シンガポールの水問題
こんにちは。Victoriaです。
さて、三日間の滞在中、朝晩パラパラっときたくらいで、雨に降られることはなく、むしろ紫外線にやられてしまったVictoria・・・
たくさんの高層ビルが建ち並び、ショッピングセンターはどこも人でいっぱい、街を歩けば工事現場だらけ・・・という好況ぶりを目にして思ったのは、
シンガポールでは、一体、一日にどんくらいの食べ物・水を消費しているのだろうか?
ということ。
シンガポールは東京二十三区と同じくらいの面積なんだけど、まさに、日本から東京二十三区だけを切り取ってきたらこうなるだろうなあ・・・という、都市国家。
国内で食料生産なんて、とてもできないはず。
そこで、調べてみたところ・・・
シンガポールは水問題がアキレス腱だということがわかった。
年間降水量だけを見れば、日本よりも多いんだけど、高低差の乏しい地形なので、貯水能力がない。
国内には多数の貯水池があるけど、それだけではまかないきれないので、お隣の国、マレーシアからパイプラインで水を輸入している。
ところが、マレーシアとシンガポールは昔から犬猿の仲。
事の発端は、シンガポールがマレーシアから独立したときの経緯にまでさかのぼる。
2061年までは水輸入の契約が結ばれているんだけど、マレーシアが、
「水の供給、止めるぞ!」
「水の価格、100倍に値上げするぞ!」
などと脅してくるため、マレーシアに頼らなくてもいいような新しい道を模索しはじめた。
まず、始めたのがNEWater計画。
これは、日本の逆浸透膜を使った濾過技術を使って、下水を再生し、飲料水にしようというもの。
これで国内の水需要の30%をまかなう予定。
ただ、下水を浄化・・・っていうところがネックで、イメージが悪すぎるでしょ?
政府は、「飲んでも安心ですよ」っていう啓蒙活動に躍起になっているらしい。
次に、マリーナ・バレッジというダムをつくってマリーナ湾をせきとめて淡水化。
これで、水需要の10%をまかなうという。
シンガポール川をながめていると、豊かな水資源に恵まれているように見えるんだけどね・・・
食べ物だって、ほとんど輸入に頼っているだろうし、近隣諸国からしたら、いいお得意さんなのかもしれないけど、一日だってなしではいられない水・食料の大半を輸入に頼っているわけだから、他国との関係では、よっぽどいい人でいないとまずいだろうね・・・
あれだけ景気がいいのに、追い立てられるように人々が躍起になって開発、開発って働き続ける余裕のなさの理由をかいま見た気がした・・・
Victoriaでした。