自治体事業仕分け 傍聴記 総集編

こんにちは。Victoriaです。


自治事業仕分けがなかなかおもしろいらしいといううわさを聞き、
なんの予備知識もなく傍聴に行ったところ、
いろいろと収穫があり、

国レベルの事業仕分けは、蓮舫さんがやってたので知っていたけど、
実は地方自治体レベルの事業仕分けは、もう何年も前からあちこちで行われていたということを初めて知った。


事業仕分けのメリットは、
国や自治体のやっている様々な事業について、
そもそも税金ですることが必要か、というところから議論ができるところで、
財政難に苦しむ自治体にとっては、どこから削るかというのが死活問題だから、
これからもどんどん広まっていくことだろう。


仕分け人が全くの外部の人間であることによるメリットも大きい。
本来なら議員が議会で議論して、仕分けていくべきなのだろうけど、
利害関係者とフェイストゥーフェイスの関係である議員には、
しがらみもあるだろうし、
会計の知識のない議員には、そもそも予算書や決算書を読みこなす能力のない人も多いから、
民間で、厳しい競争にさらされながら、
時には税務署とガチの闘いをしながらサバイバルしている人の目で、
ムダがないかチェックしてもらう効果は大きいと思う。


今までも、監査委員などが外部からチェックする機会はあったはずだが、
基本的にすべてOKを出すことが前提になっている監査では、
実質的に何も仕分けられなかったに等しい。


事業仕分けでは、基本的にすべてノーをつきつける前提で仕分けるから、
本気で経費削減したければ、どんどん事業仕分けをやっていくことになるだろう。


これも今回初めて知ったのだが、
自治体の事業仕分け業界においては、
構想日本」のシェアが圧倒的で、
構想日本の仕分けの手法は、「構想日本モデル」といわれ、
多くの自治体で採用されている。


この業界では草分け的な存在であり、
仕分けの実績も群を抜いているから、
ノウハウの蓄積も他の追随を許さないのだろう。


実際、コーディネーターの仕切りから、時間配分まで、
非常に効率的にさばかれていて、
万事に時間がかかるお役所仕事をぶったぎっていく様は、
見ていて非常にすがすがしいものであった。


ただ、事業ごとに作成された「事業シート」に記入された内容のみに基づいて仕分けていくので、
ひとつひとつの事業にこめられた理念や思いのようなものは、
数字に変えることができなければ、すべて切り捨てられていく。


ムダな公共事業を削減するとか、
いらない人件費を抑えるという部分では絶大な効果を発揮する事業仕分けだが、
人々の安全・安心に関わる分野や、福祉関係、
あるいは、スポーツや文化振興の分野には、事業仕分けはなじまないのではないかと感じた。


ただ、経費削減ありきではなくて、
じっくりと市民が議論しあうために、
あえて仕分け人に構想日本のようなプロを入れず、
市民からの公募に基づいて人選し、
一件あたりの時間もかなりたっぷりとるというスタイルで、
自治体独自の事業仕分けを行っているところもあり、
ゆくゆくはこの形にもっていかないと、
市民の満足度の高い事業仕分けにはならないのではないかと思う。


考えてみればこれは当然のことで、
自治体を会社と置き換えて考えれば、
同族経営で帳簿もええ加減だった会社が、
このままではどうにもならんということで一念発起して、
経営コンサルタントと契約して会社の業務を一から見直すというのと、
自治体が外部に事業仕分けを発注するというのは同じことで、
会社の経営陣の意識が高ければ、
高いコンサルタント料に見合っただけの効果が得られるが、
コンサルタントに丸投げで、
一体自社をどうしていきたいのかという経営ビジョンがなければ、
結局付け焼き刃のリストラをするだけで、
根本的な解決にはならないように、
お手軽に削減できそうな事業ばかりをピックアップして、
事業仕分けをしてしまえば、
見かけ上は経費削減できるから、成功したかに見えるけれど、
自治体の未来像が描けていなければ、
効果は一時的なものにとどまり、
市長が替わったらもとのもくあみ・・・という可能性大である。


・・・
ということで、本日の結論 :



構想日本は、経営コンサルタント
コンサルに丸投げの事業仕分けは、百害あって一利無し。
結局市民が汗をかかないと、自治体はよくならない。




Victoriaでした。

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