藤野英人 ビジネスに役立つ「商売の日本史」講義

こんにちは。Victoriaです。
「商売の日本史」という魅力的なタイトルにひかれて読んでみました。

ビジネスに役立つ「商売の日本史」講義 (PHPビジネス新書)

ビジネスに役立つ「商売の日本史」講義 (PHPビジネス新書)

「日本のお金は『外向き』と『内向き』の間をスイングする」
という仮説に基づき、日本人が持っているふたつのDNA、
・海洋民族として海外に雄飛し、冒険を好む「ウミヒコ」DNA
・堅実・地味でコツコツがんばる農耕民族的な「ヤマヒコ」DNA
が、どのように日本の歴史を形作ってきたか、ということを、
経済に焦点をあててひもとくという、とても新しい視点で書かれた本。

歴史好きには、たまらない・・・

本書では、古代から現代に至るまで、様々な歴史的事実について細かく分析がされていますが、ここでおおざっぱにまとめてみると・・・

<ウミヒコ(海洋民)としての日本人の特徴>
・社会の雰囲気は「OPEN」
・独立傾向が強い
グローバリズム志向
・西が強い(京都や大阪の関西圏、博多などの九州圏)。大陸の影響を受けるため。
・ビジネスでは「スプレッド(値ざや)」「チャンス」を狙う
・交易・貿易・ネットワーク作りが好き
・海運を大切にする
・市場主義的・分権的
・商業・金融に関心

<ヤマヒコ(農耕民)としての日本人の特徴>
・社会の雰囲気は「CLOSE」
・まとまって仕事をすることが多いため、組織作りが得意
ナショナリズム志向
・東が強い(鎌倉・江戸・東京)
・ビジネスでは「ものづくり」「努力」を重ねる
・中央集権的・縦の官僚制度を整備
・道路整備を熱心に取り組む
保護主義的・集権的
・農業・製造業に関心

<ウミヒコの時代>
・大和・奈良・平安前期
・平家の時代
室町時代
織豊時代
・明治・大正・昭和(戦前)

<ヤマヒコの時代>
・平安後期
・源氏の時代
鎌倉時代
・江戸時代
・戦後自民党政治


・・・
このようにまとめてみると、確かに、外向きの時代と内向きの時代がきれいに分かれていることがわかる。

2010年の日本は、明らかに「ヤマヒコ」で、全体的に内向きのマインドセットが支配的。
ここから脱却するには、「ウミヒコ」的な要素も必要ってことだと思う。

Victoriaでした。