ライフネット生命の出口社長に歴史を学ぶ 続編 (13) 紀元前後のキリスト教と仏教

こんにちは。Victoriaです。

2011年11月13日、キャンパスプラザ京都で行われたライフネット生命保険の出口社長の講義、
今回からAD元年〜500年の世界に突入。


AD元年〜500年の世界は、
現代の世界を動かしている知識の原型ができたという意味で、
大変重要。




トップバッターは、イエス

私たちが現在使っている西暦は、
エスの生誕年を0年としていると言われるが、
当時の暦がいい加減だったので、
本当の生誕年はBC3〜4年頃。


ということで、
暦がいい加減だったため、
逆に、キリスト教とは関係ないという理由で、
西暦が世界中に広まった。




歴史的な意義ということでいえば、
エスは、
ユダヤ教が発祥してから300年たち、
形式化していたので、
人民大衆の側にたってユダヤ教を刷新しようとした革命家だといえる。



彼は、ユダヤ教のお金持ちを批判したので、
エルサレムで処刑されてしまう。



何も書き物を残さなかったイエスにかわって、
彼の教えを書いたのが、パウロ



パウロは最初、イエスを迫害する側についていた。



しかし、目が見えなくなっていたパウロが、
光を見て馬から落ち、イエスの声を聞いて再び目が見えるようになったことをきっかけに、
回心する。
なお、「目からうろこがおちる」という言い回しは、
この時のエピソードから来ている。



パウロは熱心に布教活動し、
エスの教えを広めた。



だから、キリスト教パウロ教だと言ってもいいくらいである。



ユダヤ教セム族がうみだした特異な一神教で、
ヤハウェは嫉妬深く、残忍な神であったので、
ユダヤ人しか救われず、
自分に従わない人は殺してしまった。



パウロは、それを、
どんな人でも救われるという教えに変えた。



・・・

同じ頃、インドでは大乗仏教運動が起こった。



仏教が根本分裂をし、
貧民に支持された大衆部が敗れ、
富裕層の支持を受けた上座部が残ったことは以前に見たが、
ライフネット生命の出口社長に歴史を学ぶ 続編 (9) 仏教とジャイナ教のはじまり - Victoriaの日記

上座部インテリゲンチャが自分たちが救われるために作った宗教のようなもので、
このままでは、かつて、お金持ちのものであったバラモン教が大衆の支持を得られず、
仏教に負けてしまったのと同じ運命をたどってしまう。



その頃、ヒンズー教が、
神様を一人にして、シンプルにしようという運動を通して、
都市の市民の中で支持を得、勢力を拡大していた。



そこで、ヒンズー教の教えを仏教に取り込み、
観音様に頼めば全部救われるという教えが出てきた。



これが、大乗仏教運動である。



1世紀に、インドのパンジャブ地方で、
名もない若い過激派の僧たちが、
勝手に教典を作ってしまったので、
上座部は彼らのことを「大乗非仏教」と呼んで批判した。



しかし、結果的には、
このような経緯でたくさんのお経が作られ、
教典の数も増えたので、
仏教は活性化し、
やがて、中国、そして日本へと伝播することになる。



もともとの仏教から見れば、
日本に広まっている仏教は、
変容に継ぐ変容を重ねているので、
お釈迦様とは何の関係もない。




結論 : 時代とともに変容を続け、宗教は生き残っていく




Victoriaでした。

生命保険


・・・

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