ライフネット生命の出口社長に歴史を学ぶ Part 5 (29) モンゴル帝国軍の強さの秘密 ウルス

こんにちは。Victoriaです。

2012/12/02 京都大学百周年時計台記念館で開催された、
ライフネット生命保険の出口社長に歴史を学ぶ 13世紀の世界」講義録のまとめ、
今回は「モンゴル帝国軍の強さの秘密 ウルス」。








1240年、
キエフ(現在のウクライナの首都)で、
キエフ公国とモンゴル軍の間で「キエフの戦い」があり、
モンゴル軍が勝利、
キエフは陥落してキエフ公国は消滅した。









戦いの前に5万人だったキエフの人口は、
2千人に激減、
以後、14世紀半ばまで、
キエフはモンゴルの属国となる。









この戦いで勝ったモンゴル軍は、
現地のトルコ人たちを部隊ごと吸収して西へと攻めて行った。









ここにモンゴル軍の強さの秘密がある。









モンゴル軍は、
軍の編成を十進法で考えており、










最少単位が10人の10人隊、
それが10個集まって100人隊を作り、
さらにそれが10個集まって1000人隊を作る。









最上級の1000人隊の隊長にはモンゴル人の腹心を入れ、
戦時にはモンゴル帝国軍の隊長となって戦った。









兵士たちは、
家族と馬を伴って移動し、
一人の乗り手に対して常に3〜4頭の元気な疲れていない馬がいたので、
当時としては世界最大級の機動力を持つ最強軍団を編成することができたというわけである。









チンギス・カンは、
1000人隊4個(つまり4000人)をひとつの単位として、
3人の息子たちそれぞれに与えてモンゴル高原の西を守らせ、
東の中国は3人の弟たちに4000人ずつ与えて守らせた。










というところを、
講義では出口社長板書なさったので、
それを再現してみました。

ちなみに、
キエフの戦いでキエフを陥落させたのは、
チンギス・カンの長男ジュチの息子(つまりチンギス・カンの孫)バトゥです。











チンギス・カンの考案した(遊牧民族の伝統をチンギス・カンが完成させたということだと思う)十進法の部隊編成は、
遠征の途上でどんどん敵の部隊を吸収し、
膨らんでいく大集団を統率するのに大変効果的で、
モンゴル民族からみれば異民族であったトルコ人(彼らは戦争がとてもうまい)の戦力を、
最大限に活用する天才的な手法だったといえ、









現代でいえば、
現地採用の社員をうまく活用し、
世界中に進出していくグローバル企業の戦略ようなものだろう。










チンギス・カンのもう一つの強みは、
商人の力をうまく活用したことで、










チンギス・カンは、
商人と仲良くなるのが得意で、
彼らの知恵を使って、
金儲けにも成功した。












お金ないと、
戦争に勝てないしね・・・










チンギス・カンは、
シルクロードの商人をスパイとしてうまく活用、










世界で初めてスパイを使った情報戦を制したのは、
チンギス・カンであるといってよい。











チンギス・カンは、
攻め落としたい国があったら、
まず商人を先遣隊として送り込み、











「これからモンゴル軍がやってくるけど、
彼らはとっても強いので、
逆らわず、言うこときいたほうがいいよ」












といううわさを説いて回らせる。










気の弱い民族なら、
それだけで準備OKなんだけど、











「モンゴル軍?
聞いたことねーよ、
デマじゃないの?」










などとうそぶく不届き者もいるので、
そういう場合は、
徹底的に皆殺しにし、
街全体を崩壊させる(キエフのように)。










すると、
それがまたうわさになって、










モンゴル軍に反抗すると街全体皆殺しにされるらしい











という伝説ができ、
以後、
反抗するものはいなくなる、
こういう仕組みである。








なお、
チンギス・カンが作った4000人の大部隊の単位を「ウルス」と言うが、
その言葉は、
モンゴル国モンゴル語による国名=モンゴル・ウルスとして残っている。










Victoriaでした。



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ライフネット生命の出口社長に歴史を学ぶ Part5 まとめ - Victoriaの日記










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