ライフネット生命の出口社長に歴史を学ぶ Part 6 (37) イングランド王 エドワード3世の野望

こんにちは。Victoriaです。

2013/04/14(日)、京都大学百周年時計台記念館で開催された、
ライフネット生命の出口社長に歴史を学ぶ Part6 14世紀の世界」講義録のまとめ、
今回は「イングランド王 エドワード3世の野望」。

さて、
フィリップ4世の美人の娘イザベルについては、
たっぷりご紹介したんだけれども、
ライフネット生命の出口社長に歴史を学ぶ Part6 (32) フィリップ4世の娘イザベルの、愛と憎しみのドラマ その1 - Victoriaの日記
ライフネット生命の出口社長に歴史を学ぶ Part6 (33) フィリップ4世の娘イザベルの、愛と憎しみのドラマ その2 - Victoriaの日記
ライフネット生命の出口社長に歴史を学ぶ Part 6 (34) フィリップ4世の娘イザベルの、愛と憎しみのドラマ その3 - Victoriaの日記
ライフネット生命の出口社長に歴史を学ぶ Part 6 (35) フィリップ4世の娘イザベルの、愛と憎しみのドラマ その4 - Victoriaの日記





今回は、
そのイザベルの息子、
エドワード3世のお話。






まずは、
家系図から。

フィリップ4世直系の息子たちは、
いずれも後継者たる男子を残すことができず、
まさかのカペー家断絶、






しかし、
イングランド王妃となったイザベルは、




両性愛者の夫とは、
新婚当初から夫婦仲は最悪だったにもかかわらず、





4人の子どもをもうけ、
いずれも成人、






長男のエドワード3世は、
ちゃ〜んとイングランド王になっております。






イザベル、
子育て成功!






どんだけ夫との仲が最悪でも、
子育てに成功した女は、
みんな勝ち組・・・






それで、
男の愛人がいた夫に対抗して、
自分も愛人つくったイザベルと、
息子エドワード3世の仲が、
これまた最悪だったことは、
前回書いた通り→ライフネット生命の出口社長に歴史を学ぶ Part 6 (35) フィリップ4世の娘イザベルの、愛と憎しみのドラマ その4 - Victoriaの日記








愛人と結託したイザベルが、
エドワード2世を廃位してしまって、






かわいそうなエドワード2世は、
ナゾの死をとげ、






父の後を継いで、
イングランド王になったエドワード3世は、
まだ15歳で、






当然、
母親イザベルと愛人のなすがまま・・・






ところが、
賢かったエドワード3世は、
ちょっと待て、と考えた。






フランスの今の王様は、
フリップ4世の弟の子どもじゃないか、






それだったら、
オレのが、
正統な跡継ぎじゃん、






だって、
おふくろはフィリップ4世の娘だぜ、






だったら、
オレは、
直系の孫、






カペー家断絶とか、
なめるなよ・・・







実は、
エドワード3世が、
フランス王の座にこだわったのには、
血筋の問題のほかに、
現世の利益がからんでいて、







フィリップ4世が、
フランドルに目をつけて、
戦争を仕掛けてきたという話は、
以前したんだけれども→ライフネット生命の出口社長に歴史を学ぶ Part 6 (21) ボニファティウス8世 VS フィリップ4世 - Victoriaの日記








実は、
イングランド王家というのは、
フランドルと深いむすびつきがあり、






フランドルというのは、
工業地帯で、
羊毛産業が盛んだったんだけれども、






タペストリーとか、
毛織物のもととなる羊は、
イングランドが輸出していた。






いわば、
フランドルは、
イングランドにとって金のなる木、
そこをみすみすフランスにとられるわけにはいかない。






当時、
イングランドの人口は、
フランスの約3分の1、
税収も3分の1で、





戦争するお金がない。





しかし、
捨てる神あれば拾う神あり、





当時、
お金を貸す相手をいなくて困っていたフィレンツェの銀行、
バルディ家とペルッツィ家が、
エドワード3世に融資、





ここにめでたく、
資金繰りのメドがついたエドワード3世は、
フランスに宣戦布告、






1337年、
百年戦争が始まった。






始まった時は、
まさか、
100年も続くとは思ってなかったんじゃないか、






ただ、
100年間、
ずーっと休みなく戦っていたわけではなく、
休戦期間もあり、





途中で、
王様の交代もあったりして、






結局、
王様のプライドに、
いろんな人の思惑が交錯して、






この戦争に勝てば官軍と、
軍資金を出す人間がいたから続いたということだろう。






ちなみに、
エドワード3世にお金を出したフィレンツェの銀行は、
いずれもフィレンツェの混乱の最中、
1344年ころに破産、






エドワード3世が踏み倒したからだと言われているが、
全額不履行にしたわけでもないらしく、
他の原因もあるようで、






・・・ということで、本日の結論 :






戦争の利権てのは、
もうけもでかいけど、
リスクもでかいから、
しょーがないわよね・・・







Victoriaでした。