永遠の愛を求めて (2) 仔犬系男子

こんにちは。Victoriaです。

さて、
先日、
谷崎松子さまのご本を読んだので、

倚松庵の夢 (中公文庫)

倚松庵の夢 (中公文庫)

そのつながりで、
谷崎潤一郎さまを読んでみた。
鍵・瘋癲老人日記 (新潮文庫)

鍵・瘋癲老人日記 (新潮文庫)

「鍵・瘋癲老人日記」。








「瘋癲」の言葉の意味がよくわからなかったので、
ググってみたところ、
「フーテン」ってことらしい。
つまり、
何もせずぶらぶらしている老人の日記ってこと?









それで、
これはいつものようにamazonで注文したので、
届いて初めてページを開いてみたんだけど、
今年一番といっていいくらい仰天した。









なにこれ、
カタカナ+漢字交じりで書いてあるよ、
読めない!読みたくない!!!!!











いやもう、
心底びっくりした。









まるで、
漢文の書き下し文じゃないか、
勘弁してよ・・・










やはり、
私に、
文豪の作品を読む資格はないのかもしれない・・・











本書には、
「鍵」と「瘋癲老人日記」の2編がおさめられていて、
「瘋癲老人日記」のほうは100%カタカナ+漢字なんだけど、
「鍵」のほうは、
夫婦の日記の抜粋というかたちをとっていて、
夫の日記がカタカナ、
妻の日記がひらがななので、
まだましかな、と思い、
勇気をふるって読み始めたんだけど、










カタカナ読むと、
頭の中ですべてが棒読みになるので、
理解度が5割減くらいになる感じで、
正直、きつかった・・・









ただ、
予想外におもしろく、
読み出すと止まらなくなり、
一気に読了。










これはエロいわ・・・










発表されたのは昭和31年とのこと、
新潮文庫は昭和43年初版で、
なんと、51刷まで重ねていて、












いくら文豪谷崎潤一郎が書いたとはいえ、
ずっと読み継がれてきたのには理由があるはずなんだけど、
読んでみてよくわかった。










これは、
マジでエロい。











チョーヤバイっす・・・






・・・



簡単にあらすじをまとめると、
56歳の大学教授の夫と、
45歳の妻が、
それぞれ相手にはないしょで日記をつけ始め、
そこには、
相手に対して自分が抱く性的妄想が、
実になまなましく描写されていて、












それで、
話をややこしくしているのが、
お互い、
相手が自分の留守中に自分の日記を盗み読みしていることは周知の上で、
わざと相手を攪乱するために、
ウソの事実を書いてみたりとか、











そうこうするうちに、
現実が日記の内容に追いついてきて、
最後はしっちゃかめっちゃかになるっていう、
結末からいえば、
悲劇の物語。












夫は、
かなり前から、
勃たなくなっていて、










それなら、
セックスレスでいーじゃん!とはいかず、










というのは、
お上品で鉄の貞操観念をお持ちの妻というのが、
実は淫乱で、











毎夜、
妻の要求に応じるのが、
精神的にも肉体的にもつらくなってきていた時、












木村という、
同僚の大学教授が、
夫婦の娘とつきあい始め、
どうやらこの男が、
娘よりもその母親(つまり妻)にご執心らしいということに気づいた夫は、
一計を案じ、
木村に妻の裸体を激写した写真をわざと見せたりなんかして、
挑発する。











どうしても勃たなくて困っていたところに、
木村という邪魔者が登場したことで、
嫉妬の火がつき、
逆に夫としての役割を全うできることに気づいた夫、











木村にわざと妻を連れ出すように、
そそのかしたりなんかしている。










それで、
ここが最後までよくわかんなかったんだけれども、
木村とつきあってるはずの娘が、
母の気持ちに気づき、
二人の逢い引きを手助けし始める、











部屋を用意してあげたりとかして。










別に、
母とすごく仲良しって感じでもないし、
なんていうんだろ?
母と木村の濡れ場を、
こっそりのぞき見して楽しむっていう、
倒錯した趣味の持ち主なのか、








ここらへん、
たぶん文豪谷崎潤一郎に、
本当の意味での女ゴコロなんて、
わかっちゃいなかったんだろうと思わせる雑な部分なんだけど、











それで、
木村のほうはもともと妻にご執心だったわけだし、
妻は妻で夫の残念な夜の営みに欲求不満がたまっていたので、
最初のうちこそ、こそこそ会っていたんだけれども、











結局、
どっぷりと肉欲の世界にはまってしまい、
夫に隠そうという努力すらしなくなる。











日記にモロに描写するようになるってことなんだけど、











驚いたのが、











木村さんとはナニしてるけれども最後の一線はまだ超えていません。











って妻が書いてるんだけど、
その根拠が、











正常位で交わってないから。












正常位でヤッてなければヤッてないのと同じなのか???











参りました!
さすが、谷崎潤一郎さま、
浮気の定義がハードル高い(低い?)!











・・・



最後の方は、
毎日、昼間、妻はいそいそと出かけて行って、
夫とはしたことのないようなプレイを木村相手に楽しみ、
ぐっしょり濡れて帰って来て、









夜は夜で、
夫と一線交える。










それも、
昼間、木村といっしょにやった新しい体位というのを、
夫相手に復習するというのが決まりで、










だから夫には、
日記を読まずとも、
木村といつ一線を越えたか、
どんなプレイをしているのかが、
すべてバレバレなわけ。











それで、
ある晩、
かつてないほど過激な体位でやってる最中、
もともと心臓が弱ってきていた夫が、
発作を起こしてしまう。










その場で即死はしなかったので、
厳密な意味では腹上死ではないかもしれないけど、
そのまま回復することなく、
ほどなくして亡くなってしまったので、










妻とのプレイに、
精魂使い果たして命が絶えたといってよい。











恐ろしいのは、
夫の死後、
娘が木村と結婚することになり、
ただしそれはあくまで世間体を繕うためで、
木村と妻が心ゆくまで肉欲の世界にどっぷりつかるためだっていう・・・








・・・






この夫は足フェチで、
すごく足をなめたがってたのに、
妻がそんなはしたないことはダメですといって許してくれなかったので、
ブランデーで酔わせて気絶させ、
こうこうと電気をつけて、
気を失った妻の体をすみずみまでなめ回したとか、









これがエロ小説なら、
単なる足フェチの話で終わりなんだけれど、











でもこれは、

文豪が書いた「芸術作品」なわけで、











一体、何が言いたいのか?









夫婦がお互いに黙って日記を書いてるっていうのは、
これはよくわかる。










いわば、
相手に黙ってブログであれこれ暴露するようなもので、
書いてること自体は公然の秘密なんだけど、
誰かに読まれてることを意識して書くからこそ、
書くこと自体がみそぎみたいになる感覚っていうのは、
私も日々Victoriaの日記を書いてて感じることだから、
そこのところは何の疑問もないんだけれども、










この夫婦の営みは、
一種の、永遠の愛なんだろうか?っていうのが悩むところで、










純粋に愛し合っていないことは確かで、
だって、妻は夫のことを、
セックスが下手だといって心底バカにしているし、
夫も、
そのほうが燃えるからという理由で、
わざわざ妻を木村に差し出したようなものだし。









だけど、
動物として、
死ぬ間際まで求め合ったことは事実で、
最後の最後までむさぼりあって、
その最中に死んじゃったわけだから、
これで愛は永遠になったっていっていいのか?









・・・ということで、本日の結論 :








ナニの最中に男を腹上死させてしまった女は、
永遠の愛を手にしたと言って、
そのことを誇っていいのでしょうか・・・???












う〜ん、
わからん・・・









ので、
この件、保留。
後日、
結論出したいと思います。










・・・

それで、
もやもやした気持ちのまま、
ネットサーフィンしていたら、
これを見つけてしまって→http://hijikisokuhou.doorblog.jp/archives/6689720.html













「年下男に求愛され続けていた話」。












書いてるのは24歳女子なんだけど、
出会った時、
彼女中2、彼氏小5で、












なが〜い途中経過は、
読んでいただければわかるんだけれども、












お互い、
他の人とつきあったりした時期もあるんだけれども、
最後は、
この人しかいない、
だって、
自分の人生そのものだから、
そう言って(言ったのは3歳年下の彼氏のほう)、
今はいっしょに暮らしてるっていう話。











ただ、
この24歳女子がこのスレ立てたのは、
彼氏に浮気疑惑が浮上したからで、











てのは、
彼のほうから、
浮気しちゃいましたってゲロったからなんだけど、











お仕置きとして、
一週間セックスお預け!
ということになり、
禁欲期間中に、
二人の出会いの初めから、

いろいろ思い出してるうちに、
誰かに聞いてほしくて、
2ちゃんに書いたっていう・・・











彼氏がけんごっていうんだけど、













けんごがすごく健気で、
まさに、










犬。









彼女のことが、
ほんとに好きなんだなあ・・・っていうのが、
にじみ出てて、










自分の方が年上だからって、
負い目を感じてる彼女に、
全身で思いをぶつけるところとか、
涙しちゃうんだけど、








もちろん、
お互い若いから、
先のことはまだまだわからないけれども、










永遠の愛をみせつけられちゃったなあ・・・って感じ・・・










・・・ということで、本日の結論 :










仔犬系男子は、永遠の愛を知っている。











Victoriaでした。