ライフネット生命の出口社長に歴史を学ぶ Part 4 (26) イスラムの英雄サラディン

こんにちは。Victoriaです。

2012年7月14日、京都大学百周年時計台記念館で開催された、
ライフネット生命保険の出口社長による「5000年史 Part4 11、12世紀の世界」の講義録、
今回は、「イスラムの英雄サラディン」。

1154年、
イギリスでプランタジネット朝が始まった年、
ヌール・アッディーンがダマスクスに入城した。
プランタジネット朝についてはこちら→ライフネット生命の出口社長に歴史を学ぶ Part 4 (25) 中世ヨーロッパ最強の女 エレアノール妃 - Victoriaの日記








ダマスクスは現在のシリアの首都、
オアシスに囲まれていて、
水資源が豊かなことと関係があると思うけど、
紀元前8千年から1万年前から人が定住しており、
人間が連続的に定住した世界で最も古い都市と言われる。







しかし、
地中海から約80キロという地理的条件を見ればわかるように、
古代から、
数々の王朝に征服され、
激しい戦闘が行われた土地で、






2012/08/20、シリアの北、アレッポで、
日本人ジャーナリストの山本美香さんが銃撃を受けて亡くなったけれども、
数え切れないほどの戦争の歴史を背負った国というのは、
きっと日本とは全然違うDNAを持っているんじゃないかと思う。









・・・


さて、
ヌール・アッディーンは、
セルジューク朝が内紛で分裂してできたザンギー朝の第2代君主、
ヌール・アッディーンという名前は「世界の光」を意味し、
十字軍と戦ったり、
エジプトのファーティマ朝と戦ったりして、
領土を広げている。







十字軍と戦った英雄として、
彼の部下、サラディンの方が有名だが、
その基盤を作ったのはヌール・アッディーン。








ヌール・アッディーンはザンギー朝のザンギー→ライフネット生命の出口社長に歴史を学ぶ Part 4 (22) ザンギー朝とムワッヒド朝 - Victoriaの日記











ザンギーとその息子、ヌール・アッディーンの生涯について調べていると、
とにかく領土を取った取られたの連続で、
昨日の敵は今日の味方って感じ、
一体、誰が味方で誰が敵なんだか、さっぱり把握できない・・・
妻や息子などの近親者も、
一歩間違えば寝首をかかれるキケンな存在で、








同じ時代の日本はどうだったかちょっと調べてみたら、







平清盛が実権掌握したのが1159年なので、
ま、同じようなものかな・・・







世界的に、12世紀の男の人の平均寿命って、
すごく短かったんじゃないかと思う、
病気しなくても戦争でバンバン死んだから・・・







・・・


ヌール・アッディーンは、
エジプトのファーティマ朝エルサレムの攻撃を受けて支援を求めてくると、
よっしゃ、この機会にカイロも子分にしてやろうぜ、と、
クルド人の家来、シール・クーフをカイロに送る。







シール・クーフ甥のサラディンもエジプト遠征に同行し、
勝利に貢献、







1169年、
シール・クーフが死ぬと、
宰相となり、
エジプトを完全支配、









この頃からボスのヌール・アッディーンの言うことを聞かなくなり、
完全自立、
ファーティマ朝は滅亡し、
サラディンアイユーブ朝を建国する。










ヌール・アッディーンはダマスクスに帰還しようとしないサラディンを許さず、
自らエジプト遠征を計画していたが、
1174年、熱病で死亡、
後を継いだのが幼い息子だったので、
サラディンはその機会を利用し、
逆にダマスクスに攻め入り、併合している。








1187年、
ヒッティーンの戦いで十字軍を壊滅させ、
エルサレムを奪還。







これが、
第3回十字軍結成のひきがねとなる。








サラディンは、
英雄によくあるように、
数々の伝説のある人物で、








少年を愛した❤








というのもその一つなんだけれども、







捕虜を殺さず命を助けたということで知られていて、







捕虜を皆殺しにした十字軍とはそこが違うところで、







基本的には捕虜は身代金と引き替えに逃がしていたが、
身代金を払えない捕虜も解放してやり、







敵の親玉、イングランドリチャード1世が病気の時には、
お見舞いの品を贈っている。







しかし、
そんなふうにして、
私財をどんどん分け与えていったので、









サラディンが死んだ時には、
遺産はゼロだったという。








このあたり、
ただ戦に強いだけの人なら他にもいっぱいいるし、
寛容な人も世の中いっぱいいるけど、
戦にも強く、太っ腹という両面を兼ね備えているからこそ、
伝説の人物としてたたえられたんだろうなあと思うと、
学ぶことは多い・・・








・・・ということで、本日の結論 :








ケンカに強くて向かうところ敵なしっていう男が、弱い者や自分と戦って負けた者に寛容なふるまいをするとみんなに愛されるのね・・・それに、遺産を残さず、みんなきれいに使って死んだってところもステキ・・・サラディンって、男の中の男かも・・・???









Victoriaでした。



・・・
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