ライフネット生命の出口社長に歴史を学ぶ Part 5 (23) インドに奴隷王朝を開いたアイバク

こんにちは。Victoriaです。

2012/12/02 京都大学百周年時計台記念館で開催された、
ライフネット生命保険の出口社長に歴史を学ぶ 13世紀の世界」講義録のまとめ、
今回は、「インドに奴隷王朝を開いたアイバク」。








1215年、
ホラズム・シャー朝がゴール朝を滅ぼしたことは、
すでに見た通り→ライフネット生命の出口社長に歴史を学ぶ Part 5 (21) ホラズム・シャー朝 - Victoriaの日記








それで、
「ホラズム」とか「ゴール」とか言われても、
全くなじみがないので、
位置関係がよくわかんない。










なので、
世界史資料集で確認してみました。

山川世界史総合図録

山川世界史総合図録

p36に「12世紀末のイスラム世界」という地図がのっていたので、
ちょっと拝借。

この地図によると、
ゴール朝というのは、北インド
ホラズム朝は現在のイラン。









アイバクは、
奴隷の生まれで、
父母も生年もよくわかっていないが、









大変有能な人だったらしく、
奴隷身分ながら出世を遂げ、
1206年、
インドのゴール領の総督に任命される。











アイバクの運命が大転換を遂げたのは、
ここから。











なんと、
総督に任命されて2、3週間後に、
彼を任命した主君が暗殺され、
ゴール朝は一気に崩れてしまう。










タイミングがよすぎるけど、
誰が暗殺したのかしら???









調べてみたところ、
ゴール朝に敵対するシーア派の刺客にやられたとか・・・










それで、
ボスが暗殺されたのは3月だったんだけど、
6月にインドに史上初のイスラム王朝を開き、
スルタンとなった。









アイバク自身は、
スルタンになった直後、
1210年、
ポロ競技中に落馬して死亡、
息子が2代目に即位するが、
翌年死亡。









アイバク家はたった2代で終わり、
アイバクの娘婿が後を継ぎ、
1290年まで奴隷王朝は続く。











・・・



さて、
マムルークと呼ばれる奴隷については、
この講義でもたびたび出てきておりますが、
最初に登場したのはこちら→ライフネット生命の出口社長に歴史を学ぶ Part 3 (23) アッバース朝がバグダードからサーマッラーへ遷都した理由 - Victoriaの日記










奴隷と聞いてまっ先に頭に浮かぶ、
いわゆる「黒人奴隷」とはかなり意味合いが違って、









マムルークは、
奴隷というより、
解放奴隷といったほうがよく、








イスラム社会では、
奴隷を解放することは天国へいくために大変望ましい善行とされていたので、
奴隷の所有者たちは積極的に奴隷解放を行い、
解放された奴隷は、
自由人としての権利を保障されたらしい。








それで、
なぜアラブ人たちが積極的にトルコ人を奴隷として買ったかということなんだけど、









突厥の人たちがキルギスに追われて西へ西へと逃げていき、
その途上で2つの軍団に分かれ、
大きい方の軍団がウクライナからカザフスタンのあたりに流れ着いて、
キプチャクと呼ばれた。









彼らは大変戦争が得意であったので、
重宝され、
アラブ人が、






イスラムの王様の警護隊長にしてあげるから、
あなたの息子さんを奴隷として売ってください」







と、子どもたちを買い付けに来る。







マムルークとして買われれば、
子どものころからしっかり訓練を受けることができ、
エリート軍人として活躍できるので、
親も喜んで子どもを売りに出す。








お互いに、
持ちつ持たれつの関係だったといってよく、
そうやって、
地上最強の傭兵として、
マムルークは確固たる地位を築き、
しばらくは彼らの天下が続く。










マムルークが、
歴史の表舞台から姿を消すのは、
戦争に銃が用いられるようになってから。









馬に乗って弓矢を射るという戦争のスタイルが廃れると、
彼らの戦時における存在価値はなくなった。









でも、
9世紀から19世紀まで、
イスラム世界で活躍したんだから、
1000年くらいでしょ?











すごいよね、
そんなに長期間に渡って、
騎馬民族としての優秀なDNAが受け継がれたなんて・・・












Victoriaでした。



・・・


ライフネット生命の出口社長に歴史を学ぶ バックナンバーはこちら。
ライフネット生命の出口社長に歴史を学ぶ Part5 まとめ - Victoriaの日記







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