ライフネット生命の出口社長に歴史を学ぶ　Part 4　（３０）　靖康の変

こんにちは。Victoriaです。

2012年7月14日、京都大学百周年時計台記念館で開催された、
ライフネット生命保険の出口社長による「5000年史　Part4　１１、１２世紀の世界」の講義録、
今回は、「靖康の変」。

さて、
舞台は12世紀の中国、

１１１５年、
完顔阿骨打（ばいがんあくだ）が、
中国東北地方に金を建国。

宋は、
建国当時からお金で平和を買おう！をモットーに、
せん淵の盟を結び、
キタイ（遼）に金品を贈っていたわけだが→ライフネット生命の出口社長に歴史を学ぶ Part 4 （４）お金で平和を買うODAだったせん淵の盟 - Victoriaの日記
長くこのようなことを続けていると、
ある変化が起こる。

ケンカに強かったはずのキタイが、
絹、お茶、陶磁器なんていう高級品をいっぱいもらってぜいたくを覚えると、
だんだん軟弱になっていき、
ケンカにも弱くなってきた・・・

そこで、
１１２０年、
宋は金と海上の盟を結び、
いっしょにキタイを滅ぼしましょうという約束を交わす。

感想　：　宋って、○○の盟っていう約束事を取り決めるのが好きな国だったのね・・・

阿骨打は１１２３年に死んでしまうが、

金は約束を守り、
キタイに攻め入る。

いっしょに滅ぼしましょうという約束を交わしたはずの宋は、
この時、まったく役にたたず、

結局、
１１２５年、
ほとんど金の手柄でキタイを滅ぼし、
滅ぼされたキタイは、
西へ西へと逃げていってカラキタイ（西遼）を作った（１１３２〜１２１１）。
手柄をたてた金は、
やみくもに領土の権利を主張するのではなく、
約束通り戦費を宋に請求するという大人の対応をしたのだが、

宋、金を裏切る。

実は宋は大変なウソつきで、
最初から金と協力してキタイを滅ぼす気なんてさらさらなく、

なんといっても、

夷を以て夷を制する（夷以制夷）

という言葉のあるお国柄、

金と遼がお互いにやっつけあって、
共倒れしてくれれば、
ラッキー！

だから、
もともと軍隊が弱いっていうのももちろんあるけど、
わざと力抜いて、
簡単に遼を滅ぼしてしまわないように、
なるべく金に打撃を与えてくれるように、
サボタージュ。

その後、
金から戦費を請求されても、
一向に払わずのらくらのらくら逃げ回りつつ、

実は裏でキタイにも密使を送り、
「いっしょに金をやっつけようぜ」
などと持ちかけていたことが金に発覚、
金の逆鱗にふれる。

なぜバレたかっていうと、
密使がみすみす金につかまったからなんだけど、
激怒した金、

なめとんのかあああああ！！！！！

ということで、
一気に宋に攻め入り、
開封陥落、

１１２７年、
自らの二枚舌が災いして、
北宋滅亡。

この時、
金は、
皇族や官僚など数千人規模の捕虜をとり、
満州へ連行、

彼らは、
二度と故郷へ帰れず、
金で捕虜にとられたまま死ぬという大変悲惨な運命をたどった。

この事件を、
靖康の変（せいこうのへん）と呼ぶ。

・・・

さて、
靖康の変では、
北宋の第8代皇帝徽宗や第9代皇帝欽宗も捕らえられ、
満州に連行されたんだけど（このことを二帝北行という）、

この時、
連行されたのは、
男だけではなかった。

金が攻め入ってきた時、
幸運にも不在にしていたためかろうじて南に逃れることができた高宗が、
江南に南宋を建てるんだけど、

その高宗の母や妻を含む、
多数の皇族の女性、
それに、
官吏や平民の女性たちも金に連行され、
洗衣院に入れられた。

洗衣院というのは、
金の皇族の男たちに奉仕する、
国立の売春宿で、

捕虜となってつれてこられた女性の数が、
資料に残っているので、引用すると、

の計11635名（ウィキペディアより引用）。

それぞれの女性たちは、
金額をつけられ、
戦争報酬とされた。

洗衣院では、
すべての女性が、
身分・出自に関係なく、
上半身を露わにし、
陵辱を受けたという。

12世紀の世界って、こわい・・・

Victoriaでした。

・・・