ライフネット生命の出口社長に歴史を学ぶ 続編 (8) ソクラテス、プラトン、アリストテレス
こんにちは。Victoriaです。
2011年11月13日、キャンパスプラザ京都で行われたライフネット生命保険の出口社長の講義、
今回は、「ソクラテス、プラトン、アリストテレス」のお話。
前回、イオニアの自然科学者たちが、
「世界は何でできているのか?」
という問いに対する答を求め、
自然を観察することによって、
万物の根源を解き明かそうとする、
の立場をとっていたことを見たんだけれども、
(ライフネット生命の出口社長に歴史を学ぶ 続編 (6) ギリシア哲学と宇宙論 - Victoriaの日記)
それをくつがえすような考えの持ち主が現れた。
ソクラテス(BC469頃〜399)。
ソクラテス自身は、
一切、書物を残していないので、
実際のところ、何をしていた人なのかはよくわからないんだけれども、
プラトンをはじめ、
彼の弟子を自称する人たちが書いたもので、
彼の思想を読み解くと、
自分の内面に哲学の対象を向けたという意味で、
イオニアの自然科学者たちの考えを転回したということがわかる。
ソクラテスの有名な言葉に、
汝自身を知れ!
があって、
要するに、これは、
自分が何も知らんアホやということを、
ちょっとは自覚せーや!
ってことで、
そのこと自体は学問をする者の姿勢として正しいと思うけれども、
それを、
会う人、会う人に言って回ったんじゃ、
世の中、敵ばっかりになるわよね・・・
・・・ということで、ソクラテスは処刑されてしまう。
優れた哲学者であったにもかかわらず、
世の中にケンカを売って歩いて、
あげくに死んじゃった師のかわりに、
膨大な著作を残したのが、
プラトン。
彼は大変な名文家であったので、
膨大な資料が残されている。
プラトンは、魂の不滅を信じていた。
彼の哲学の中心的な考えは、
イデア論。
例えば、机というものを作る場合を考えてみると、
まず、人の頭の中には、
あらかじめ、「机」という概念が存在する。
その概念上の机を真似して、
物質から机を作るのだと、プラトンは言った。
これは、魂と現実の二元論へと結びついていき、
後にキリスト教が利用するようになる考え方である。
さて、プラトンは、
アカデメイアという学校を開いていたが、
そこに入学してきたのが、
アリストテレスは、
アレクサンドロス大王の家庭教師だったことは、
前回の講義でみたとおり。
「たった13年で世界帝国を築いたアレクサンドロス大王」→(ライフネット生命の出口社長に歴史を学ぶ (16)たった13年で世界帝国を築いたアレクサンドロス大王 - Victoriaの日記)
アリストテレスはプラトンとは違い、
文章は下手だったが、
大変きちょうめんな性格だったので、
講義録がすべて残されていた。
それを見ると、
アリストテレスがこの世のありとあらゆることについて考えていたということがわかる。
彼は、実務的な人間だったので、
師プラトンの二元論が理解できなかった。
彼は、イデアは実証不能だとし、
師の考えを換骨奪胎して、
二元論を、「材料」と「実態」におきかえた。
例えば、机の例を出せば、
プラトンは、
机職人は木を見たら、
そこに「机」というイデアを見いだすと考えたが、
アリストテレスは、
木の中には、机に向いているものと、向いていないものがあり、
木というのは、いろいろなものに発展していくのだと考えた。
つまり、
物質を時間軸でみる
ということを、
アリストテレスは試みたわけである。
そのほかにも、
アリストテレスの興味はありとあらゆる分野にわたり、
現代にいたるまで、
彼の影響はあちこちに見ることができる。
哲学の分野で、
アリストテレスを超える人物はまだ現れていないという人も多いように、
人間の脳は、
この1万年くらいの間に、
たいして進化していないらしく、
人間の喜怒哀楽を、
すべて三大悲劇詩人の作品の中に見ることができることから考えても、
(ライフネット生命の出口社長に歴史を学ぶ 続編 (7) 流用資金で建設されたパルテノン神殿 - Victoriaの日記)
この時代のギリシアは、
完成した文明社会であったということができる。
ちなみに、
ソクラテスは悪妻に苦しめられたことで有名だけれども、
プラトンはバイセクシュアルだったそうで、
結論 : プラトンは、恋愛でも二元論主義者だったのね♪
Victoriaでした。
・・・
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