仕事も結婚も両方がんばれって言うけれど・・・

こんにちは。Victoriaです。

日経ビジネスオンラインに興味深いコラム発見。女性の悩みに答えられると思うな:日経ビジネスオンライン

遥洋子さんが、30代の女性読者からの悩み相談に答えています。

女性のみなさまなら、どなたでも共感できる悩みだと思いますので、ちょっとここでご紹介。


>> 恋人に「仕事がつらい」と相談すると、「やめたら?仕事」と言われました。そういう問題ではないと思うのだけれど、うまく表現できません。仕事も恋人も本当にこれでいいのか不安です。(30代女性) <<

うん・・・
女としては、
「私の人生設計の中にあなたは入れていいのかしら?入ってくれるのかしら?入ってくれるはずだと信じていいのかしら?」
という、壮大にして深淵なる問も含めた上で、でも、それを今ここでダイレクトに口にするとまだ機が熟していないチャンスが逃げていくような気がしてこわくて言えないので、そういうことを全部要約した形で、
「仕事がつらい」
って言ったはずなのね・・・

それなのに、返ってきた返事が、
「やめたら?仕事」
って、人ごとみたいなっていうか、ごく一般的な、別に恋人同士じゃない間柄でも言えるような返事しか返って来なかったら、それは、悩みは解決するどころか、かえって深くなるでしょう・・・

「私はこの男について行っていいのか?」
「この男は私のことを人生のパートナーとして見てくれているのか」
「今はそこまで深くは考えてくれてないかもしれないけど、この先、いっしょに過ごす年月が長くなれば、自然にそういうふうに考えてくれるようになるのだろうか」
「彼の気持ちが固まるまでじっと待つしかないとしても、それまで、今まで通り仕事を続けて行ったほうがいいのだろうか、でも、そうやっているうちに仕事が大変になってきたらやめづらくなるし、やっぱり、仕事はほどほどにセーブして彼を支えて行けるようにしていったほうがいいのだろうか」
・・・

女って現実的だから、
「この人が好き!」
っていうラブラブの時期が過ぎるとすぐにそうやって将来のことを考え始める。

特に20代から30代に入ろうとする時って、これから先は大きな失敗は許されないっていう気持ちになるものだし。

選択肢としては、
1 基本的に独身で仕事に専念していくという前提で、仕事中心の環境づくりを考えていく
2 今のカレと結婚するという前提で、まずは二人の関係を安定させるということを第一に考えて仕事を選んでいく
3 結婚は絶対にしたいけど、たぶん、今のカレとはないので、誰かほかの人とビビッときたらいつでもできるように(つまり今のカレと別れたり仕事を辞めたりできるように)心構えをしておく
っていう三つがある。

1の場合は、一生続けられる仕事を真剣に探すってことね。
だから、ある程度収入も確保しなくちゃいけないし、年齢とともに少しずつステップアップしていける仕事っていうのを探さなくちゃいけない。

会計事務所に勤めていて、このままでもいいと思ってたけど、でも一生続けるんだったら、やっぱり税理士資格をとっていきたいって思って、税理士試験をがんばるっていう人は、このパターンだと思う。

2の場合は、1よりある意味難しいわね。
何しろ、自分一人の意志ですべてを決められるわけじゃないから、男の気持ちっていうものがあるし、今は結婚しようって言ってくれてても、いつそれが変わるかわからないし、それはまた、自分の気持ちにしてもそうだと思う。
だいたい、今現在、こんだけ不安になってて、その不安を取り除いてくれようとしない男との将来ってあるのか?っていう話よね。
それに、結婚っていう話題を持ち出すと、たいていの男って、ほとんど本能的に逃げ腰になるじゃない?
あからさまにその話題になると話をそらしたりとか・・・

ってことで、あとは3の可能性にかけるしかないわけだけど、20代の女としては一番若くてきれいな時に王子様に巡り会えなかったってことは、30代になったら、確実にその可能性はさらに低くなるわけでしょ?

あ〜あ、こんなことなら、学生のころにつき合ってたあの彼とさっさと結婚しちゃえばよかったなあ・・・
と思ってみても後の祭り・・・
できちゃった婚で、さっさと家庭に入っちゃった友達なんかが、最初のころは独身の人って自由でいいねえ、なんて言ってくれてたのに、子供ができて母親になると、明らかに独身女とはつき合わないようになっちゃうし・・・

女って、子供ができると、すべてが子供中心に回るから、いちいち独身女のぜいたくな悩みなんかにつきあってるヒマはないのよね・・・

うん・・・
それもこれも、煮え切らない男としかつき合えない自分が悪いんだけど、かといって、スパッと別れて一人になるのも不安だし・・・
だって、すぐに次の彼が見つかる保証はないでしょ?

だから、現実的な答としては、結婚っていうのは、縁のものだし、相手があるし、計画してできる事ではないから、今プロポーズされてるの・・・ていうラッキーな人以外は、あんまり結婚を当てにしないで、人生設計たてたほうが、あとあと後悔しないんじゃないかな?

30代って、仕事をずっと続けていくんだったら、結構、大事な時期だと思うのよ。
体力もあるし、20代のころよりは経験も積んで、周りを見ながら働けるようになる時期だからね。
それに、もしも新しいことを始めたければ、まだ十分間に合う時期でもある。
税理士試験は5科目合格するのに7〜8年かかるのが常識みたいだけど、30代なら、8年かかったとしても、まだ40歳だものね。

ビビッとくる出会いは、これはもう運にまかせるしかない。
だけど、悶々としてて、自分で自分のことがよくわからない不安な時期って、あんまり他人と健全な関係を築けない気がする。
好きな人ができたら、全面的にその人に頼っちゃって、その人次第で気分の浮き沈みが激しくなっちゃったりとか・・・
特に精神的な面で、「キミに足りないところはここだよ」みたいなことを言ってくれる人ってなかなかいないから、ちょっと宗教みたいな感じで頼り切っちゃうと危ない面もあったりする。

そういえば、2月25日付の朝日新聞「リレーオピニオン 敗れざる40代女子」に、佳つ乃さんのインタビュー記事がのっていました。

アラフォーながらきれいでがんばってる女性にインタビューしてる連載なんだけど、佳つ乃さんは、アラフォーってあんまり意識したことはないって。
「花柳の世界では、70になっても80になってもいつまでもおねえさんどす」
「年齢にあわせて何をしよう、こうあろうとか考えたことはおへんどした」
「世の中がよくても悪くても楽しむ時は楽しんで、今を大事に過ごしてます」
「40代女性は、仕事も消費も恋にも積極的と言われてますが、私は年齢で恋をしようと思ってません。いくつになっても、その時その時で、価値観の合ういい人が現れたとき、私は恋をするでしょうね」
「私は、女性として意識をして生きているのではおへんのどす。ただ、今していることが好きで、自分に合ったことをしているだけどす」
・・・
うん・・・
佳つ乃さんは、歳を重ねてますますおきれいになって、すごく色気もある方なんだけど、おっしゃることは大変に男前。
舞妓になった時がバブルの時だったから、羽振りのいい男達が人生の絶頂期から奈落の底に突き落とされるのを間近で見てきただろうから、人生に対する肝っ玉の据わり方が違うんだろうね。

・・・
ということで、もしもVictoriaがこの質問者の方にお答えするのなら、こう答えます。
「たぶん、今のカレはあなたにとって100%運命の人ではないけれど、それでも彼のことが好きでいっしょにいたいのならば、気長に待った方がよい。
どんな相手でも、いてくれたほうが、ひとりぽっちの人生よりはずっと楽しいものだから。
だけど、恋愛と仕事は別。
現金収入がなくなったら、何もかも男のいいなりにならざるを得ず、そうなると、よっぽどできた男が相手じゃない限り不幸になるから、絶対に仕事はやめちゃだめ。
今の会社がどうしても合わないなら転職すればいい」

それで、遥洋子さんのお答えですが・・・

>>30代前後の集まるパーティに参加すると、今時の男女の思考と出会えて面白い。ある女性が私に近づき、最初ははしゃぐだけだったが、少し経つと真面目な表情で私に話しかけた。

 「私、実はもう29歳なんです。30歳になろうかというのにいまだ仕事をどうするのか、結婚はできるのか、回りを見たら同世代はちゃっちゃと子供を産んでいるのに、自分はというとその覚悟もないし、なにひとつ決断できないままこの年になってしまって。これから先を思うと、不安で不安でたまらないんです。私はいったい今、何を頑張ればいいんでしょう」

 私にはその女性の気持ちが痛いほど理解できた。この仕事に人生を賭ける、と言い切れるほどの仕事でもない。この男と連れ添う、と思おうにも相手の気持ちがイマイチ掴みきれない。宙ぶらりんの自分に子供を想像してみたところで現実味もない。こんな中途半端な気持ちでこれからも年だけとって、その先にどんな明るい人生が期待できるのか、という不安。自分だけが落ちこぼれていくのでは、という不安。

 この、少なくない女性たちが共感できるであろう不安を、よりいっそう、女だけの不安として孤立させる男の言葉があった。

 その女性の話を聞いていた同席する30代男性が助言した。

 「仕事も結婚も、両方がんばれば?」と微笑みながら。

 男女間の埋めようもない深い溝は、この言葉にあらわれていると言っても過言ではない。

 遠い昔に味わった絶望を、私はこの男性の言葉でノスタルジックに思い出したのだった。

 頑張れば理想の仕事も結婚も手に入ると思う男性の、この単純さ、能天気さ、ご気楽さ、他人事さ。

 一方、頑張った結果、手ごたえもないまま時だけが過ぎていく現実にあえぐ女性の、空虚さ、無力さ、焦り、不安。

 この温度差は埋めようもなく、会話すら成立しない文化の差となって同じテーブルを分断した。女性は男性の助言を、まるでなかったかのように“無視”し、私に話を続けた。

 「今お付き合いしている男性とも、結婚に至るかどうかわからないんです。結婚に向けて頑張るべきなんですか?」

 パーティの喧噪の中、女性はこの機会を逃してなるものかとばかり私に問うた。その表情は真剣だった。私は現実的な助言をすることにした。

 「まず」

 女性は身を乗り出した。
「その男性に愛されているのかどうか不安なのね。でも、もし愛されているのなら、過去にうっとうしいくらい愛を感じた経験って、ない? ああうざいって経験。」

 「・・・あります」

 「なら、今、愛されているかどうか分からない、というのなら、将来どっちに転ぶか分からない関係性だということにすでに気づいているということじゃない? だから、どっちに転んでもいいように気構えだけはしっかり持っておくこと」

 「わかりました」

 「そして、今はまだ仕事をして間がないけど、10年仕事を続けたら、不安だ不安だと思っていても、それでもなんとか10年は生きてこれたという実績が、 10年分の安心になる。なんとかやってこれたのだから、これからもたぶんなんとかなるわ、という安心感は、働く歳月がくれるわ」

 「なるほど」

 「そして、その間にご縁があれば結婚すればいいし、出産もすればいい。でももしご縁がなければ、35歳頃から、シングルマザーになるほど自分が子供がほしいかどうかを、自分に問うことね。今はまだ同世代が可愛い可愛いと子育てしているから羨ましい光景だろうけど、その後の子育ての厳しい現実を見て、それでもほしいと思えば、30代後半は出産年齢ギリギリとして排卵日に精子をくれる男友達を持っておくこと。もう恋人なんて言っている時間がない。それは30 代前半の準備ね」

 その私の助言は、男女で真逆の反応を呼んだ。男性は「そんなバカな」とのけぞり、女性はさっきまでの深刻な顔がパッと明るくなり、「遙さんの講演会ないですか!?」とにじり寄った。

 「がんばれば?」という精神論の男性と、「30代前半にやっておくこと、後半にやるべきこと、その気構えと自分を探る作業が必至」という現実主義の私。

 不安には、現実的対処法が、その処方箋自体の是非は置いておいて、最も気持ちを落ち着かせてくれる。それは私も過去、そういう不安を抱える新人だったから分かる。

 そして、その不安は男性には届きにくく、私の経験ではおずおずと訴えてみたところで、トンチンカンな返答を上から目線でされるのがオチだった。

 まさしく「仕事も結婚も両方がんばれば?」と、余裕の微笑みで相手を諭すように語る30代男性に、私は、私の20代の頃に出会った絶望にフラッシュバックし、それから時代が変遷してもなお変わらない男女の溝に、改めてため息をついた。

 一部の男性を除き、他の大勢の男性はまず、女性の悩みに返答しようとしないことだ。返答出来るとも思わないことだ。せめて質問くらいか。「何がそれほど不安か」「どんな時に不安か」「どうすれば安心か」「一番の不安は何か」etc・・・。

 その女性の悩みに向き合うつもりなら、まず、回答ではなく質問だろう。

 「仕事がつらい」「やめたら?仕事」の間に流れる溝にまず気づこう。あなたにとってその仕事のどこがどうつらいのか、そこに興味を持てない男性との未来を、私なんかはまず心配したい。 <<

うん・・・
遥洋子さんも、遠回しに、
「その男は脈がないからやめとけ」
って言ってますね・・・

ということで、本日の教訓 :
「仕事がつらい」と言ったときに、あなたの目線に立っていっしょに人生を語れないような男性との未来に幻想を抱くのはやめましょう。
そういう男性はたとえ結婚したとしても、仕事で疲れて帰ってきたあなたが、家事も子育てもセックスも何もかもお膳立てしてくれる都合のよい妻になることを当然のことと考えています。

Victoriaでした。