デンデラ
こんにちは。Victoriaです。
死ぬために捨てられた老女50人。
しかし彼女たちは生き延びるために、極寒の山奥で力を合わせて闘う・・・
・・・という解説にひかれ、見に行って来ました。
(40代で独身は恥ずかしい@そんなあなたに知ってもらいたこと)
感想 : 上映時間の80%はクマ退治の話じゃねぇか・・・
いや、もう、びっくり。
結構、早いうちにクマさん登場。
最初50人いたはずのおばあさま方が、つぎつぎとクマに食われていって、
最後はほんの数人になっちゃうすさまじいストーリーで、
神話か古事記の世界の話のようだった。
この映画を見るにあたっては、あらかじめ解説を熟読。
デンデレのHPを見ると、
「70歳になると老人を姥捨てする風習の残る山間部を舞台に、
捨てられた老女たちが作るデンデレというコミュニティで、生き残るために困難に立ち向かう姿を描く」
「楢山節考の後日談」
「厳しい日本の現状と向き合う我々に生命力を呼び覚ます魂のメッセージ」
「70歳から始まる新たな人生の悦びと希望が込められた今年最大の話題作」
という力のこもったキャッチコピーが並び、
「もしかしてこれは、人生の最後の最後には男なんかいらない、女だけで生きていくほうが幸せだっていう、究極のフェミニズムの話か?」
という期待感に胸を膨らませて行ったんだけど、
そんな生やさしいものではなかった。
この世で一番おそろしいのは、男でも掟でも慣習でもなく、クマだった・・・
最後には、50人いたデンデラの住人が、クマ一匹のためにあっという間に10分の1にまで減ってしまって、
浅丘ルリ子演じる主人公は、こんな地獄みたいなところイヤだって言って、
デンデラを捨ててほかの土地を探しに出てしまうんだけど、
私は、東北のような雪深いところに住んだことがないので、
容赦なく降り積もる雪に閉ざされた山で、
果たして人間が生きていけるのかっていう時点で、
もう呆然としてしまって、
ちなみに、50人いる豪華女優陣の中で、
かろうじてわかったのが、浅丘ルリ子と草笛光子の二人で、
あとの方はどなたがどなたを演じてらっしゃるのかさっぱり・・・
女は年とって、しわくちゃになってしまうと没個性になってしまうんだなということをしっかり学習。
デンデラ創始者で100歳の草笛光子が(役名は忘れた・・・)
「私を捨てた村に復讐してやる」
って言って、それを支えに必死で生き延びようとする姿は、
人間、反骨心とか、復讐心とか、怒りとかっていう負のエネルギーが皆無だと、
これでもかって降りかかってくる逆境で立ち上がる気力がわかないんだってことを再確認させてくれたし、
しとめたクマの子の生き血をみんなで「甘い」とすすり合う場面では、
人間、食べられなくなったら終わりだってことを思い知らされた。
だけど、30年の長きにわたり、
70歳を過ぎて村では用なしになったからって捨てられた老女だけで平和に暮らしてきた彼女たちも、
クマには勝てなかった。
創始者草笛光子が男はデンデラに入れなかったから、
女オンリーのコミュニティだったわけで、
それは、全員が助け合って平等に食べ物を分け合うという意味ではよかったんだけど、
クマに襲われるという緊急事態は、
女が素手で立ち向かうことができるほど、やわではなかった。
・・・ということで、本日の結論 :
クマ退治には、男が必要。
やっぱりね、
縄文時代から、男は狩猟、女は採集っていう役割分担がされていたわけだけど、
それって、すごく理にかなったことだったのね・・・
Victoria、たとえしわくちゃになっても、クマ退治していただけるように、男の方には一生尽くしたいと思います・・・
Victoriaでした。