ライフネット生命の出口社長に歴史を学ぶ Part 6 (40) 1348年 ガーター騎士団創設

こんにちは。Victoriaです。

2013/04/14(日)、京都大学百周年時計台記念館で開催された、
ライフネット生命の出口社長に歴史を学ぶ Part6 14世紀の世界」講義録のまとめ、
今回は「1348年 ガーター騎士団創設」。

1348年、
絶頂期を迎えたイングランドエドワード3世は、
アーサー王伝説に登場する「円卓の騎士」に憧れ、
ガーター騎士団を創設、





今に至るまで、
イギリスに数ある勲章の中で、
ガーター勲章は最高位のひとつ。





そんなありがたい勲章、
どんなのか見てみたいと思って、
探してきました。

ふむ、
こうやって見せられても、
イメージがわかない・・・





ので、
実際に装着なさっている画像をゲット。

これは、
ガーター騎士団の正装をなさったエリザベス女王






上記2枚の写真、
および、これからご紹介する写真は、
いずれもウィキペディア・コモンズから拝借しております。







それで、
「ガーター」という言葉の意味なんですが、






ご想像のとおり、
これです。

これはウェディング用。






女性が、
ストッキングのずれ止めに使うもの。






ガーター騎士団ができたころのガーターは、
このタイプで、






女性がもっと活発に動くようになってから発明されたのが、
これ。

イヤン、
マジでこれなの???






それで、
なぜ、
女性の下着の名前が、
騎士団の名前になったかってことですが、






エドワード3世が、
貴婦人とダンスしていたところ、
その貴婦人がどういうわけだか、
ガーターを落っことしたんだって!






それで、
現代でも、
それって結構、
赤面ものだと思うんだけど、






当時としては、
めちゃくちゃ恥ずかしいことだったらしく、
周囲の人たちが、






「ヤダー、あの子、ガーター落としちゃってるよ・・・」





と彼女を遠巻きにして、
ヒソヒソ話を始めたところ、






「他人を悪く言う者に災いあれ」






と言って、
落ちたガーターを拾い上げ、
自分の左足につけた。







それで、
王様の目の前でガーター落としたおっちょこちょいは、
この方、

ジョアン・オブ・ケント。
後に、
エドワード3世の長男、
エドワード黒太子のヨメになってます。







おもしろいエピソードだとは思うが、
だからといって、
「ガーター」という下着の名前を、
由緒正しき騎士団の名前につける意味がわかりません・・・






だいたい、
なぜ、
そんな大事な舞踏会の最中に、
靴下止めが落ちるのか?







わざと落としただろ???







ということで、
早速、
ジョアン・オブ・ケント様(1328年生〜1385年)の身元調査をしてきました。






おおっ!
やはり!
この方、
凄腕のおじさんキラーですね・・・







エドワード3世と踊ってた1348年当時、
彼女は、
別の男性と結婚してます。







しかも、
彼女、
1340年(12歳よ!12歳。まだ子どもじゃないか・・・)、
最初のダンナ(トマス・ホランド)と秘密婚(!)をしてて、






秘密なので、
当然、家族の反対にあい、






てゆーか、
反対されたから秘密にしてたんだろうが、





ソールズベリー伯とムリヤリ結婚させられている。






が、しかし、





1349年、
ローマ教皇クレメンス6世により、
ソールズベリー伯との結婚の無効、
トマス・ホランドとの結婚の有効が認められ、
晴れて入籍、






翌1350年に、
一人目の子どもが生まれ、
二人の間には計4人の子どもがいる。






それで、
いつエドワード黒太子が登場するかってことなんだけど、







1360年に、
トマス・ホランドが死去、
翌1361年に再婚、






二人の間には、
後にイングランド王になったリチャード2世を含め、
二人の男の子がいる。







つまり、
初恋の人と2度結婚し、
それ以外に、
二人の男と結婚、
生涯で、
4度結婚したわけだ・・・






そういう人が、
ガーター落としたわけです・・・





国王だって、
そんな女性のガーターなら、
喜んで拾うと思うわ・・・







それで、
肝心のガーター騎士団ですが、
(なんかもうどうでもよくなってきたぞ・・・)






手柄をたてた部下をほめるには、
古来、
3つの方法がありまして、





  1. 領土を与える
  2. お金を与える
  3. 勲章を与える




この中で一番お手軽なのが、
勲章、








どんどん自分のために戦ってもらうためには、
どんどん勲章出さなきゃ!







ということで、
新設されたということです。







そういえば、
安倍首相も、
国民栄誉賞だのなんだの、
いっぱい大盤振る舞いしてますね・・・








フランス相手に百年戦争始めちゃったエドワード3世も、
勲章はいくらあっても足りなかったはず、







アーサー王伝説の「円卓の騎士」に憧れていたエドワード3世、
武功をたてた部下を呼んでいっしょに食事する時には、
円卓をかこんだそうです。








こうすれば、
誰が上とか下とか、
気にしなくていいもんね・・・







今も、
ガーター騎士団は、
円卓会議してるんでしょうか・・・???







それで、
ガーター騎士団には、
どんな人がいるのか調べていたら、
興味深い事実発見。






イギリス人だけでなく、
外国人も叙勲されてるんだけど、








キリスト教国の君主に限られていて、







結構、
この原則は厳格に守られ、
この条件にあてはまらない人には、
別の勲章が与えられているんだけど、







唯一、
例外があって、






日本の天皇は、
キリスト教国であるにもかかわらず、
ガーター騎士団に叙されているそうです。







その根拠は、
どうやら、
1906年に結ばれた日英同盟にあるらしい・・・






・・・ということで、本日の結論 :




イギリスも日本も、
とてつもなく長いスパンで、
物事を考える国であった・・








Victoriaでした。