大村大次郎 「決算書の9割は嘘である」 (1)国税調査官の使命

こんにちは。Victoriaです。

さて、大村大次郎先生の「バレると後ろに手が回る 脱税のススメ」を読み、
すっかり税務・会計用語になじんだVictoria・・・ 


バレると後ろに手が回る脱税のススメ

バレると後ろに手が回る脱税のススメ





「鉄は熱いうちに打て!」



ということで、
さらに大村大次郎先生の著書を読んで、
勉強しようと、
これを購入。



決算書の9割は嘘である (幻冬舎新書)

決算書の9割は嘘である (幻冬舎新書)





いきなり話飛ぶんだけど、




「決算書の9割は嘘である」





っていうタイトル、
わかりにくくない?





私は最初、





「決算書の数字の9割は間違ってますよ、みなさん、ちゃんと見直してよね」





っていう意味かと思って、





それって、
私の簿記論の答案より、正答率悪くねー?





なんて思ったんだけど、





もちろん、そうではなく、





「決算書を作ってる会社のうち9割は、
どっかに何かしらのごまかしやミスがあるものである」





という意味ですね。






う〜ん、
タイトルからつまづいて、
大丈夫だろうか・・・





・・・



しかし、
予想に反して、
とても楽しく読めました。






一言でこの本の内容をまとめるならば、






国税調査官は、
税務調査するかどうかを決めるために、
企業の決算書のどこに注目しているか






ということが書かれた本で、






すべての決算書は、
税務署に提出することを目的として作られるということを考えるならば、





税務調査だけは避けたい決算書作成者にとって、
税務署の手の内を知るための必読書。





いわば、
大学受験生にとっての、





「ココが狙われるから必ず押さえておけ!」





的な、
参考書のようなもの。



例えば、コレとか↓

大学入試英語頻出問題総演習 (即戦ゼミ) 最新六訂版

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英単語ターゲット1900 5訂版 (大学JUKEN新書)

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実務的にとてもためになるだけでなく、
いろいろな会社の決算書の例が載っていて、
それが大変おもしろく、
ほほ〜う・・・っていう裏話満載なので、
少し、ご紹介したいと思います。




・・・


国税調査官の使命>


1 国税調査官は、粉飾決算の企業を税務調査してはならない。




国税調査官の仕事は「追徴税」を取ってくることであり、
彼らには厳然たるノルマがあるという話は以前見たんだけど、
大村大次郎 「バレると後ろに手が回る 脱税のススメ」 (7)ノルマに追われる国税調査官 - Victoriaの日記






じゃあ、
もしも、税務調査に入った会社が税金を納めすぎていることがわかって、
税金の還付をしなければならなくなったらどうするか?







お前、何さらしとんじゃあ!!!
切腹モンやぞお!!!!!







と言われるかどうかは知らないが、
そんなヘマした国税調査官の成績がガタ落ちになることは確か。





それだけは避けたい・・・







なので、
粉飾決算は黙認。






シロート考えだと、
脱税も粉飾決算も、
悪の度合いは同じなんじゃないかって感じがするんだけど、






税務署的には、






税金を取れるか、
税金を返さなければならないかってのは、
天と地ほどの違いだ。





したがって、




追徴税を取れるどころか、
税金を返す可能性が生じる粉飾決算はスルー。






・・・ということで、本日の結論 :





粉飾決算している企業に、
税務調査は来ない。





2 国税調査官は儲かってない会社に税務調査に来ない。





追徴税を稼ぐことが使命の国税調査官が税務調査を避ける企業のパターンには、
粉飾決算以外に、

  • 一般管理費が下がっている
  • 現金預金の残高が下がっている
  • 従業員が減っている


というのがあって、



一般管理費が下がっているということは、
リストラなどで合理化をすすめ、
企業体質の改善をはかっている途上だということで、






要するに、儲かっていない。






現金・預金がほとんどない会社は、






追徴税を取りたくてもゼニがない。





同じく、
従業員に払う給料すらなくて、
やめてもらっているような会社には、





脱税する余裕すらない。





・・・ということで、本日の結論 :




儲かっていない会社、
ゼニのない会社に、
税務調査は来ない。







・・・




そこそこゼニを持っててたたけばホコリの出る身体で脇の甘い取りやすそうなヤツをターゲットにする





という点では、





税務署=取立屋=詐欺師。






うん、
きっと、
優秀な国税調査官は取立屋やらせてもうまいし、
詐欺師の才能は、
国税調査官としてもいかんなく発揮されるにちがいない・・・







感想 : 追徴税っていうのは、アレだな、
今月、ちょっと実入りがないから、
ちょっくら行って稼いでくるわ、てな感じで、
便利なATM代わりに使われてるんじゃねーか?






・・・


先日、初公判のあった「クレディ・スイス証券集団申告漏れ事件」で、
国税は、これと決めたターゲットの八田隆氏を、
執念で告発したわけだけど、
なんで、あそこまで執拗に追いかけてくるのかちょっとわかった気がする。






コイツは脱税してるとにらんだ時点で、
追徴税はすでに納税者(=八田氏)のものではなく、
国税当局のものだと認識され、
それをとっとと出さねえヤツは許さねえ(だって、オレ達国税の金庫に本来あるべきものなんだぜさっさと出せよボケ!)






ってことなんだろうなあ、きっと・・・






国税こわい・・・






Victoriaでした。



・・・

クレディ・スイス証券集団申告漏れ事件」バックナンバーはこちら。
田中周紀 「国税記者 実録マルサの世界」 (5)クレディ・スイス証券集団申告漏れ事件 - Victoriaの日記
クレディ・スイス証券集団申告漏れ事件 - Victoriaの日記
クレディ・スイス証券集団申告漏れ事件 初公判のまとめ - Victoriaの日記