中村淳彦「職業としてのAV女優」 (2) 太賀麻郎、AVの深い闇について語る
こんにちは、Victoriaです。
- 作者: 中村淳彦
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2012/05/30
- メディア: 新書
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さて、
「名前のない女たち」で知られる中村淳彦さまが、
AV女優という職業の入門書としてお書きになった本書、
「職業としてのAV女優」。
新書とは思えないくらいボリュームたっぷりで、
AVだから軽いノリでサクサク読めるだろう・・・と思うと、
ヤケドしそうな感じで、
「おわりに」は、
こんな文章で締めくくられている。
>>本書はAV女優でもしようかな?と思っている女性や、娘を持つ親たちに読んでほしい。
たとえアルバイト気分でも、職業は現実を知ってから選ぶべきである。<<
中村淳彦さま、
AV女優でもしようかな?って切羽詰っている女性は、
こんな難しい本を読まない気がするんですけど・・・
この本を教科書にして、
大学で、
「AV女優にみる現代女性の承認欲求と格差社会の進行についての考察」
て感じのタイトルのゼミができるんじゃないか・・・っていうくらいの勢いで、
思いのほか、
読了するのに時間がかかったんだけども、
一か所、
とてもすらすらと内容が頭に入ってきた箇所があって、
太賀麻郎インタビュー。
Victoriaの日記でもおなじみの太賀麻郎さま、
さすが、
複雑にからみあった問題を、
瞬時に解きほぐし、
具体例を提示しつつ、
一般論に翻訳なさる手腕はお見事、
海千山千のAV業界に身をおいて、
全体像をクリアに把握なさり、
まるで業界の外から俯瞰なさったかのような冷静な眼で語ってくださる方は、
稀有な存在なので、
太賀麻郎さまがいらっしゃらなかったら、
ここまで、AV業界について理解できなかったにちがいないと思う・・・
太賀麻郎さま、
いつもありがとうございます。
・・・
さて、
それで、
太賀麻郎さまがお話になっているエピソードの中で、
もっとも印象的だったのは、
美人局事件。
AV業界では、
絡み(セックス)の回数単位でギャラ交渉が行われることが多く、
このあたりの細かい見積もり方法が情報公開されているのも、
本書の魅力の一つなんだけれども、
女優によって、
どこまでOKでどこからNGかっていうのも細かく決められていて、
たとえば、
疑似(本番なし)って制限されている女優と本番しちゃった場合は、
契約違反ってことで、
違約金を払わされるわけ。
どこからどこまでOKっていうすりあわせが最初の時点でしっかりできてないと、
いざ、行為を始めちゃったら、
流れでどんどんエスカレートしていっちゃうし、
やりながら、
ああ、そこはダメよ、とか、
指は第一関節までにしてよね、とか、
そんなことに神経使ってたら、
女優の気持ちが入らないだろうし・・・
それで、
太賀麻郎さまが被害にあった美人局なんだけども、
メーカー社長とプロダクションと監督がグルで、
疑似の現場で、
女優に無理やり挿れさせたらしい。
女優のほうは、
太賀麻郎さまのことを気に入っていて、
てゆーか、
たいていの女は太賀麻郎さまのことを気に入ると思うんだけど、
なんか雲行きがあやしいじゃんとか思いながら、
太賀麻郎さまが騎乗位で撮っていたら、
女の子が、
いやン、イイ〜とか言いながら、
挿れちゃった・・・
太賀麻郎さま、
文字通り、
ハメられた。
今、気づいたけど、
「ハメられた」
って言葉の起源は、
美人局だったのね・・・
勉強になったわ・・・
それで、
太賀麻郎さまは、
女優のほうが挿れてきたんだってもちろん抗弁なさるわけだけれども、
どっちから挿れたっていうんじゃなくて、
挿れたっていう事実が問題だとか、
水掛け論になって、
ホント、
こういう時、
次から次へと相手を論破するセリフを、
ペラペラとしゃべる男っているよね・・・
まず、
女にもてないけど・・・
それで、
男優のほうがサクッとゼニを払わないと、
次の段階は、
恐喝。
払え、
払わねえ、
の力相撲になったら、
もう、
あとは、
AVだろうが街金だろうがやることは同じ、
AVに特殊な点があるとすれば、
もともと違法ぎりぎりのところでAV業界っていうのはなりたっているわけだから、
関係者はほぼ全員、
スネに傷ありっていうか、
警察行ったらお互いにまずいっしょ、っていう暗黙の了解があるから、
結局、
ゼニのある方が、
泣く泣く払うしかないっていう・・・
最近では、
AV業界も普通の業界と同じように、
一般社会のビジネスのルールにのっとって仕事をするようになり、
それが、
普通の女の子が、
アルバイト感覚でAVに出てみようかっていう背中を後押しする手助けにもなってるわけなんだけど、
AVのまさに黎明期から、
業界のど真ん中、
裸一貫で勝負なさってきた太賀麻郎さま、
絡んだ女優の数も5000人とハンパないけど、
巻き込まれた問題も同じく、
ハンパなかったとお察しします・・・
どうして、
今まで、
ご無事で生きてこられたんですか・・・???
もちろん、
途中では、
バリ島トンずら事件とか、
いろいろくぐりぬけていらっしゃったわけだけど、
ちょっと、
健康上、
要注意な点をのぞけば、
昔の傷などを全く感じさせない、
さわやかな風が吹いているところが、
太賀麻郎さまの不思議なところ・・・
・・・ということで、本日の結論 :
やっぱり全精力をかたむけて交わってくれた男のことを後から悪く思う女はいないから、今までかかわったすべての女の霊が太賀麻郎さまを守ってくれていて、大難を小難に、小難を無難にしてきたんだと思うの・・・ホント、セックスの力って偉大・・・
Victoriaでした。
・・・
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