ヴァギナ (13) バイブレーター発明の真実
こんにちは。Victoriaです。
- 作者: キャサリン・ブラックリッジ,藤田真利子
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2011/02/04
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さて、前回、女性の潮吹きは、前立腺からの精液の放出であるということをご紹介したんだけど、
(ヴァギナ (12) 潮吹きの意味 - Victoriaの日記)
女性の精液をめぐっては、西洋の医学者の間で、長年にわたり、興味深い論争が続いていた模様。
その論争とは、ズバリ、
女性の潮吹きを促すために、
医師がヴァギナのマッサージをすることは倫理的に正しいのだろうか?
昔から、液体を体内にとどめることは病気を引き起こすと考えられていて、
若くして夫を亡くした人や、処女に多いヒステリー治療として、
さまざまな方法がとられていた。
例えば、
・夫がいるなら、激しい性交をする
・独身、未亡人、修道女なら、乗馬やブランコで骨盤を前後に動かす
・医師や産婆にヴァギナのマッサージをしてもらう
医師のマッサージに関して言えば、
上手な医師ばかりではなかったようで、
「手でマッサージするのは、『別のもの』が5分か10分で成し遂げるよりもはるかに深みのない結果を得るのに、大変な時間がかかる」
ということで、『別のもの』が発明されることとなる。
『別のもの』とは、もちろん、
バイブレーター。
つまり、バイブレーターは、最初、医学器具として発明されたのである。
バイブレーターが電力式になったのは、1883年。
1873年、アメリカの医療の4分の3以上が女性の病気に専念。(つまり、ヒステリー治療のこと)
その医療費の総計は1億5000万ドルに達した。
19世紀末には、オーガズムのためのマッサージがアメリカの医療の主要部分を占め、
週一で通う女性患者がたくさんいたので、大変儲かる商売だったらしい。
電気仕掛けのバイブレーターが発明され、
各地の診療所でバイブレーターを使ったマッサージが提供された。
また、1890年代のアメリカでは、5ドルでポータブル・バイブレーターが買えるようになり、
瞬く間に大ヒット商品となった。
バイブレーターは、
ミシン、扇風機、湯沸かし器、トースターに続いて5番目に電化された家庭用品となり、
通販の雑誌に堂々と掲載された。
当時の宣伝文には、
「1分間に3万回の、ぞくぞくする、爽快な、徹底的な、元気の出る振動を与える機械です」
と書かれている。
しかし、女性がバイブレーターを使ってオーガズムに至ることを問題視する医師も当然おり、
「なぜ、女性が夫とのセックスを拒否するか」
という論文で、
「バイブレーターを使ったマスターベーションが、
正当なセックスよりも大きな満足を与えるという事実」
に原因があると指摘された。
一方で、オーガズムが健康のために不可欠であるという説をとなえた医師として、
ヴィルヘルム・ライヒ(1897〜1957)がいる。
ライヒは、
「人間は生涯に平均して4000回のオーガズムを経験する。
この喜びと生命の推進力を消さないでほしい。
人々よ、健康のために自由にセックスするがよい」
と書いた。
彼の本は、ナチスとアメリカによって焚書され、
最後はアメリカで投獄されて獄死した。
現在では、オーガズムが健康にいいかもしてないことを示す研究がいくつかなされ、
週に2回以上のオーガズムを経験している人は、
週に一度、あるいはまったくなしの人より長生きする
と示されている。
・・・ということで、本日の結論 :
一日一度のオーガズムで医者知らず。
Victoriaでした。
・・・
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