ライフネット生命の出口社長に歴史を学ぶ Part 3 (9)拓跋帝国の完成と白村江の戦い

こんにちは。Victoriaです。

2012年3月25日、キャンパスプラザ京都で行われたライフネット生命保険の出口社長の講義、
今回は7世紀中国のお話。




さて、
中国の話になると、
最初に必ず出口先生がおっしゃることがあって、








中国の歴史の中で、
人々が安心して暮らせた時期は4回しかない。



1 文景の治(漢 紀元前180〜141)
2 貞観の治(唐 627年 - 649年)
3 開元の治(唐 713年 - 741年)
4 清 満州国



これは、
Part2の講義でもまとめています→ライフネット生命の出口社長に歴史を学ぶ (19)司馬遷を去勢して史記を書かせた武帝 - Victoriaの日記






さて、
今回は、
たった4回しかなかった平和な時代の、
第2番目、貞観の治で知られる太宗のお話。






・・・


618年、
煬帝が殺害されて隋が滅び、唐建国。



これで、
鮮卑の拓跋氏が北魏を建国して以来、綿々と続いてきた、
拓跋帝国が完成する。







太宗は中国史上最高の名君とたたえられているが、
実際は隋の煬帝とやったこと自体、そんなに差があるわけではなく、
新しい王朝ができると前の人のことを悪く言うというのが、
易姓革命で王朝が交替してきた中国の伝統なので、
必要以上に煬帝のことを悪く言う一方、
太宗のことは持ち上げたというのが真実らしいということは、
前回みた通り→ライフネット生命の出口社長に歴史を学ぶ Part 3 (7) 煬帝は暴君か? - Victoriaの日記







太宗は武将としてもすぐれ、
対外的にも果敢に攻めていって領土を拡大したが、
そのひとつに、







突厥







がある。





突厥モンゴル高原東部を支配していた民族で、
北から中国をおびやかしていたが、






それを中国が討ったので、
遊牧民たちはびっくりし、







太宗に、






天可汗








の称号を奏上する。







天可汗とは、
北方遊牧民族の可汗よりも更に上という意味で、
歴史上はじめて、
中国の皇帝が遊牧民のカーンの地位を兼ね備えたことになる。








北の防衛にエネルギーを注ぐ必要がなくなったため、
唐の時代、万里の長城はいったん姿を消す。






・・・


唐の都、長安は、
8世紀前半の最盛期には人口100万を超える、
世界最大の国際都市となった。







651年にササン朝ペルシアが滅亡した時、
皇太子が亡命してきて亡命政権ができたのは、
長安である。







奈良にペルシアの文物があるのは、
こういう経緯。






・・・


さて、
太宗の後を継いだ高宗の時代に、
日本に多大な影響を与える事件が起きた。







白村江の戦い(663)






である。






この時代の日本は、
倭国と呼ばれていて、
傭兵国家だった。
(このあたりの事情については、こちらにも詳しい→ライフネット生命の出口社長に歴史を学ぶ Part 3 (3) 日本に仏教が伝来した理由 - Victoriaの日記






傭兵国家としての存在意義は、
周りに、大きい国がなく、
小さい国が分立していてお互いにケンカしてるということが前提で、







6世紀から7世紀の朝鮮半島は、


の三つに分かれていて、
倭国百済救済のため出兵するが、







白村江で、唐・新羅の水軍に大敗。







つまり、
拓跋帝国に滅ぼされたわけで、
強い大国の登場とともに、
傭兵国家としての倭国の出る幕はなくなり、
日本の国作りは新しい局面をむかえる。






新羅・唐から占領軍が日本にやってきた時、
日本人はどうしたか?







答 : 明治の鹿鳴館と同じことをした。







具体的には、
服装を騎馬民族と同じスタイルにし、
机・イスを買い、
日本としての国の体裁を整えるため、
大急ぎで、古事記日本書紀をでっちあげた。







・・・ということで、本日の結論 :





拓跋帝国の完成により、
傭兵国家としての倭国の出る幕がなくなり、
日本の国作りが急ピッチで行われた。








Victoriaでした。
ライフネット生命保険
生命保険




・・・

ライフネット生命の出口社長に歴史を学ぶ Part 3」バックナンバーはこちらです。
ライフネット生命の出口社長に歴史を学ぶ Part 3 (1) 再び出口先生にお目にかかる - Victoriaの日記
ライフネット生命の出口社長に歴史を学ぶ Part 3 (2) 貿易の要所を押さえて最盛期を迎えたササン朝ペルシア - Victoriaの日記
ライフネット生命の出口社長に歴史を学ぶ Part 3 (3) 日本に仏教が伝来した理由 - Victoriaの日記
ライフネット生命の出口社長に歴史を学ぶ Part 3 (4)イスラム教の誕生 - Victoriaの日記
ライフネット生命の出口社長に歴史を学ぶ Part 3 (5)アラブ人の征服地統治政策とコーランに異本がない理由 - Victoriaの日記
ライフネット生命の出口社長に歴史を学ぶ Part 3 (6)正統カリフ時代の終焉とウマイヤ朝の成立 - Victoriaの日記
ライフネット生命の出口社長に歴史を学ぶ Part 3 (7) 煬帝は暴君か? - Victoriaの日記
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ライフネット生命の出口社長に歴史を学ぶ Part 1」バックナンバーはこちらです。
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ライフネット生命の出口社長に歴史を学ぶ 続編 (25) 総集編 AD元年〜500年の世界 - Victoriaの日記