ライフネット生命の出口社長に歴史を学ぶ Part 5 (68) クビライのグローバリゼーションとは何だったのか

こんにちは。Victoriaです。

2012/12/02 京都大学百周年時計台記念館で開催された、
ライフネット生命保険の出口社長に歴史を学ぶ 13世紀の世界」講義録のまとめ、
今回は、「クビライのグローバリゼーションとは何だったのか」






1276年、
南宋接収を完了し、
中国本土はすべてモンゴル領となったわけだが、









ここで、
クビライの南宋作戦の方針を思い出してみてほしい→ライフネット生命の出口社長に歴史を学ぶ Part 5 (58) クビライの南宋作戦の方針 - Victoriaの日記









なるべく、
モンゴル騎兵を使わず、
南宋接収を進めた裏の意味というのは、










南宋をクビライの個人所有にするために決まってるじゃん!!!イエーイ!!!











つまり、
戦功を上げたものには、
ほうびとして領土を取らせる必要があるわけだけど、
モンゴルプロパーの戦士を関わらせないことで、
全部が全部、クビライのものになるという、
こういうからくりです。











クビライが戦争をシステム化したというのは、
こういうことだったんですね・・・












ということで、
1276年以降、
もと南宋の領土というのは、
クビライ個人所有ですから、











もともと軍事力でピカイチだったクビライさまが、
経済力もピカイチになって、
次にしたことは、












ユーラシア大交易圏の構築。










周辺地域に、
軍事侵攻するのではなく
経済・通商を基軸とする、
平和友好路線で進出。











1282年〜88年 ベトナム侵攻、
1287年 パガン朝滅ぼす
1292年 ジャワ遠征











これらはクビライによる海外派兵だと言われていて、
炎暑と疫病、
現地人の反抗によって失敗したといわれるが、










よくよく見てみると、
モンゴル軍に実戦する気はみられず、
もしも、
クビライが本気で軍事的に制圧しようとするなら、
もっと強力な軍を編成したはず、











おそらく、
クビライが南宋接収後に行った南方遠征は、










国家主導による海外通商振興策の一環。













中心となったのは、











ムスリム海洋企業家集団。











クビライの海外への販路拡大路線は功を奏し、
1287年、
24カ国が大元ウルスに使節団を送り、
入朝、











東南アジア全体で、
大元ウルスとの平和共存・経済友好が実現した。











ということで、
13世紀には、
クビライのグローバリゼーションが成功し、
中国からイラン・アラブ方面までの海上ルート全体が、
モンゴル政権の影響下に入り、









ユーラシアの東西が、
切れ目なく陸上・海上の両方で結ばれた。









日本はグローバリゼーションの波に乗り遅れていたのでしょうか?









答えはノー。











たしかに、
二度の蒙古襲来以来、
鎌倉幕府は来襲に備えて、
海岸の防備を強化し続けたわけで、
国家レベルでは緊張が続いた(日本側の独り相撲だったけど)が、














襲来以前も、
襲来の最中も、
日本の貿易船は中国大陸との間を往来し続け、











襲来後は、
大変な経済・文化交流の波が起こった。









政権レベルでは対立 but 民間レベルでは大交流。











鎌倉幕府が倒れて、
足利政権が成立すると、











尊氏も直義も、
日元貿易には積極的に動き、
日本も大元ウルスを中心とした「ユーラシア大交易圏」の一員になる。










・・・ということで、本日の結論 :








出口社長がいつも口をすっぱくしておっしゃってますが、
日本史は、
世界史の大きな枠組みの中で見ないと、
ホントのことはわからないというのは、
その通りだと思いました。










この講義録終わったら、
日本史のお勉強もしたい・・・











Victoriaでした。



杉山正明「クビライの挑戦」「モンゴル帝国の興亡 下」を参照しました。

モンゴル帝国の興亡〈下〉 (講談社現代新書)

モンゴル帝国の興亡〈下〉 (講談社現代新書)

・・・


ライフネット生命の出口社長に歴史を学ぶ バックナンバーはこちら。
ライフネット生命の出口社長に歴史を学ぶ Part5 まとめ - Victoriaの日記




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