ライフネット生命の出口社長に歴史を学ぶ 続編 (11) 中国の本音=法家 VS 建前=儒家
こんにちは。Victoriaです。
2011年11月13日、キャンパスプラザ京都で行われたライフネット生命保険の出口社長の講義、
今回は、孔子のお話。
さて、前回、
紀元前500年頃の中国が、
高度成長期を迎えたというお話をしたんだけれども、
(ライフネット生命の出口社長に歴史を学ぶ 続編 (10) 禹の治水伝説 - Victoriaの日記)
その時代の有名人といえば、
孔子(BC552〜479)。
「論語」は、
中学・高校の国語の教科書に必ず出てくるから、
みなさま、おなじみの方。
出口社長によると、
孔子の思想を一言でまとめるならば、
「豊かになることはいいことだ。
高度成長バンザイ!」
う〜ん、そうだったのね・・・
出口社長、
今回の講義の中で、
この一言が一番インパクトがありました。
つまり、
孔子は、
現状を肯定した人。
高度成長、いいじゃないか。
豊かになることは、いいことだ。
葬式は盛大にやってOK。
孔子って、イケイケドンドンだったんだ・・・
同じ時代の思想家に、
老子がいるけれども、
老子の教えは、いわば、インテリの人々の遊びで、
葬式なんか、どっちでもいいやろ・・・って考え。
それは、受けないはずだわ・・・
墨子などは、
高度成長で山の木をバンバン切り倒して、
はげ山になるなんてとんでもない。
小さい国でいいから、
貧しくても心豊かに暮らしていこうではないか。
葬式は自然葬にしよう・・・
うん、これも、
中国の方達の好みには合わないはず・・・
ということで、
孔子圧勝!
儒教が中国の主流になるか・・・
と思いきや、
そうはならず・・・
・・・
実は、中国の思想の主流は、昔も今もずっと、
法家。
法家の考え方を、簡単にまとめると、
国家というのは、法律によって治めなければ統治できない。
孔子の言うように、
人の徳に頼るようじゃぬるいっていうこと。
法家の考え方こそ、
中央集権的現実主義のツボにはまったわけね・・・
・・・
ロジカルな考え方をする人だった孟子は、
国の主権は人民が持っていると述べ、
禅譲と放伐の考えを説いた。
孟子によれば、
天災というのは、
天から送られた、今の王様がダメだという印であり、
禅譲、あるいは放伐のいずれかの方法で、
王朝を変えるべきだという。
彼は、人民主権を訴え、
革命は当然許されると考えた。
中国の伝統である易姓革命、
つまり、革命理論のはじまりである。
同じ時代に活躍した思想家に、
荘子がいるが、
彼の話には大変、比喩が多く、
インテリの精神の遊びの域を出ない。
ということで、
ここまでの話をまとめると、
中国での与党は一貫して法家。
国家は法律で統治すべしというのが、中国の
本音。
進歩を楽観視した儒家と、
自然破壊を憂えた秘密結社的な墨家、
近代的・個性的な知識階級の道家らの考えは、
あくまで、
建前。
結論 : 「国家は法律によって治めるべし」が、
常に中国の与党の考え方であり、本音。
・・・
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