ライフネット生命の出口社長に歴史を学ぶ 続編 (12) 聖書誕生の経緯
こんにちは。Victoriaです。
2011年11月13日、キャンパスプラザ京都で行われたライフネット生命保険の出口社長の講義、
今回は「聖書の誕生」のお話。
さて、中国では、
他の国に先駆けて、
真っ先に自分たちの歴史を書いた周が、
「周って、なんてエライんだ!」
とビビらせることに成功し、
中華思想のはじまりとなったこと、
(ライフネット生命の出口社長に歴史を学ぶ 続編 (3) 中華思想のはじまり - Victoriaの日記)
地中海へ出て行ったギリシア人が、
先に商売をしていたフェニキア人に対抗して、
オレたちだって負けないぜ!ということをアピールするために、
自分たちの歴史を書いたということをこれまで見てきたんだけれども、
(ライフネット生命の出口社長に歴史を学ぶ 続編 (4) ギリシアの自分さがし - Victoriaの日記)
ユダヤ人が聖書を作った経緯もまた、
ペルシア人に対抗するためだったというのが今回のお話のポイント。
ダビデ、ソロモンが王だった頃、
イスラエルは人口1000人くらいの小さな村だった。
しかし、アッシリアに滅ぼされ、
バビロン補囚で捕虜として連れ去られてしまう。
このあたりは、出口社長の前回の講義に詳しい→(ライフネット生命の出口社長に歴史を学ぶ (14) バビロン捕囚とダレイオス1世のグローバリゼーション - Victoriaの日記)
紀元前539年、新バビロニアは滅亡。
ペルシア王キュロス2世は、非常に寛大な王だったので、
捕虜となっていたユダヤ人たちに、
帰りたければ帰ってよいと言った。
しかし、
バビロニアに連れて来られて、かれこれ80年たっており、
多くは、3代目、4代目のバビロニア生まれ。
現地で仕事もみつけ、
生活の基盤ができていたので、
今さら帰れと言われても困ってしまい、
そのまま、居残る者が多かった。
ここで、
ためらうことなく、帰国した人たちもいた。
お坊さん。
彼らは、真っ先に帰国すると、
神殿を再建して、残りの人たちの帰りを待った。
でも、誰も帰って来ず・・・
実際のところ、
捕虜として強制的に働かされていた頃は、
いじめられていたので、結束も強かったのだが、
いざ、好きにしていいよと言われると、
そのままペルシア人になってしまう者も現れる始末。
これではまずい・・・
ということで、
寛大なペルシア人への対抗として、
モーゼ五書は書かれた。
自分たちはこんなにエライんだということを説得するために書かれたわけなので、
中にはいろいろとでっち上げに近いものもあり、
特に、古いできごとほど覚えていないので、
後からでっち上げた内容が多いのが特徴である。
これは、個人レベルで考えてもそうで、
例えば、日記をつけるのを忘れていて、
後からまとめてつけるとなったら、
近い過去のことは覚えているから詳しく書けるけど、
さかのぼって行くにつれて、記憶はあいまいになるので、
ウソを混ぜざるを得ない。
後から書かれた歴史というのは、
古いものほど新しいというのは、
そういう理由である。
しかし、たとえでっち上げに近いものであっても、
一度、書物として書かれてしまうと、
必ずそれを信じる人は現れるもので、
特に、信じる者が少数派だと、
結束が強くなり、
かえって生き残ることとなる。
結論 : 聖書は寛容なペルシア人への対抗策だった。
Victoriaでした。
・・・
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