、気つけや。刺されたらすぐに取ったほうがええ」

人生経験豊富な先生に、余裕のコメントをいただき、病院を後にしました。
どしゃぶりの雨はいつの間にか上がっていました。

教訓 : ほこりはこまめにとろうね。

それにしても、日本全国で、マダニに刺される人って一年に何人くらいいるのかしら?

もしかしたら、超レアな体験をしたのかもしれないわね。
とにかく、マダニだけは見分けがつくようになったわ。

victoria007でした。