ライフネット生命の出口社長に歴史を学ぶ Part 6 (44) 大明暗黒政権 文化の抑圧と技術の低下はなぜ起きた?

こんにちは。Victoriaです。

2013/04/14(日)、京都大学百周年時計台記念館で開催された、
ライフネット生命の出口社長に歴史を学ぶ Part6 14世紀の世界」講義録のまとめ、
今回は「大明暗黒政権 文化の抑圧と技術の低下はなぜ起きた?」。

さて、
一般的に、
幼少期の体験が、
アイデンティティに多大な影響を及ぼすと信じられているため、
親は、
一生懸命に、
子どもにとってできうる限りベストな環境を準備してやろうと、
あれこれ苦労するわけで、






あまりにも、
大事大事に育てられ、
何の苦労もなくすくすく育ってしまうと、






世間知らず






のボンボン誕生、
あっという間に身代つぶしたりなんかして、
親心が裏目に出てしまうし、







だからといって、
子どもには、
思いっきり苦労させるがいいと、
世間の荒波に放り込んで、
揉まれまくってしまうと、
心に傷を負ってしまい、
一生、
トラウマに苦しむ例も多く、







結局、
子どもがまっすぐ育つも、
ひねくれて育つも、
神のみぞ知る・・・






あとは野となれ山となれ・・・







明建国者の朱元璋は、
まさに、
幼少期の極貧生活のトラウマが、
一生を決めてしまった典型で、







彼ひとりの人生ならば、
ドンマイなんだけど、
明という一国の命運がかかっていたので、






なんていうか、
歴史上の人物としてお目にかかる分にはいいんだけど、
同時代に生きていたくないタイプ、







てゆーか、
なんで、
たった一人の人間が、
こんなにたくさんの人間を、
自分が気に入らないからというだけの理由で、
ガンガン殺すことができたのか、








それは、
気持ちとして、







アイツ、殺してやる〜〜〜!!!






っていうのはあるとは思うんですけど、
実際それを実行するとなれば、







いくら彼が皇帝だったとはいえ、
どっかで、
抑止力ってものが、
働くと思うんですね、普通・・・







なぜ、
ここまで残酷なことができた人間が、
あの時代に生きてて、
暗殺もされず、
自然死できたのか、
大いに疑問です。







・・・

さて、
紅巾の乱で→ライフネット生命の出口社長に歴史を学ぶ Part 6 (18) 1351年 紅巾の乱 - Victoriaの日記
朱元璋は、
海運王、張子誠と戦ったので、
この戦いは、
いわば、







陸軍 VS 海軍。







見事、
陸軍が勝って、
朱元璋が天下をとると、
とたんに、
海軍に対して厳しくなり、
海禁令を発令、







モンゴル時代に、
世界中を海の道でつないで実現したグローバリゼーションは、
一気にしぼんでしまって、







自由貿易ができなくなった中国は、
あっという間に貧しい国に転落、







モンゴル時代の中国は、
盛んに貿易を行い、
ペルシアに陶磁器や絹を売り、
銀を循環させていたわけだけど、







それを、
朱元璋は、








中国人が、
一生懸命作った商品が、
外国へ流れて行って、
商売人だけがおいしい思いをするなんて、
けしからん!!!







という考えの持ち主で、







ただ、
農民に対しては、
ものすごく理解があって、
治水工事を行うなど、
常に心をくだいていたらしいけど、







とにかく、
インテリけしからん!
商人けしからん!
お金もうけするヤツけしからん!
の一点張りで、








なんと、
唐の時代からあった税関をつぶしてしまう。








で、
貿易はどうなったか?








答 : 勘合貿易のみ(=国家貿易です、これ)







勘合貿易というのは、
国が勘合を発行して、
この船は政府の認可を得た正式なヤツらだから、
安心して取引していいですよ、
という、
お墨付きを与えるわけだから、







宋の時代から貿易やっていた人たちや、
漁民らが、
一気に失業、







しょうがないので、
廃業するか、
海賊になるしかない、








ということで、
たくましき海の男たちは、
み〜んな、
海賊になる道を選び、









海上にオレたちの国をつくろうぜ!
ということで、
海上帝国ができあがっていくんだけど、









そういう非公式な裏取引を別にすると、
海上を行き来するのが、
み〜んな役人ばかりになってしまって、







市場経済のメカニズムから最も遠いと思われる人ばかりが貿易を仕切るようになって、
な〜んもいいこと、ないわな〜〜〜








モンゴル帝国が築き上げた、
鉄のグローバリゼーションはどこへやら、
中国には、
先祖返り的な、
自給自足の社会システムが現れ、
それがしばらく続く。








モンゴルの時代だって、

いい面、悪い面、
両方あったと思うし、
みんながみんな、
恩恵を受けたわけではないと思うけど、







全体的に、
カラっとしてて、
明るい感じがしたのに、







明になるやいなや、
こんなに何もかも、
暗くてどよ〜んとした感じになるって、
ホント、
すごい・・・







・・・ということで、本日の結論 :







明の時代、
文化の抑圧と技術の低下はなぜ起きたか?







答 : 貿易をぶっつぶしてデキる男をみんな殺してみんなで原始的な社会に帰ろう政策をとったものだから国が貧しくなり文化や技術の発達に使うお金がなかったから。








誰よりも、
貧乏のつらさを知ってたはずの朱元璋が、
貧乏の呪縛から逃れられなかったという、
哀しい結末なんだけれども、






朱元璋の政策そのものというより、
長年の戦乱で貨幣体系が疲弊していたため、
一時的に国力が低下していたのだという解釈もあるようで、






歴史って、
奥が深い・・・







Victoriaでした。



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5000年史 Part 6 まとめ - Victoriaの日記