ライフネット生命の出口社長に歴史を学ぶ Part 6 (10) モンゴルと禅の関係

こんにちは。Victoriaです。

2013/04/14(日)、京都大学百周年時計台記念館で開催された、
ライフネット生命の出口社長に歴史を学ぶ Part6 14世紀の世界」講義録のまとめ、
今回は「モンゴルと禅の関係」。



クビライが、
南宋を撤収した時、




一つの国がなくなってしまうので、




軍人や役人が大量に余るという問題に直面、




彼らの失業対策が、
クビライ政権にとって、
大きな課題となった。




そこで、
クビライが取った政策のひとつが、




元寇




これは、
失業した南宋の軍人対策で、



「お前ら、好きに日本に植民してええぞ」




という号令のもと、
大量の元軍人たちが、
船に乗り込んで、
日本をめざした。




結果的に、
嵐にあってしまって、
船が沈んでしまい、
日本に植民するはずの人間が、
大量に遭難してしまったんだけれども、




突き放した言い方をすれば、




クビライにとっては、
どうせ彼らはいらない人材だったので、




日本に植民しようが、
海に沈もうが、
あまり違いはなかった。




ここらへん、
Part5にくわしい→ライフネット生命の出口社長に歴史を学ぶ Part 5 (61) 1281年、弘安の役は日本への移民船団だった? - Victoriaの日記






それで、
失業した役人の方なんだけど、





役人というのは、
科挙の勉強をして試験を通ったインテリたちなので、
失業させたままにしておくと、
反抗分子になって、
あとあと面倒なので、
クビライが考え出したのは、






大出版事業。






本を作るっていうのは、
大変な労力を要するから、
元役人たちを忙しくさせておくのにもってこい、





ということで、
1313年頃、
空前の出版ブームがおこる。





例えば、
王禎(おうてい)「農書」。




これは、
農業の百科事典で、
さまざまな農法を紹介し、
農業の発展を目指したもの。





ちょうどこの頃、
政権が安定したので、
1314年、
科挙が復活、





南宋地域では、
モンゴルに制服されて以来、
30年余り行われていなかった試験が、
ようやく再開、
漢民族にとって、
昔ながらの出世コースが復活したことになる。






この頃、
中国で出版された本には、
大字本と小字本があって、





大字本というのは、
国の出先機関である図書館に納められたもの、





小字本というのは、
読んで字のごとく、
文庫本のようなもので、





普通の国民にも読めるようにと、
廉価版が作られた。





この頃の中国には、
日本からの僧侶の留学生がたくさんいたが、
彼らが持ち帰ったのが、
小字本である。





船に積み込んで日本まで帰るには、
大字本は、
重いし、
高いので、
小字本が重宝された。






彼らが持ち帰った小字本がもととなって、
鎌倉・室町時代の、
五山文化へとつながっていく。





つまり、
モンゴル文化のおかげで、
日本の禅が起こったといってよい。






Victoriaでした。