フランスの結婚制度パクス
こんにちは。Victoriaです。
昨日、卒業生が遊びに来てくれました。
高校生の時、
「Victoria先生みたいになりたい」
と言って、外国語学部に進んだ彼女。
何度も留学して、ほとんど日本にいなかった彼女がなぜ日本に帰って来たのか・・・?
「カレが大使館で働くことになったので、今、東京にいるんです」
カレというのは、留学先で知り合った年下のフランス人で、私も一度いっしょにご飯を食べに行ったことがあります。
その時は年齢を聞いてなかったんだけど、
「ボク、何歳に見えます?」
と言われ、瞬時に、
「21歳」
と正解してびっくりされた・・・
日本人はたいていもっと年上だと思うらしい・・・
十代の男子生徒を最大の顧客としているVictoriaの眼をなめてもらっちゃあ困るなあ・・・
それで、そのカレとは彼女の留学が終わって離ればなれになった時期もあったんだけど、すぐに今度はカレの方が日本に留学してきて(もちろん彼女と同じ大学ね)あっという間にカレは日本語をマスター。
大学卒業して、一度は二人でフランスに行ったらしいけど、カレが日本で仕事をみつけて、今回めでたく帰ってきたというわけ。
それで、この二人、「パクス」という結婚制度を選んだそうです。
パクス?
ちょっと調べてみました。
<フランスの結婚制度 パクスとは?>
パクスとは1999年に成立した新しい結婚制度で、もともとは「同性カップルの権利を保障する制度の確立」を目指して作られたようです。
この制度により、民法で初めて同性カップルの権利が認められ、パクスで結婚するカップルの数は年々増加。
1999年には6000組ほどだったのが、2006年には70,000組以上のカップルがパクスを選択。
最初は同性カップルが多かったが、次第に異性カップルがパクスを選択するようになり、2006年にはパクスを選択したカップルの9割以上が異性カップル。
では、具体的に、従来の結婚制度とパクスの違いを見てみると・・・
・結婚は「男女カップルのみ」、パクスは同性カップルもOK。
・結婚は原則として「両者の合意」があって解消されるので、離婚するには長期間の裁判が必要になるが、パクスは片方の意志だけで解消できる。
・結婚には貞操義務があるが、パクスにはない。
気になる財産はどうなるかというと・・・
・パクスでは財産を贈与するなどして共有の形にすることができる。別れるときは財産を分けることになり、一方が亡くなった場合は、残った者が財産を譲り受けることも可能。
・・・
たしかに、結婚よりは緩やかだけど、結婚と同じメリットを受けられるようなので、これを選択するカップルが増えていることには納得。
フランスは子育てに対する国からの金銭的な補助などが手厚いことでも有名だが、補助金や税金に関してパクスは普通の結婚制度と同じように扱われるので、全く不利にはならないらしい。
・・・
「ただね、先生。結婚したらずーっとフランスに住めるけど、パクスだと毎年、外国人登録かなんかの手続きを更新しなくちゃいけないんで、それが面倒なの。子どもをフランスで育てるってなったら、結婚するかな〜」
とても先進的な法律に見えますが、フランスでは、「オレ達にも結婚を認めろ!」という同性カップルの要望を受け、同性カップルでも結婚を認める動きもあるとか・・・
人間は誰しも平等なのだから、権利の平等を実現しなければならない、というのがその心だそうで・・・
さすが、自由・平等・博愛の国。
Victoriaでした。
なお、パクスに関してはフランスの準結婚制度「パクス」って何? 同性間もオッケー!──成立8年で28万カップル | ポット出版を参照させていただきました。