ライフネット生命の出口社長に歴史を学ぶ Part 5 (53) なぜ塩はもうかったのか

こんにちは。Victoriaです。

2012/12/02 京都大学百周年時計台記念館で開催された、
ライフネット生命保険の出口社長に歴史を学ぶ 13世紀の世界」講義録のまとめ、
今回は、「なぜ塩はもうかったのか」








さて、
モンゴル帝国の税収の8割が、
「塩引」と呼ばれる塩の引換券の売り上げだったことは、
もうたっぷりと見たんだけど、











ここで、
疑問がひとつ、











なぜ塩はもうかったのか?












食べ物の保存に塩が非常に重要であることは周知として、
政府の専売にしてまで売るからには、
何かからくりがあるのでは・・・???










ということで、
調べてきました。











・・・


まず、
ライフネット生命の出口社長に歴史を学ぶ Part3」に話はさかのぼって、
これを思い出してみると→ライフネット生命の出口社長に歴史を学ぶ Part 3 (25) 国の専売品塩の値上げが発端だった黄巣の乱 - Victoriaの日記










中国というのは、
昔から、
塩をめぐって、
殺し合いしてますね・・・









唐が滅んだのは、
財政難のどさくさに、
政府が塩の値段を引き上げようとしたことに民衆が反発して、
黄巣の乱が勃発、
全国に反乱が飛び火して、
しっちゃかめっちゃかになったからというのが原因、










乱の発起人である黄巣という人は、
科挙に落ちて、
塩の密売をやっていた人で、











塩を安く、
もちろん闇で売りさばいていたんだけど、











塩のセールスルートを使い、
あっという間に民衆の賛同を得て、
唐を滅ぼすという、
離れ業をした人、










黄巣の乱は875年なんだけど、
モンゴル帝国に接収された時点の南宋でも、
やっぱり塩は政府の専売品だったのね・・・










たかが塩、
されど塩、
塩を制するものは国を制す・・・???











・・・


中国では、
官営の塩場(塩田方式の製塩場)で作られた塩を、
「行塩地(こうえんち)」という場所で売る仕組みになっており、
しかも、政府の認可を受けた業者のみが、
塩の引換証を持って行って受け取ることができた。










だいたい、
許認可事業というのは、
賄賂とかいろいろなコストがかさんで、
高くなりますね・・・









なので、
本来の塩生産コストよりも、
かなり割高で取引されていたようで、












中国では、
政府歳入の3〜4割が塩の専売収入だったのを、
クビライ政権は8割にまで引き上げてしまって、












もちろん、
「私塩」といって、
闇の塩を売りさばく者が後をたたないので、
取り締まりは厳重に行っている。












杉山正明氏によれば、
中華世界において、









政府と塩商人の関係 = 公権力と裏社会の関係 = 政府と秘密結社(現代のロシアがこれに近い)












ここらへんの話は、
遊牧民から見た世界史」に詳しい。











モンゴル帝国が「塩引」という形で、
塩の引換証を高額の有価証券に仕立て上げる下地は、
すでにできあがっていたわけで、










政府が裏書きしてるようなものだから、
たかが塩の引換証といえども、
立派な国際通貨として通用したということのようです。











ちなみに、
日本も1997年まで、
塩の専売制をとっていたけど、
あれはいつから始まったのか調べてみたら、










1905年、
日露戦争の戦費調達のために始まってます。
完全に販売が自由化されたのは2002年って、
いや、
そんな最近まで専売だったのか・・・









そういえば、
スーパーに、
いろんな銘柄の塩が並ぶようになったのって、
最近かもしれない・・・












う〜ん、
いろいろ勉強になったわ・・・









Victoriaでした。


・・・


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ライフネット生命の出口社長に歴史を学ぶ Part5 まとめ - Victoriaの日記







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