ライフネット生命の出口社長に歴史を学ぶ Part 5 (18) ルイ9世の十字軍遠征と結婚力

こんにちは。Victoriaです。

2012/12/02 京都大学百周年時計台記念館で開催された、
ライフネット生命保険の出口社長に歴史を学ぶ 13世紀の世界」講義録のまとめ、
今回は「ルイ9世の十字軍遠征と結婚力」。





1248年、
フランス王ルイ9世主導で、
第6回十字軍遠征が始まる。






(十字軍は計7回あったが、8回と数える説もあり、その場合は、第7回十字軍とされている。ややこしいね〜)







第5回十字軍で、
皇帝フェデリーコ2世は、
戦わずしてエルサレムを回復、
10年の休戦を約束したことはすでに見たとおり→ライフネット生命の出口社長に歴史を学ぶ Part 5 (14) 第5回十字軍 フェデリーコ2世とアル・カーミルの友情 (フェデリーコ2世について簡単に知りたい方必読。これさえ読めば一発でわかるよ♪) - Victoriaの日記








この休戦は、
アラビア語のできるフェデリーコ2世が、
イスラム文化に興味を示し、
同じく学問好きだったアイユーブ朝スルタンのアル・カーミルと意気投合、
手紙のやりとりをする仲だったからこそ実現したんだけど、









実は、それぞれ、
ほかに戦争をしているところで、
十字軍どころではないという事情があった。









フェデリーコ2世は教皇派との戦いに明け暮れていたし、
父の死により即位したばかりのアル・カーミルもまた、
国内で勃発した内紛の対応に追われており、
お金もマンパワーもとても十字軍に投じる余裕はないという点では同じ、











たとえ二人がいいお友達関係でなかったとしても、
休戦を結ぶことはきわめて現実的で賢明な選択だったといえる。










が、しかし、










時の経つのは速し、










1239年、
休戦期限が切れると同時に、
エルサレムで反乱勃発、
イスラム教徒が聖地占拠、
キリスト教徒は殺害される。










間の悪いことに、
10年の期限の切れる前年、1238年にアル・カーミルが死去、
エルサレムを奪還したくてうずうずしている兵士たちを止める者は、
もう誰もいなかったということだ。









しかし、
キリスト教徒も、
黙っているわけにはいかない。








もう1回、十字軍派遣して聖地を取り戻そうぜ!









という声がわき起こり、
いざ、参加者を募ってみたところ、










皇帝フェデリーコ2世 :「オレ?ダメダメ、ローマ教皇インノケンティウス4世とケンカ中で忙しいんだ」
イングランド王ヘンリー3世:「オレ?いやあ、勘弁してよ、今、バロン戦争中で、諸侯が暴れてるからイングランド離れるわけにいかないんだよね」








結局、
乗り気だったのは、
フランス王ルイ9世のみ。







ルイ9世は、
十字軍と聞いても全くテンションの上がらないヨーロッパの王様たちの中で、
一人やる気満々、
国内には反対する声もあったが、
たった2万の兵をひきつれ、
まずはエジプトを攻めろと海路カイロへ向かうが、








敗北して全員捕虜になり、
莫大な身代金を支払ってようやく解放される。










病気が蔓延してたくさんの兵士が死亡し、
占領地もすべてイスラム側に取られて踏んだり蹴ったり・・・










ルイ9世自身は、
勇気もあり一人の騎士としてはすぐれた人物だったが、
将軍として軍を指揮し、勝利へ導く戦略には欠けていた。








それなのに、なぜ、
やる気満々で聖地奪還へと突き進んでいったかというと、









敬虔なキリスト教徒のルイ9世にとって、
エルサレムを回復することは悲願。









死ぬ間際に言った言葉も、
エルサレム」だったと伝えられるほど、
信仰にあつく、









敵も味方も、
口をそろえて、
「高潔で敬虔な方だったことはまちがいない」
と言ったと伝えられる筋金入りのキリスト教徒で、









国中に救貧院を作り、
貧しい人々に自ら食べ物をあげたり、足を洗ってあげたりしたという。








死後、
カトリック教会より列聖され、
聖ルイと呼ばれるようになった。









ちなみに、アメリカの都市セントルイスは、
彼の名から来ている。









・・・


と、ここまでが出口社長の講義の内容で、
ここからは、余談なんだけれども、











キリスト教徒の鏡と言われたルイ9世、
だけど、
フランス人でしょ?
恋愛関係はどうだったのかしらと、
調べてみたところ、










ルイ9世は「プロヴァンス四姉妹」の一人、マルグリットと結婚、
6男5女をもうけている。









ルイ9世には、
ブランシュという凄腕の母がおり、










この母は、
わずか12歳で戴冠したルイに代わって、
アルビジュア十字軍を率いた猛者で、
(南フランスの異端カタリ派をやっつけに行ったアルビジュア十字軍についてはぜひこちらをご覧ください→ライフネット生命の出口社長に歴史を学ぶ Part 5 (6) アルビジョワ十字軍 - Victoriaの日記









強いお姑さんにはありがちなことだが、
息子がヨメとイチャイチャするのを嫌がったので、










ルイ9世は、
自分の家の中でヨメとイチャイチャする時には、
わざわざ裏階段で逢い引きし、
召使いを監視役に立てておいて、
母親が自分の部屋にやってくる時には、
急いで服を着て(とはどこにも書いてないけど、ゼッタイそうに違いないと勝手に判断させていただきました♪)、
素知らぬ顔で母親に応対したという。









この時代の王様にありがちな、
愛人の存在も伝えられていないので、
正真正銘のよき夫であったようである。








政治家としての手腕もなかなかで、
「ヨーロッパの調停役」と呼ばれた。








皇帝フェデリーコ2世と教皇の間に立ったり、
バロン戦争で苦戦していたヘンリー3世とイングランド諸侯の間に入って、
ケンカをいさめるために奔走している。









なぜ、
こんな立派な人物が、
王家に生まれたのでしょう・・・???









ルイ9世のおじいさんは、
アルビジョワ十字軍を利用して、
フランスの王権を拡大したフィリップ2世。







フィリップ2世は最初の妻が死去した後、
再婚したが、
この妻が気に入らず、
離婚して3番目の妻をめとるんだけど、








ローマ教皇が、
「離婚はまかりならん!」
と言って認めてくれなかったため、
泣く泣く別れている。







離婚問題で揺れている最中、







「ったく、ローマ教皇はうるせーんだよ!
オレもイスラム教徒だったらよかった。
ローマ教皇のいないサラディンがうらやましいぜ」








そう語ったと言われていて、










そういえば、
皇帝フェデリーコ2世もモテモテだったから、









王様たちとローマ教皇の仲が悪い原因は、
案外、
こういうところ(=恋愛観の違い)にあるんではないか、と、
かんぐってみたりもするんだけど、








こういうお盛んなおじいさんを持つルイ9世が、
生涯妻一筋でラブラブだったっていうのは、
彼がよき夫だったのか、
はたまた、
妻がすばらしい魅力の持ち主だったのか・・・








そう思って、
今度は妻について調べを進めていくと、
驚きの事実が・・・







妻のマルグリッドは、
3人妹がいて、
プロヴァンス四姉妹」と呼ばれているんだけど、、








一番上のお姉さんであるマルグリッドはフランス王ルイ9世妃、
二番目はイングランド王ヘンリー3世妃、
三番目はドイツ王妃、
四番目はシチリア王妃、









というように、
姉妹全員が王妃になったという、
おそるべき一族で、










彼女たちの子どもたちも、
それぞれやんごとなきお家へ嫁いでいったり、
広大な領地を相続したりして、
親戚の輪がすごい勢いで広がっていく。








・・・ということで、本日の結論 :









<王家繁栄の秘訣>






1 ステキな王子様・お姫様を見つける(=恋愛力)
2 よき伴侶と結ばれたくさん子どもを産む(=結婚力)
3 子どもたちをよき伴侶と結婚させる(=婚活力)









やっぱりね・・・
キレイなコがいたらフラフラとなびいていっちゃうっていうのは、
男のサガかもしれないけど、
最終的には、
よき妻として家庭を守り、
いっぱい子どもを産んで育ててくれる女性がいないと、
まわりまわって自分も不幸になるっていうのは、
歴史が証明してると思うのね・・・









<男性のみなさまへ>








自分の子を産んで育ててくれる女性には感謝して、
たまには苦労をねぎらってあげてね♪









手始めに、
クリスマスには、
家事一切から解放してあげて、
ステキなディナーと前から欲しがってたジュエリーをプレゼントして、
お姫様だっこ(重くてダメ?)してあげたらどうかしら・・・???








Victoriaでした。



・・・


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