男の存在価値

こんにちは。Victoriaです。


先日、
夜道をチャリでとばしていたら、
いきなり、
なにかデカいものに乗り上げたかのような異音とともに、
急にハンドルが重くなり、
チャリ全体がギーギー鳴き始めて、








明らかに、
何かおかしいんだけど、
真っ暗だし、
とりあえず動くので、
そのまま走行続行。







何とか帰り着いて、
調べてみたら、







前かごを止めている幅5センチくらいの金属棒が、
ポッキリ折れていた・・・







明らかに、
荷物が重量オーバー。






最近、
ずっと自転車が前ほどとばせなくなっていて、
おかしいなとは思っていたんだけど、
まさか、こんなことになるとは・・・








ぶつかったり、
転んだりしたわけではなく、
普通に乗っていて壊してしまうなんて、
男子高校生並みの体力が証明されたようで、
ちょっと嬉しい私・・・









今まで、
自転車乗ってて起きたトラブルでピカ一なのは、







フリフリのロングスカートはためかせて乗ってた時、
スカートの裾がチェーンに巻き込まれちゃって、








すぐに止まって処置すればよかったんだけど、
ちょっとタイミングを逸してしまって、
もうちょっと行ってから止まろう・・・
なんてのんきなこと考えていたら、








スカートがぎっちりとチェーンに食われ、
お互いビクともしなくなった・・・






あの時の恐怖は、
今でも忘れない。







ものすごく人通りも車通りも多い街中で、
自転車とスカートが一体化してしまい、
ちょっと移動しようと思っても、
一歩も足が動かせない。







脱出方法は二つ。




  • スカートをはさみで切って自転車から切り離す
  • スカートを脱ぐ



スカート脱ぐって、
さすがにそれはできないので、






半泣きになりながら、
ケータイを取り出し、





フリップを開けて、
こんな時、
絶対に救助に来てくれそうな男は誰か、
アドレス帳をスクロールしながら、
必死で考えた。







時は平日の午後4時半。
普通、
仕事してる人間は最も忙しい時間帯で、
遊び人はそろそろパチンコかなんかに出かけてしまう時間。






うん、
もう、
迷ってる場合じゃないや!







よし、
この人に頼んでみよう・・・







呼び出し音が鳴り、
応答ボタンを押した気配はあるけど、
声は聞こえてこない。








おそらく、
そのまましゃべっちゃまずい場所にいるので、
移動してると思われる。








しばらく、
布がすれる音(たぶん、ケータイをポケットに入れたまま操作している)、
階段を下りる足音、
警備の人か何かと話す声が聞こえて・・・








「もしもし」







もう、
あの瞬間、
わあああああ!!!!!と涙が出てきて、
後はよく覚えてないんだけど、








とにかく、
一歩も動けない状況にあることを説明し、
ハサミを持ってきてほしい、
ずっと待ってるから、








そう言って、
なんとか場所を伝える。








でも、
私、
場所の説明させると、
普通の状況でも、絶対誰にもわからないくらい支離滅裂になっちゃう自信があって、









あの説明でわかったら、
天才だ・・・









30分後、
天才到着。







どうやってぬけてきたのか知らないけど、
絶対ムリな時間帯に職場を抜け出し、
ハサミとスカートを持ってきてくれた。








スカートは、
途中で買ってきたらしく、
タグはちゃんと外されていた。








手早く、
スカートにハサミをいれて自転車と分離した後、
私を車に入れて着替えさせつつ、
どこをどう触ったのか、
神業のような素早さで、
チェーンに巻き付いた布を全部取り除いてくれた。







あの時、
彼のことはマジ神様のように輝いてみえた・・・








私としては、
あのまま彼の胸に飛び込んで、
うわーんと泣いて、
それまでの緊張と疲れを全部はき出す気、マンマンだったのだけど、









ゴメン、
オレ、
仕事、戻るわ・・・








そうだったわね・・・







その後、
彼とはきわめてロマンチックな甘〜い関係に一時陥ったのでありますが、








これだけ、
女の心をわしづかみにするツボを心得ておいでの方ですから、
その才能を最も遺憾なく発揮できる女性とほどなく結婚、









いい男から先に売れていくってのはホントだ・・・










あの後、
彼をしのぐ男にはついに出会わず、









若い時に、
あまりにもいい男を知ってしまうと、
その後の人生、
そこそこのところで手を打つっていうのができなくなってしまう不幸を背負いこむことに・・・









・・・ということで、本日の結論 :






1 女からの電話一本で、
2 30分以内に現場に駆けつけ、
3 油まみれになることをいとわずクルマを直し、
4 着替えまで調達して、
5 帰りには泣いてる女をなだめるためにハーゲンダッツのアイスをおごってくれる男こそ、
男の中の男。







なぜ、
あの時、
彼の胸に飛び込んでいかなかったのか、
Victoria、
一生の不覚・・・








Victoriaでした。