田中周紀 「国税記者 実録マルサの世界」 (3)真鍋かをり事件の真相

こんにちは。Victoriaです。

国税記者 実録マルサの世界

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さて、「脱税の参考書」と言われる本書によると、
マルサと呼ばれる査察部が調べるのは、




悪質な隠蔽工作が意図的に行われていて、
主に3年間の所得隠しの合計額が1億円を超える事案。





金額がそれ以下の小さなケースは、
通常の税務調査の対象。




3年間の売上の合計額が1億円にはるか届かない人のところには、
マルサは来ない、残念ながら・・・



具体的に、どういう会社が一番ねらわれやすいかというと、




業績が短期間で急拡大した会社。




経理体制が追いつかないため、
税務申告がずさんになりがちだし、
いきなり、桁違いの税金を納めなければならないということに気づくと、





ヤッベー! 隠さなきゃ!!!





そんな社長のあせりがモロ出た脱税のケースが、





芸能プロダクション「アバンギャルド」の脱税事件。




これは、事務所をやめる、やめないでもめてた、真鍋かをりの事務所で、




真鍋かをりの事件については、
何となく知ってはいたんだけど、
その真相が本書を読んで初めてわかった。





あれは、壮大な脱税工作を画策したやり手社長との労使問題だったのね。





アバンギャルドの看板タレントは真鍋かをりゆうこりん小倉優子)の二人。
この二人がブレイクした時期に、
架空経費の計上をするため、
社長は実態のない会社を二つ作った。






作った会社の名前は「アヴァンギャルド」。(たった2文字ちがい)
会社の決算期の違いを利用して、
「グルグル回し」と呼ばれる架空経費の付け替え工作を行っている。




3年間で隠した所得は合計11億6000万円。
法人税の脱税額 3億4500万円。
隠した所得はテレビ局や広告代理店への接待に利用。





しかし、タレントへのギャラは固定の月給制で、
真鍋かをりの月給は、査察の入った08年2月の時点で400万円に過ぎなかった。





真鍋かをりは事務所に契約解除を求めて提訴したわけだけど、
よくそれまで我慢してたよね・・・





やっぱり、どの大将についていくかっていうのは、
ホント、大事・・・




女が世渡りしていく上で、
男を見る眼っていうのは、
何よりもまず第一に必要な能力よね・・・




・・・


同じような事件は、
AVプロダクション「ミューズコミュニケーション」でも起こっている。




所得を隠して脱税するため、
複数の関係会社の口座を使い分けて、売上を除外。
また、実在しないスカウトマンにスカウト料を支払ったように見せかけて経費を水増し。




会社にガサ入れしたところ、
借用書や領収書が大量に出てきたが、
印鑑が押されているところをこすってみたら、
朱肉が簡単にこすれてしまい、
最近作ったものだということがバレた。




どうやら、これは顧問税理士の入れ知恵だったらしい。




調査は難航したが、
結局、3年間で隠した所得 3億1500万円。
脱税額 9200万円。



懲役1年、執行猶予3年の判決を受けた後、
社長は会社に復帰し、
査察に入られたことをバネに、
ますます頑張っているらしい。





芸能プロダクションっていうのは、
タレントがブレイクすると露出がぐんと多くなるから、
査察部に目をつけられやすいはず。





・・・ということで、本日の結論 :




ホステスやタレント、芸能プロダクションの顧問税理士の先生って、
よくわからないけど、すごく大変そう・・・






Victoriaでした。


・・・

国税記者 実録マルサの世界」バックナンバーはこちら。
田中周紀 「国税記者 実録マルサの世界」 (1)マルサの正体 - Victoriaの日記
田中周紀 「国税記者 実録マルサの世界」 (2)銀座高級クラブの巨額脱税事件 - Victoriaの日記