ライフネット生命の出口社長に歴史を学ぶ (15)敵の大将をかかえる懐の深さを持ったペルシア

こんにちは。Victoriaです。

さて、ライフネット生命保険の出口社長の講演会は、
ダレイオス1世のグローバリゼーションのお話の続きです。


<ダレイオス1世のグローバリゼーション ここまでのおさらい>
簒奪(さんだつ)により、王位を横取りする形でアケメネス朝第3代の王に即位したダレイオス1世は、
東はインダス川から西はエーゲ海北岸にいたる大帝国を建設。

領土を約20の州に分け、サトラップ(知事)を任命して中央集権体制を確立。


さて、領土を拡大することに成功したダレイオス1世だが、
スキタイには苦しめられた。

スキタイは南ロシア草原地帯を支配した騎馬民族なので、
馬に乗って矢を射るのが戦のスタイル。

一方のダレイオス1世率いるアケメネス朝は、
一人が御者、もう一人が矢を射る二人乗りのチャリオットが主流だったので、
スキタイに太刀打ちできず、
結局、撤退している。


ダレイオス1世が苦しんだもうひとつの相手は、ギリシア

インド・ヨーロッパ語族であるアテネ・スパルタは、
マッチョな世界観の持ち主で、
殺し合いが大好き。
ペルシアの言うことを簡単にきく相手ではない。

おまけにギリシアは山が多い地形で、
メソポタミアの大平原に生きているペルシア人は山での戦いに慣れていないので大苦戦。

そこで、途中から、
アテネとスパルタを仲違いさせ、
お互いにやっつけあうのを待つという戦法に切り替えている。


ダレイオス1世の時代に始まり、
最終的にはアケメネス朝がギリシアに敗れることになったペルシア戦争で活躍したアテネの英雄に、
テミストクレスがいる。

彼は、ペルシア戦争を勝利に導いた大功労者だったわけだが、
必要以上に名誉と権力を欲したことからアテネを追われてしまう。

そこで、彼は、なんと、今まで戦ってきた敵であるペルシアに逃げ込んだのである。

自分はアテネのことは何でも知っているから、
お役に立てます、というわけだ。

ペルシアはそんな彼を厚遇し、
領地まで与えている。



本日の出口社長の一言 :


ペルシアは、敵の大将を抱える
懐の深さを持っていた。



Victoriaでした。


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