寛容な心

こんばんは。victoria007です。

新学期も始まり、生徒もようやく夏休み気分がぬけて落ち着いてきて・・・

いやいや、まだまだ夏休みは終わっておりません。

「おまえら、いったいいつになったら夏休みの宿題提出するんじゃあ!!!」

とキレる先生があちこちに・・・

今日もそのとばっちりを受けた生徒がグチをひとしきり。

どうやら、どんだけ先生がおどしても宿題を全く提出する気配のない強者がいるらしく・・・

<A高の国語の授業風景>
国語の先生はマチ子先生。小柄でスーツの似合うわりとかわいらしい先生だが、最近ヒステリー気味。

マチ子先生 : こないだの授業であれだけ言ったのに、いまだに宿題提出しないヤツがいる。
        名前読み上げるから、全員立ちなさいっ!
(ここで名前読み上げ。ほとんどさぼりの常習犯どもがどやどやと立つ)
マチ子先生 : この中で、宿題忘れましたっていう報告すらしてこないヤツが一人いた。
        コクボ、お前だ。
(コクボ、ふらふら〜と立つ)
マチ子先生 : コクボ、宿題の読書感想文はどうなった?
コクボ   : あ、まだ、本読んでません・・・
マチ子先生 : なにぃ?まだ読んでない?夏休み前に渡した課題図書のリストはどうした?
コクボ   : (消え入りそうな声で)
        あ、あの、プリント、なくしました・・・
マチ子先生 : なにぃ?なくした?なくしたってどういうこと?
        夏休みは40日もあったのに、なぜもっと早めに手をうたない?
コクボ   : ・・・
マチ子先生 : じゃあ、夏休みに一体何冊本読んだんだ?
コクボ   : あ、一冊も・・・
マチ子先生 : なにぃ?一冊も読んでない?お前、自分が何言ってるかわかってるのか?

このあと、マチ子先生のねちねちした嫌みがえんえんと授業終了のチャイムが鳴るまで続いたそうで・・・

マチ子先生 : コクボ、今日、集めた、読書感想文。クラス全員の分、あとで職員室に持って来なさい!

ついに、コクボを使いっ走りにするところでマチ子先生、手を打ったようです。

<続いて、化学の授業>
先生はオザキ先生。結構声が大きい男の先生。

オザキ先生 : さあ、じゃあこの問題の答えがどうなるかな?コクボ、お前答えてみろ。
コクボ   : ×××・・・(コクボ、答えるも声が小さすぎて聞き取れず・・・)
オザキ先生 : はあ〜っ?(思いっきり、聞き返す)
コクボ   : ・・・(しまった、間違った・・・と思って背中を丸めて立ちすくむコクボ)
オザキ先生 : いいから、もう一度言ってみろ?
コクボ   : ・・・(ますますうつむくコクボ)
オザキ先生 : 聞こえなかったから、もっと大きな声で言えって言ってるんだ?お前、おれの言ってる意味わかるか?
コクボ   : ・・・
オザキ先生 : (たまりかねて、教室の一番後ろのコクボの席の隣へどしどしと歩いていく)
        黙ってちゃわからないだろ?お前、おれの日本語わからんのか?もう一度言えって言ってるんだ!
コクボ   : ×××・・・(小声で答えるが、思いっきり外した模様)
オザキ先生 : (コクボの教科書を取り上げ、丸めてコクボの頭をばっこんばっこんにたたく)
        あのなあ、定期テストで30点とるような、お前に、正解なんか最初っから期待しとらんのじゃあ!間違った答えしか答えられんことは、わかっとるんじゃあ!おれは最初っから、それをわかっててお前を当てたんじゃあ!だから、最初っから素直に答えればいいんじゃあ!

ってな調子で、コクボに対するかる〜い体罰が続き、すっかりエネルギーを使い果たし、授業のペースを乱したオザキ先生。やっぱり授業にならず。

二限続きで、授業をサボタージュさせてしまったコクボ。
マチ子先生、オザキ先生、コクボの3人の中で、人間としてはあんたが一番上等だ。

「マチ子先生のだんなさんって、夫婦げんかで同じようにやられてるのかしらね」
と素朴な感想をつぶやいたところ、

「あ、マチ子先生、ちょっと前にだんなさんと離婚したって」

う〜ん、なるほど、やっぱりね。

夫婦関係も、師弟関係も、寛容な心が基本よね・・・

victoria007でした。