大村大次郎 「バレると後ろに手が回る 脱税のススメ」 (7)ノルマに追われる国税調査官
こんにちは。Victoriaです。
- 作者: 大村大次郎
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さて、これとねらいを定めた敵(カモ?)から追徴税を取るためには、
どんな汚い手を使うこともいとわない国税庁や税務署。
もちろん、「汚い手」っていうのは、
調査される納税者側からの言葉であって、
使う手が汚ければ汚いほど、
国税内部での評価は上がり、
出世することは周知。
例えば、「横目」。
銀行には、納税者の資産状況や売上金の出入金情報が残っているので、
いわば、国税にとっては情報の宝庫。
銀行にとって、国税庁は監督官庁筋にあたるため、
その調査を拒むことはできない。
しかし、銀行にとって調査対象である納税者は、
大事なお客様。
税務署がマークしてますよ・・・てな情報が、
銀行筋から漏れないとも限らない。
そこで、税務署は前もって銀行に調査対象者が誰であるのかを告げる時に、
「ダミーの調査先」
を告げ、
本命のターゲットの調査をこっそりやってしまう。
これを、
「横目」
と言うんだそうだ。
そうねえ・・・
はっきり浮気調査とわかってしまうと口裏合わせされる可能性がある場合に、
「○○ちゃん、来週の金曜日、いっしょにお茶でもどうかしら?
あら、忙しい?
う〜ん、それは残念ねえ・・・ちょっとの時間でも構わないんだけど・・・
じゃあ、土曜日はどうかしら?
あら、土曜日もダメ?
モテモテねえ、うらやましい・・・」
てな感じで、
カレの浮気相手と思われる女のスケジュールをチェックしたりなんかするアレと同じ手口ってことね・・・
・・・ということで、本日の結論 :
税務調査と浮気調査は、発想が同じ。
うん、
女に向いた職業かもしれないわね・・・
・・・
さて、
厳しい税務調査に孤高税調査官を駆り立てているインセンティブは何かというと、
ノルマ。
国税調査官にはノルマがある。
つまり、
決められた以上の調査件数をこなし、
一定額以上の追徴税をとってこなければ、
勤務評定に直接響く。
税務調査に行って、追徴課税や指摘事項がまったくないことを「申告是認」というが、
調査官にとって、申告是認ほど忌み嫌われるものはない。
「お前、何も仕事してないんじゃねーの?」
と上司から叱責、嫌味を受け、
ひどい場合にはノイローゼになってひきこもってしまう調査官もいるとか。
どんな世界でもノルマがあるのは当然だから、
このこと自体は驚くに値しないけれど、
ノルマがあるために、
調査官は一件あたりの調査に時間をかけられず、
その結果、本当に悪質な脱税を解明するというよりは、
件数かせぎのために比較的取りやすいところから取ろうとし、
それほど悪質ではない納税者のちょっとした間違いや勘違いによる課税漏れを、
本来ならば指導にとどめるべきなのに、
ムリヤリ脱税扱いにする傾向があるとするならば・・・
・・・ということで、本日の結論 :
国税調査官のノルマは、悪質な脱税者を見逃し、良心的な納税者を苦しめる悪の元凶。
Victoriaでした。
・・・
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